『ナインティナイン・ナイツ』完成記念!! ディレクターのサンユン・リー氏に聞く!(前編)
●いままでのアクションゲームにない"爽快感"を味わって欲しい!
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▲Xbox 360ならではの機能を活かして、大群衆を相手にしての爽快感溢れる戦闘を楽しめる『ナインティナイン・ナイツ』。さらには、6人の主人公によるストーリーを重層的に追いかけることで、奥深いテーマ性を際立たせるマルチアングルシナリオを採用しているのも特徴だ。 |
4月20日、Xbox 360ユーザー期待の『ナインティナイン・ナイツ』(以下『N3』)がついに発売される。ご存じのように本作は、水口哲也氏が代表取締役CCO(クリエイティブ・チーフ・オフィサー)を務めるキューエンタテインメント、サンユン・リー氏が社長を務める韓国の開発メーカーファンタグラム、そしてマイクロソフトのコラボレーションによる作品。日韓米のトップクリエーターが集結した本作は、その開発規模に負けないくらいのスケールの大きな内容に仕上がっているのだ。
今回は特別企画として、『N3』においてディレクションを担当したサンユン・リー氏(ファンタグラム・プレジデント&CEO)へのインタビューを紹介しよう。サンユン・リー氏とファンタグラムと言えば、Xboxファンには『キングダムアンダーファイア〜ザ・クルセイダーズ〜』(2005年1月にジャレコより発売)を開発したメーカーとしておなじみ。同作を見れば、いかにファンタグラム&サンユン・リー氏がすぐれた開発スキルを持っているか、説明するまでもないだろう。サンユン・リー氏には、開発を終えたばかりの『N3』に関すること、Xbox 360に関することなどを伺ってみた。
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▲『N3』を開発したファンタグラムにおいて、プレジデント&CEOを務めるサンユン・リー氏。今回は完成記念として、『N3』の制作秘話を聞いた! |
――開発を終えての率直な感想を聞かせてください。
サンユン 『N3』はもともと、Xbox 360の初期を牽引するタイトルとして期待されていましたので、開発期間が限られていました。私としては、「できるだけ完成度の高い作品を作りたい」という思いで開発に臨んでいたのですが、短い開発期間という制約のなかでは、最大限に満足のいく内容になったのではないかと思っています。
――開発期間はどれくらいですか?
サンユン 最初に水口さんと「やりましょう!」と話してから15〜16ヵ月ですね。Xbox用『キングダムアンダーファイア〜ザ・クルセイダーズ〜』の開発には30ヵ月かかっていますので、ほぼ半分の時間で開発を終えた計算になります。こんなに短い開発期間で終わったのは、MSX時代以来かも(笑)。
――それでは、完成度はどれくらいだと思いますか?
サンユン 最初に水口さんと話していた構想のときから比べると、70パーセントくらいです。最初あまりにもスケールの大きな話をしてしまったのですが、最初話したときはプレイ時間が100時間を越えるもので、シナリオもキャラどうしが複雑に絡み合うというものでした。けっきょく30パーセントくらいカットしたことになりますね。でも、最終的に仕上がったものは、納得のいく内容になっていますよ。
――開発期間が短いということで、苦労した点は?
サンユン 今回は開発期間が短いということで、従来とは違った開発手法を採用しています。いままでだとひとつのパートを作り上げて、そこからつぎのパート……というふうに順次制作していったのですが、それだと時間がかかってしまいますので、今回は最初に方向性を決めたあとは、個々のパートを並行作業で進めていって、あとで合わせて調整する……という方法にしています。こういう形で作業をしたのは始めてです。
今回は開発期間の短縮化のために、直接自分で企画書を書いたり、レベル調整もしました(笑)。水口さんも似たようなもので、シナリオは最終的には全部水口さんが手直ししています。韓国のホテルで3日間ぐらいカンヅメになって、不眠不休で完成させたんですよ。
――韓国と日本のコラボレーションでたいへんだったところはありますか?
