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【TGS2006番外編】日本のゲーム、米国市場の潮流を熱く語る! 米国独立系開発会社のクリエーターにインタビュー

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●北米市場向けに恋愛シミュレーションゲームを開発中!?

 東京ゲームショウ2006期間中に、あるアメリカのゲームクリエーターにインタビューを行うことができた。その人物とは、Foundation 9 Entertainment(ファンデーションナイン・エンターテインメント)のクリス・チャーラ氏とマイク・マイカ氏のふたりだ。Foundation 9は独立系開発会社6社が集まって設立されたという。インタビューではさまざまな話題が飛び出した。Foundation 9の今後のこと、北米市場の動向、ゲーム業界の潮流など話は尽きない……。

クリスとマイク

▲クリス・チャーラ氏(写真左)とマイク・マイカ氏(右)。東京ゲームショウ2006の視察のためにふたりは来日。「刺激的な作品が多かった」と笑顔で語る。
 

 
――まず、Foundation 9はどんな会社なのか、教えてください。

クリス・チャーラ氏
Foundation 9のエグゼクティブプロデューサー。グループの運営、開発を統括する。
 

クリス PIPEWORKS、the Collective、BACKBONE ENTERTAINMENT、CIRCLE OF CONFUSION、imagine engine、DIGITAL ECLIPSEの6つのゲーム開発会社が集まって設立しました。Foundation9はその親会社で、全体を取りまとめている。アメリカでは、独立系のディベロッパーが成功して大きくなると大手パブリッシャーが傘下に入れていくケースが多いが、我々はそれとは違う。会社間の関係は対等です。それぞれが独立性を保ちながら、互いにコミュニケーションをとって、それぞれが作品作りに打ち込んでいるんです。

マイク スタッフは全部で480名。いま、携帯端末からプレイステーション3まで、全体で43のプロジェクトが進行中です。
 

――おふたりの役割は?
 

クリス Foundation 9では、グループ全体の統括が僕の仕事。私はもともとBACKBONEに在籍していて、『DEATH Jr.』などのプロデューサーをやっている。

マイク 私は開発全体のヘッドです。もともとはプログラマーで、BACKBONE内のスタジオのひとつ、"Emeryville(エメリビル)"のヘッドをやっている。『DEATH Jr.』ではクリエイティブディレクターを務めました。

――『DEATH Jr.』というと、たしか世界で最初にゲーム画面が公開されたPSP作品でしたよね?

 

マイク・マイカ氏
Foundation 9の開発ヘッド。日本のゲームに対して造詣の深い人物だ。
 

クリス そのとおりです。2004年のGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)でお見せしました(→関連記事)。『DEATH Jr.』はKONAMI(米国法人、以下同)さんから発売され、おかげさまで売れました。この成功により続編も決まって、いまは、新しいキャラクターを作ってパブリッシャーにプレゼンしている段階です。

マイク 続編はPSP向けに制作中ですが、ニンテンドーDS向けに開発することも計画しています。また、据え置き型ゲーム機向けの計画もあり、Wiiとプレイステーション3、Xbox 360のうち、もっとも適したハードは何かを検討している段階です。あと、恋愛シミュレーションゲームも開発していますよ。

――アメリカで恋愛シミュレーションゲームですか!? このジャンルのゲームは北米市場では実績がないですよね?

マイク そうですね、北米市場にはいままでなかったジャンル。大きな挑戦だと思っている。じつは、『DEATH Jr.』の成功のあと、KONAMIさんから「『ときめきメモリアル』のシステムを使って北米向けの作品を作ってみないか」と声をかけられたんだ。それで、北米版『ときめきメモリアル』といった感じの作品を、『Brooktown High:Senior Year』というタイトルで開発している。

――『ときめきメモリアル』については、どう思いますか?

