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奇才ウォーレン・スペクターが語る、ゲームのストーリーテリングの未来とは?
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▲PCゲーム市場の大きい北米を中心に、絶大な人気を誇るウォーレン・スペクター氏。つねに理想のゲームの形を模索しながら作る氏の開発スタイルは、とかく時間がかかりがちなこともちょっとだけ有名。 |
"次世代ゲーム開発におけるストーリーテリングの未来"と題して行われた今回の講義は、まず最初に、同氏が過去に述べてきた"ストーリー"の定義や、ゲームにおけるその重要性を再確認。これまでのゲームにおけるストーリーは、(1)直線的に進行していくもの、(2)過去の物語などがくり返されるもの、(3)プレイヤーが作り出すもの、(4)プレイヤーが作り出し、開発者と共有するもの、といった4つの型に分類できると説いた。そのうえで、現在のゲームのストーリーは(1)のタイプが主流であり、それらはプレイヤーをコントロールしやすい反面、強制的であり、"ゲームのためのストーリー"としての未成熟さを指摘した。対して、同氏がもっとも価値を置いているのは(4)のタイプ。
「作り手(開発者)が遊び手(プレイヤー)に、ストーリーを生み出す手段やチャンスを自然に与えることで、作り手と遊び手が創造性を共有していくストーリーを、自分の作品でも志向しています」(スペクター)
続いて「次世代ゲーム機が出揃ったいま、我々はゲームのためのストーリー開発において、岐路に立たされている」(スペクター)と問題を提起。ゲームの表現力や規模が拡大していく中、よりリアルなグラフィックでキャラクターを描き、緻密な3D世界を構築し、より高度なAIを持つNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)や、膨大なインタラクションを用意すれば、さらにストーリーの説得力を増すことも可能かもしれないが、それはそもそも余りある予算と時間があってこその話。「世界を作ること(自由の創造)とセットを作ること(制限の創造)は同じではない」(スペクター)と述べ、物量的ではなく、開発者の創造性もゲームのストーリーの進化には不可欠との持論を展開した。
また、よいストーリーに必要な要素として、"変化(ダイナミズム)"、"ペース(緩急)"、"キャラクター(背景設定など)"、"会話(演出技術など)"の4つのキーワードを挙げながら、マンガなどにおける記号的な表現力の強さや、役者の表情や体の動きだけですばらしい会話シーンを表現しているサイレントフィルムなど、自身はゲーム以外の分野から学んでいる点が多いという実例も示した。
大学で教鞭を取っていた経験もあるという同氏の講義は、非常に多くのスライドを交えながら進められ、まさに大学の授業といった雰囲気。氏の言い回しには、時に哲学的、時に抽象的な表現も多く、終了後にたくさんの生徒(参加者)が質問のために並んでいたのも印象的だった。同氏は昨年、新たな開発の場であるジャンクション・ポイント・スタジオを立ち上げ、次世代機用のゲームを開発中とのこと。今回、提起された問題のひとつの答えとしても、氏の次回作に注目しておいて損はないだろう。
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▲GDCの運営スタッフも驚いたというほど大量のスライドを用いて説明を行ったスペクター氏。過去に多数の講演を行っている同氏らしく、かなり時間を割いて前回の復習なども語られた。 |
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