サンユン 韓国だから……、日本だから……ということでたいへんだったことはないですね。ただ、いろんな会社がいっしょに作業をしているので、その部分でのたいへんさはありました。たとえば、ちょっとした小さいミスでも、いくつかの会社があいだに入っているうちに大きなロスになってしまう。私の考えでは、韓国人と日本人はどちらかというと、仕事のスタイルはかなり似ていると思います。こちらが「徹夜仕事になってしまいますが……」と言っても日本人だったら対応していただけますが、このまえそれをアメリカ人に言ったら「ムリだ」と言われました(笑)。
もちろん、違う点もありますよ。韓国の人は複雑で難しいゲームが好きなのですが、日本の方はカジュアルなゲームを好まれる傾向があるようですね。日本のマイクロソフトの方にも、「できればやさしめにしてほしい」というリクエストがありましたので、『N3』は女性でも簡単にプレイできるようになっていますよ。あんまりうまくないプレイヤーでも、「おれってうまいかも?」って勘違いしてくれるかも(笑)。
――『N3』でいちばん自信のあるところは?
サンユン 本作では"爽快感"という点に特化しているのですが、溢れる敵を一蹴してしまうところが、ほかのゲームにはない点だと思いますね。誰がプレイしても、そこには爽快感を抱いていただけるのではないかと思っています。
あとは、ドラマ性。これには水口さんの思想やコンセプトが入っているのですが、『N3』では正義というものは必ずしもひとつではなくて、"善"と"悪"は表裏一体であることが描かれています。人間の側からもプレイできるし、ゴブリンの側からもプレイできる。また、どちらを選択するかで結果が変わってくるような部分もあります。
――『N3』で好きなキャラは?
サンユン もちろん、すべてのキャラが好きなのですが、開発ではテュルルにたくさん関わっていたので、強いて言えばテュルルかな。テュルルの攻撃はほかのキャラとは違っていて、シューティングゲームをプレイする感覚で作っています。カプコンさんの『ガンスモーク』みたいな感じ(笑)。プレイ感覚ではディングバットなんかも好きです。
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▲サンユン氏がお気に入りのキャラテュルル。魔法を駆使しての、シューティングのようなプレイ感覚が楽しめる。 |
――以前『キングダムアンダーファイア〜ザ・クルセイダーズ〜』の取材で韓国のオフィスにうかがったときに、参考文献としてマンガの『ベルセルク』とか映画の『ロード・オブ・ザ・リング』、などがありましたが、『N3』ではどうですか?
サンユン 映画を参考にすることが多いですね。水口さんは黒澤明監督の『羅生門』にドラマ性のインスピレーションを受けたようですが、ぼくらが参考にしたのは『キングダムヘブン』とか『HERO』ですね。参考にしたのは戦闘シーンで、野外を大人数で戦闘する……というスケール感溢れる映像の見せかたを勉強しました。
――たしかにすごい群集で、自分がどこにいるかわからないときもある(笑)。
サンユン テストプレイ時に「キャラがどこにいるかわからない」という声がありましたので、それでインフィには羽をつけました。テュルルにはリバたん(笑)。
――(笑)。ちなみに続編の可能性は?
サンユン ユーザーの方の反響が好評で、マイクロソフトさんから要望があれば、ぜひやってみたいです!
――最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。
サンユン 『N3』では、いままでのアクションゲームでは感じることのできなかった爽快なプレイ感覚を満喫していただけると思いますので、ぜひ一度遊んでみてください。
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▲闇陣営のディングバットもプレイすることができる。「正義はひとつではない」というテーマを持つ『N3』を、ある意味象徴するキャラと言える。声を担当した古谷徹氏の熱演が光る! |
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▲群集の中では判別しづらいということで、羽がつけられたというインフィ。ゲームの最初にプレイすることになるキャラだ。 |
昨年の秋以降、1日も休まずに『N3』の開発に取り組んできたというサンユン・リー氏。「『N3』がひと段落ついたらしばらく休みたい」という氏に、どれくらい休みたいのか聞いたところ、「1週間くらいでいいです。つぎの開発も詰まっていますし……」とのお答えが。根っからのゲーム制作好きなサンユン・リーさんなのでした。後編ではそんなサンユン・リー氏にさらに詳しく迫る!
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▲取材時には、ボツになった主要キャラのデザインも見せていただいた。テュルルは当初はもう少し魔法少女っぽいコスチュームだったとか。いずれにせよ、さまざまな試行錯誤のすえに『N3』はできあがった。 |
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