中国市場をするどく分析 リアルマネートレードの現状
【AOGC 2007 Tokyo】
●日用雑貨のようにアイテムを販売
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▲中国ゲーム市場に精通している中村助教授。 |
立命館大学政策科学部の中村彰憲助教授は"中国オンラインゲーム市場最新事情と、海外で進むゲーム産業のグローバルゲーム開発ネットワーク"と題した講演を行った。中村氏は以前から中国ゲーム市場を長期的に調査、研究を行っている。研究者という立場で中国のオンラインゲーム市場の実情、展望を分析するとともに、日本のゲーム産業がグローバル展開していくうえでの課題やその解決方法についても言及した。今回はとくに興味深かった中国市場についてリポートする。
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▲オンラインゲームがインターネット市場を牽引。 |
現在、中国のネットユーザーは1億3700万人。その利用コンテンツをみてみると、オンライゲームはかなり上位に食い込む。ブロガーよりもその頻度は上。「ネットゲームが牽引する形で、さまざまなコンテンツが登場していきているんです」(中村)。ブログが先行している日本とは逆のパターンとなっているわけだ。
2005年から集計を始めたというダウンロードの音楽、映画も上位に食い込んでいるが、これらの大半が違法行為だというから中国市場らしさか。「だが、この分野はこれから中国参入を目指すメーカーにとって、大きなヒントになる可能性が高い」(中村)とアドバイスする。
オンラインゲーム分野に着目すると、2004年を境に急成長していることがわかる。これはカジュアルゲームの登場が起因のひとつと考えられているようで、女性層、低年齢層の増加が強く反映されているという。中国市場は”破竹のような勢いで成長中”とさんざん表現されてきたが、グラフのとおり、いったんは安定期を見せつつあるようだ。
最近の中国市場のトレンドについてはなかなか興味深い。「2006年の人気タイトルをあげると一時代を築いた『リネージュU』や『ラグナロク』はもう衰退ぎみ。いまはアイテム課金のゲームが主流となっています」(同)。2006年に人気ランキングに新たに加わったゲームのほとんどがアイテム課金のもの。『愛情アパート』というゲームでは、パートナーと同居が可能で、生活日数によって壊れていくアイテムがあるのだとか。つまり日常品を揃えるかのように、いろいろなものを買い足していくのだ。アイテム課金は日本でも浸透しつつあるが、さすがはオンラインゲーム先進国。運営面やサービス面では一日の長がある。
●まだまだ根強い問題も
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▲RMTは世界のどこよりも深刻。 |
市場成長とともに、ますます深刻さを増している問題がRMT(リアルマネートレード)だ。これは簡単に言えば、ゲーム中のアイテムを本当のお金で取引すること。それは「RMTされないゲームは人気がない」(中村)とされるほどで、事実上、ひとつの市場を形成している。
オークションサイトを使ってのユーザー間の取引がメインとなるが、この市場は膨らむ一方。2003年は10億元と言われていたが、2006年には40〜70億元とも言われている。これを専門としているユーザーもいて、中村氏はゲーム内労働者と呼んでいる。「1日実労8時間、昼食付き、というようなゲーム内労働者の中には地下組織的なものも存在する。その数、約50万人とも言われていて、PCバンで生活している人がいるほど。中でも悪質なのがユーザーアカウント市場です」。
ユーザーアカウント市場とは文字どおり、ユーザーのアカウント情報を勝手に取得し、それを売買してしまうというもの。アイテムがなくなるのはまだましな方で、アカウントが他人にのっとられることもしばしばあるという。「現在はレベル上げ代行業なるものも登場し、ゲーム内労働者は増える一方です」とは中村氏。需要と供給が成り立っていること事態が、その根深さを物語っている。
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▲ネット犯罪にないている人が多数。 |
この加熱するRMTに対して政府は最初、容認する立場を見せたが、最近は取り締まる姿勢を見せているとか。だが、その一方で、取り締まることにより、RMTがよりアングラ化するおそれもあり、完全に模索状態だという。中村氏は「ナスダック上場するような国産企業も出てきているのに、これから優良企業をどうやって国が守っていくのかが見もの」と、その動向を見守る。
暗い話ばかりが続いたが、中国市場はさまざまな面で成長のあとを見せている。中国メーカーの中には、アジア13ヵ国でオンラインゲームを展開するところもでてきた。コカ・コーラとタイアップし、メディアミックス戦略をとるタイトルも登場した。ゲーム分野では発展途上と言われながらも、グローバル化は着々と進んでいる。コピー問題などのほかに、外国産ゲームの検閲、ゲームのプレイ時間の規制など、まだまだ政府の試行錯誤も続いている状態だが、確実に明るい話題が揃ってきている。いまは市場が安定しているが、総人口を考えれば”成熟期”とは違うことが容易にわかる。中国市場に関しては使い古された言葉だが、「いまは見守るしかない」、これにつきそうだ。
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