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「オンラインゲームが教育に与える影響は?」研究成果が中間発表!!

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●東大・馬場教授らが"オンラインゲームの教育目的利用のための研究"の記者発表を実施!

 「ゲームの社会に与える影響とは?」。近年、教育関係者によるゲーム研究が盛んになるにつれ、このテーマに注目が集まってきた。これまでにもいくつかの研究者により注目すべき発表が行われてきたが、まだまだ明確な答えが出たわけではなく、今後も取り組むべき課題は多い。そして、2006年8月29日、東京大学情報学環の馬場章教授らにより、"オンラインゲームの教育目的利用のための研究"についての中間報告とも言うべき、共同記者発表が行われた。

▲記者発表会に出席したのは、東京大学大学院情報学環の馬場章教授、東京大学大学院情報学環・産学官連携研究員の七邊信重氏、コーエー・執行役員の松原健二氏、詫間電波工業高等専門学校・校長の高畑秀行氏、詫間電波工業高等専門学校・助教授の内田由理子氏。


 発表会ではまずは、馬場氏が今回の研究の経緯について説明。

 「オンラインは新しいビジネスチャンスとして注目されていますが、一方で"ネット中毒"に代表されるように、負の側面がクローズアップされるケースも多い。そんなオンラインゲームを教育目的に有効に活用できないだろうか……というのが研究の入り口です。そこで教育効果の測定や、ゲームの正の効用の解明などを実証したいと思いました」(馬場氏)。

 具体的な研究内容としては、「教育目的で作られたゲームではなく、一般のユーザーが楽しんでいる市販のタイトルから、教育目的に使えるゲームはないかを明らかにしたい」という意図のもとに、コーエーのPC向けMMORPG『大航海時代Online』を選択。詫間電波工業高等専門学校の協力のもと、同校の1、2年の学生の歴史の授業で、実際に『大航海時代Online』をプレイしてもらい、その効果を測定するというものだ。

 7月に2週間にわたって行われた実験では(50分の授業を4時限分)、授業方法を3つに設定。(1)通常の歴史授業、(2)MMORPGを自由にプレイさせる授業、(3)グループでMMORPGを利用した課題を行わせる授業、の3つの授業におけるそれぞれの効果を測定した。実際に授業にあたった、詫間電波工業高等専門学校の内田由理子助教授は語る。

 「高専の学生たちは、理数系の授業だったら100分ぶっ続けで受けても問題ないのですが、文系の授業だと50分ともたないんです(笑)。そこで、学生の興味や関心を惹く題材ということで、注目したのがゲームでした。実際に『大航海時代Online』の授業を行ってみると、ふだんの授業ではあまり見たことがないような笑顔に溢れていて、すごく盛り上がっていましたね」(内田氏) 。

 

 授業後に行われたアンケート調査では、『大航海時代Online』の授業を受けたほとんどの学生が、授業を「楽しかった」と答えており、「ゲームを利用するというのが新鮮な内容だった」、「ふだんでは体験しにくいことができて楽しかった」などといった意見が見られたようだ。

▲「オンラインゲームはコミュニケーション形成にも大きな力を発揮するだろう」と馬場氏。

▲発表会にはコーエーの松原氏も出席。「『大航海時代Online』は、史実に基づいた作品になっていて、歴史上のできごともたくさん使っている。このようなゲームを実証してもらえるのは、ゲーム業界に今後大きな広がりを持つものとして、大いに期待したい」とのこと。


 さて、この"オンラインゲームの教育目的利用のための研究"は、オンラインゲームの教育効果を5年間にわたり測定するという、長期的視野で取り組まれている。当然のことながら、今回の記者発表会では明確な解答が提示されたわけではなかった。とはいえ馬場氏は、オンラインゲームを授業に取り組むことによって、どのような効果を実証し得るか、4段階に分けての仮説を設けているという。(1)学校の授業への興味を引き上げる、(2)具体的な史実や知識量を増やす、(3)歴史観、世界観、時代認識を獲得できる、(4)人格形成、コミュニケーション能力などを形成する、の4点だ。

 「今後5年のあいだに、ひとつひとつの仮題を検証していきたい。ゲームを教育上のツールとして利用することで、新しい教育の可能性を拓くようになれたら……と思っています」(馬場氏)。

 今回の研究はまさに端緒についたばかり。こうした研究が行われることで、ゲームの教育目的に向けての関心がさらに高くなることに期待したい。

▲『大航海時代Online』プレイ後には、授業の一環として"16世紀ヨーロッパについて"と題する壁新聞を学生たちで作成。ゲーム中で撮影したスクリーンショットなどを貼り付けたりした力作に。「壁新聞も楽しかった」という声も多かったとか。

 

 

 

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