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ゲーム甲子園 2006の発表・授賞式が開催! 未来の巨匠が今日生まれた


●ゲームクリエーターのための登龍門! 大賞は黒岩英夫氏の『リターンマン』に決定!
 

 ゲームクリエーターの発掘を目的に、エンターブレインと財団法人デジタルコンテンツ協会主催により実施されている"ゲーム甲子園2006"の発表・授賞式が、2007年2月23日に行われた。クリエーターの登竜門ともいうべきこのコンテストも、今回で3回目。応募総数は552作品で、大賞と"企画アイディア部門"、"プログラム部門"、"コンセプトシート部門"、"サウンド部門"の4つの部門賞が選ばれた。

 当日は、発表・授賞式に先駆けてデジタルスケープのエクゼクティブプロデューサーである川村順一氏によるフォローアップ特別講演"ゲーム業界サバイバル 人材編"が、秋葉原のデジタルハリウッド校内で行われた。ゲーム甲子園 2006の審査員でもある川村氏は、ナムコ在籍時に『鉄拳』シリーズや『ソウルエッジ』などを手がけたクリエーターとして有名。講演では、33歳でナムコに入社した同氏のゲーム業界におけるプロフィールを入り口に、いまゲーム業界が大きな変化の時代に突入していることを説明した。

 「いまのゲームは遊ぶ時間や遊ぶ年齢層、遊ぶ場所などすべてが"拡散"しています。それにしたがって、ゲームの開発体制も変化しようとしています。ご存じのようにメーカーはM&Aをくり返し、有名プロデューサーが独立する例も多く見られます。今後は自社開発からアウトソーシングが主流になるでしょう。そんななか、クリエーターを目指す若者は、自分にとって"何がもっとも大事か"を見極めつつ、困難を乗り越えてキャリアを築いていかないといけない」(川村)

▲最後に川村氏が大好きだという「好機に出会わなかった者はいない。ただ、好機にできなかっただけだ」というアメリカの実業家アンドリュー・カーネギーの言葉が来場者に贈られた。

 

 そのあとは、場所を秋葉原UDX・東京アニメシアターに移して、いよいよゲーム甲子園 2006の発表・授賞式! 会場には、審査員である岡田耕始氏(ガイア 代表取締役)や薗部博之氏(パリティビット 代表取締役)、広井王子氏(レッド・エンタテインメント)など、そうそうたるクリエーターが出席。いやがうえにも緊張感が高まるなか、発表・授賞式は、エンターブレインの代表取締役社長の浜村弘一の言葉から始まった。

 「今回は応募が552作品で、前回より200作品も増えて1.5倍になっています。認知度が徐々に上がっており続けてきてよかったと思っています。これも協賛各社や審査員の方のご助力の賜物です。もちろん量だけでなく質も上がっており、ケータイゲームなら、そのまま製品化できそうな作品が揃いました。これからも継続して、一層ゲームクリエーター発掘のための登竜門となるべくがんばっていきたいです」(浜村) 

 そして、各部門賞と大賞が発表! 見事大賞を射止めたのは、黒岩英夫氏制作による『リターンマン』。過去の自分と協力しながら、フィールド上にあるカギを取っていくというアクションパズル。ゲーム甲子園の歴史の中でプログラム部門から大賞が選ばれたのは初めてだが、審査員に何よりも評価されたのはその卓越したアイデア。審査は各審査員がノミネート作品を10点満点で採点し、その合計で競うという選定方式を採用しているのだが、岡田耕始氏は、この『リターンマン』に満点の評価。「はまりました! 商品化したいくらい」と激賞していた。薗部氏も「過去の自分と協力してアクションするというのは、ゲームのみならず、映画やマンガなどでもなかったアイデアでとても秀逸」と手放しの褒めようだった。以下、大賞と各部門賞のプレゼンターおよび受賞者の喜びの言葉を紹介する(ゲームプログラム部門は得点が同数のため2作品を選定)。 

 