マイク KONAMIから通訳の方を呼んで、最初から最後まで全部訳してもらいながらプレイしました(笑)。これが、すごくおもしろい! キャラクターのアプローチのしかたがアメリカにはない手法で、とても新鮮だった。このおもしろさを、ぜひ北米のゲームファンにも伝えたい。そのために、シナリオはハリウッドのライターにお願いしていて、アメリカの若者が共感を持てる設定にしていきます。

――具体的にはどんな設定に?

マイク アメリカでは卒業式が終わるとダンスパーティーをやるんですが、ここで恋を成就させることが目的になる。その目標に向って、12人の女の子の中から、自分にいちばんあった人を探していくんです。このほか、プレイヤーキャラクターが4種類あり、これは心理テストで決定します。自分に似たキャラクターでプレイできるんです。

クリス グラフィックに関しては3Dでの描画になります。遠景はほかのPSP作品と同程度ですが、顔のアップはプレイステーション3と変わらないくらいきれいです。我々は"REAPER(リーパー)"という描画エンジンを持っているのですが、これを使えばPSP、ニンテンドーDS、プレイステーション3、Wii、Xbox 360、PCに対応している。

『Brooktown High:Senior Year』

『Brooktown High:Senior Year』

▲『Brooktown High:Senior Year』は北米で2007年春に発売予定。「女の子と仲良くなりたい!」という気持ちは万国共通だ。恋愛シミュレーションが海の向こうでも登場する。


――恋愛シミュレーションゲームは、北米市場でも受け入れられると思いますか?

マイク 可能性は十分にあると思う。というのも、ここ数年、日本製の風変わりなゲームが北米市場でヒットするようになったんです。例えば、『メイドインワリオ』や『LocoRoco』などがそうですね。

クリス 北米のゲーム市場では続編ばかりが売れる傾向にあり、ジャンルもスポーツ、レース、アクション、FPSがほとんど。当然、大手パブリッシャーもこの手のゲームばかり発売したがるわけです。開発者のほうも"従来の人気シリーズ、人気ジャンルでなければ売れない"と思い込んでいるところもあり、新しい作品が生まれにくい状況にあったように思います。しかし、日本製の斬新で奇妙なゲームが売れた。その流れを決定づけたのは『塊魂』のヒットでした。この作品はすべての面において我々を驚かせた。ゲームシステム、ビジュアル、音楽、世界観のどれをとっても新鮮なんです。

マイク よく「『塊魂』のようなゲームを作ってください」というパブリッシャーからのオーダーもあるんですよ。簡単に作れるわけがないのですが……(笑)。そのほかでは、『どうぶつの森』にも驚かされた。このようなゲームが受けるなんて、北米のゲーム開発者で予測できた人はほとんどいなかったと思う。また、『どうぶつの森』がひとつのジャンルを作り、そのあとも『牧場物語』がヒットしています。北米では確実に新しいタイプのゲームが受け入れられてきている。

――『Brain Age』(北米版『脳を鍛える大人のDSトレーニング』)のヒットもそうですよね?


クリス 『Brain Age』は、ものすごく売れていますよ。これまでゲームをやらなかったような人たちが、このソフトのためにニンテンドーDSを購入しています。実際、僕の母も買いました(笑)。

マイク 僕の両親も(笑)。ニンテンドーDSは、現時点でいちばん勢いのあるハード。ユーザー層を広げているのがすごいところで、僕の友人で堅物の海軍兵がいるんですけど、なぜか『おいでよ どうぶつの森』にハマっている。「○○○という家具を持っていたら、交換してくれ」と毎週のように電話がかかってくる(笑)。

――『Brain Age』のような学習ソフトに興味はありますか?

マイク こういうアイデアは私たちにもありました。じつは、数年まえに我々も学習ソフトを作ったことがあるんですよ。でも、当時は「こんなゲームは売れない」って、パブリッシャーからは断られてしまいました……。ところが、『Brain Age』がヒットすると、当時のことをパブリッシャーに憶えてもらえていたようで、「あの学習ソフトを作ってみないか」と連絡がありました(笑)。北米でも新たな流れを作り、いまアメリカの業界関係者が注目しているジャンルになっています。

――ほかに、いま北米の主流でないもので、人気が出る可能性を感じるジャンルはありますか?
 

