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【CEDEC 2006】発売前日に『ファンタシースターユニバース』の開発秘話が披露
【CEDEC 2006】

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●『ファンタシースターオンライン』から『ユニバース』へ!

 2006年8月31日にセガから発売予定のプレイステーション2、PC用ソフト『ファンタシースターユニバース』。発売日を翌日に控えて、CEDECでは"『ファンタシースターユニバース』の開発現場より〜5年間の歩み〜"と題したセミナーが行われた。


▲このセミナーは大入り満員に。ソフト発売と同じタイミングということもあって注目度が高かったようだ。


 セミナーの講師を務めたのは、『ファンタシースターユニバース』、そして前作である『ファンタシースターオンライン』の開発に携わったふたりのクリエーターのふたり。デザインセクションマネージャーの酒井智史氏と、プログラムセクションマネージャーの節政暁生氏だ。まずは酒井氏から、『ファンタシースターユニバース』の開発について大枠の説明が行われた。このゲームの開発メンバーは最大で約80人。オフラインでプレイするストーリーモードと、オンラインのネットワークモードのふたつが盛りこまれているが、開発チームの規模が大きくても、同時にふたつのゲームモードを作ることにはたいへんな苦労があったという。

 

 「はじめは、ふたつのモードで共有できる部分が多いので、ひとつのゲームを作る時間の1.5倍くらいの時間と労力でできると思ってましたが、実際には2倍以上の手間がかかりました」と酒井氏。ストーリーモードのボリュームや、ネットワークモードでパーティー人数を6人に増やしたことで予想以上にバグチェックに時間がかかったそうだ。


 『ファンタシースターオンライン』と『ファンタシースターユニバース』それぞれのゲームデザイン上の工夫についても、おもしろい試みがあったようだ。2000年にドリームキャスト用ソフトとして『PSO』が発売された当初は、ブロードバンドが普及しているわけもなくナローバンドが主体だった。通常の映像やゲームでは1秒に60コマ、もしくは30コマの静止画を表示させて滑らかに動いているように見せかけているのだが、『PSO』でオンラインにつないだ場合は1秒に6回しかサーバーとゲーム機がデータをやり取りしない。


 「通信にかかる負担を前提にしてゲームをデザインしました。たとえば、エネミー(敵)の座標の同期は敢えて取りませんでした。つまり、ふたりのプレイヤーがそれぞれ見えている敵の位置が違っているんですね。ふたつのPCを並べてプレイする人はいないでしょうから、おおよその行動が同じであれば問題がないと判断しました。それでも、あまり広いステージだとさすがにバレるだろうと、小さい部屋に区切ったエリアを用意したんです。それが『ファンタシースターユニバース』では、エネミーが画面の視界の外に出たときにつじつまを合わせて同期を取っています」(酒井)


▲酒井氏(左)は、「明日、『ファンタシースターユニバース』が発売となります。ぜひ遊んでみてください」とアピール。受講者に『ファンタシースターオンライン』をプレイした経験の有無を尋ねると、約1/3が手を挙げていた。そのほとんどの人が『ユニバース』もプレイ予定だとのこと。


 代わって節政氏は、プログラムやサーバーについての苦労や工夫点に言及。技術的な内容が多かったのでここでは省略するが、講演のかなりの時間をチート(プログラムを不正に書き換えて誤動作させること)対策について割いていた。チートの手法には、プログラムを書き換えてアイテムを使っても減らないようにしたり、無敵状態にしたり、そのほか『PSO』では、回復魔法レスタの値を書き換えて逆に体力が減ってしまうようにした"逆レスタ"などがあったという。プログラムを書き換えられないようにするためには暗号化が有効だが、過去には意外な盲点をつかれたことも。

 「データファイルも暗号化したほうがいいですよ。『PSO』でファイルの名称を"ショップリスト"にしていたところ、そこから推測されてレアアイテムを出すようにアイテム情報を書き換えられたことがありました。ファイル名で中身がわかってしまってはダメ」(節政)

 法律的には、ゲームを改造すること自体は違法ではなく、営業妨害として訴えることができるかどうかは微妙なところ。法の整備が望まれるが、現状ではひとつひとつ対応していくしかないのだそうだ。ちなみに日本では考えられないが、「中国や韓国ではデータセンターから直接ゲームサーバーを盗み出すという荒技も頻発してます。チートというか窃盗ですけどね」(節政)と思わず苦笑い。「この5年間は、チートとのイタチごっこでした。僕らの経験が、これからネットワークゲームを作る人たちの参考になればと思います」(節政)とまとめた。
 

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