ゲーム甲子園2006の部門賞受賞作

大賞:『リターンマン』 作者:黒岩英夫氏

ガイア 代表取締役 岡田耕始氏「プログラムとしてはいまひとつだけど、企画がスゴイ。マップも作るのが難しかったと思うけど、よくできている」
黒岩英夫氏「過去に戻るというアイディアは、映画『バッグ・トゥー・ザ・フューチャー』を見たときから、なんとかゲームにもってこれないものかとずっと考えていました。たしかにマップを作るのがたいへんでした。すばらしい賞をいただけて、ありがとうございます」

企画アイディア部門:『ヘキサイティング・コネクション・オンライン』 作者:いっぷく三昧氏

東京大学 教授 馬場章氏「企画の中ではいちばん地味だけど、実際に企画書を読んでみると、奥が深そうな感じをもたせてくれるので、思わずいい点数をあげてしまいました(笑)。オンラインを志向しつつ、プロトタイプとして実現性の高いボードゲームの提案をしている点も評価します」
いっぷく三昧氏「デジタルゲームのコンペにも関わらず、あえてボードゲームを送って審査に臨みました。授賞したということは、ボードゲームのおもしろさを評価されたということなので、うれしい」

ゲームプログラム部門:『食べる』 作者:藤本幸平氏

レッド・エンタテインメント 取締役会長 広井王子氏「じつは評価したポイントはプログラムではなくてコンセプト。実現可能はどうかは別にして、パブリックなところでの使用を前提にしているところがすごい。ボタンを押したら遠く離れたところでアクションが起こるということが頭に浮かんで、どこかで自分たちがつながっているんだということが、リアルに想像できた」
藤本幸平氏「学校で作ったときも賛否両論でもめました(笑)。少しでも認められたことは大いに励みになります。今後はこのゲームを超えるものを作りたいです」

ゲームプログラム部門:『Line&Ball』 作者:小形雅博氏

パリティビット 代表取締役 薗部博之氏「この手のたぐいのゲームはけっこうありますが、ボールをふたつにして、ボールを結んだ線で消していくというのがアイディア。まだアイディアは煮詰められるとは思いますが……」
小形雅博氏「授賞するとは思っていませんでした。緊張しすぎて、心臓が痛いです」(会場爆笑)

コンセプト部門:『っ!』 作者:石川睦氏

シング 取締役副社長 鈴木理香氏「コンセプトシート部門ということで、よりとがったアイディアが求められますが、この応募作は塔が傾くというアイディアの1本勝ちですね」
石川睦氏「前回応募をしたときに広井さんに"タイトルのつけかたがマズイ"とコメントされたので、自分にはタイトルをつけるセンスがないということで、開き直ってこんなタイトルにしました(笑)」

サウンド部門:『世界樹』 作者:古田哲朗氏

デジタルスケープ エグゼクティブプロデューサー 川村順一氏「勝手にiPodに入れて折に触れ聞いていることが、自分の気持ちだと思ってください(笑)。とにかく完成度が高くて、状況が思い浮かびます」
古田哲朗氏「ステキな賞をありがとうございます。こういう賞をもらったのは、小学校のときの貯金箱コンクール以来でうれしいです(笑)。これを機会にオリジナリティーに磨きをかけたいと思います」


 こうして、ゲーム甲子園2006発表・授賞式は幕を閉じた。なお、ゲーム甲子園は今後も継続予定。詳細については後日正式発表があるので、「ゲームクリエーターになりたい!」と思っている方は、しばしお待ちを。

▲大賞を授賞した黒岩英夫氏は「昨年はノミネートだげだったので、今回は気合いが入りました」とのこと。

▲授賞式の最後には、各クリエーターがコメントを。「プロは冷たいから、本当のためになるアドバイスはしないんだよ。だってライバルが増えちゃうもん」と発言して会場を笑わせた広井氏。さすがサービス精神は旺盛です!

▲誇らしげな授賞者のみなさん。左から藤本幸平氏、小形雅博氏、古田哲朗氏、黒岩英夫氏、いっぷく三昧の3氏、石川睦氏



※ゲーム甲子園2006の公式サイトはこちら 

 

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