マイク 音楽ゲームですね。『GUITAR HERO』という大ヒット作がありますが、ほかにもいろいろな遊びかたができるはずなんです。『リズム天国』のような作品もウケるんじゃないかな?
 

クリス それから、ビジュアル面に関しても、日本のアニメにあるような子供っぽい絵柄が受け入れられるようになってきたと思う。北米では、いままでは絶対的なリアル志向だったが、これは変わりつつありますね。

マイク ここ10年、日本のポップカルチャーがアメリカに及ぼした影響は非常に大きいと思う。とくにアニメは、『ポケットモンスター』がヒットしてから、日本流のアニメ表現が主流になりました。それらを見て育った子供たちが、現在は大人になっているわけですから、日本のゲームに見られるような絵柄(リアルではなく、目が大きいなどのディフォルメが施されている)が、受け入れられる土壌になっているはずなんです。
 

クリス 北米のゲーム市場は変わりつつあります。日本の人気ゲームが北米でも売れるようになり、逆にFPSなど北米のゲームが日本でも売れるようになってきた。これはゲーム業界にとって、とてもいい流れだと感じています。

――東京ゲームショウの印象はいかがですか?


クリス 会場に向うとき、電車がものすごく混んでいて驚きました(笑)。新作をゲームユーザーが触れることができるのはすごくいい機会だと思う。開発者にとっても、ユーザーの反応を見ることができますし。また、僕らも日本の刺激的な作品をたくさん見ることができた。
 

――刺激を受けた作品は?


クリス 『GENJI』の色使いがものすごく新鮮だった。それから『バンピートロット2』にも興味を持ちました。ロボットに乗ったり、ハーモニカを吹いたりという世界観の設定がおもしろい。あとは、『ロストプラネット』ですね。オンラインマルチプレイの部分がよくできている。我々もマルチプレイは今後のゲーム開発の課題だと考えています。とても参考になった。
 

マイク 『デビル メイ クライ 4』の操作性がすばらしかったですね。ほかでは、『シーマン2』かな。僕は斉藤由多加さんの作品が好きなんです。ユニークな世界観、ゲームシステムにはいつも驚かされています。

――プレイステーション3、Wii、Xbox 360のそれぞれの印象についてもお聞きしたいのですが?
 

クリス Foundation 9(グループ6社)のエンジニアは、プレイステーション3をとても気に入っています。Wiiについても同じくらいワクワクさせられている。このふたつのマシンは、方向性は違いますが、すごく挑戦意欲をかきたてられます。Xbox 360は開発のしやすさがいいところ。でも、チャレンジできる余地がちょっと少ないかな、という印象を持っています。それぞれにいい面はあると思いますが、私たちはチャレンジのあるハードのほうが好きですね。

マイク それから、これからはダウンロードゲームも多くなってくると思う。だから、ジャンルにこだわらず、メインストリームとは離れた新しいゲームも作ってみたい。

クリス あと、オンラインマルチプレイにも注目しています。我々がいま模索しているのはプラットフォームを越えたマルチプレイです。例えばプレイステーション3とPSPで同じ世界を共有するという感じです。そのうえで、それぞれのハードのプレイヤーには違う役割を持たせる。REATERはいろいろな機種に対応しているので、そういうチャレンジをしていきたいと思います。

――自分たちの作品を日本にも売り込みたい、と思いますか。
 

クリス それはもちろん! 業界の流れも以前に比べて売り込みやすくなってきていると思いますし。もう少し時間はかかりますが、将来的にはチャレンジしてみたいですね。

マイク アメリカのゲームはこれからもっとよくなりますよ。もし、私たちのゲームに興味を持ってくれた日本のパブリッシャーがありましたら、いつでも連絡ください!


※Foundation 9 Entertainment公式ホームページ(英文)
関連記事:GDC2004でPSPの新情報がぞくぞくと

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