『ニード・フォー・スピード』に見る次世代機の映像表現
【GDC2006リポート】
●次世代機の映像表現は従来までのもとはまったく違う
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▲ザルガプア氏はゲーム業界のまえは映画の映像を手がけていたとのこと。 |
GDC2006(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス 2006)の中で、2006年3月24日(米国時間)にエレクトロニック・アーツの『ニード・フォー・スピード モースト・ウォンテンド』のセッションが行われた。スピーカーはゲームのビジュアルを監修したシニアアートディレクターのハビブ・ザルガプア氏。『ニード・フォー・スピード モースト・ウォンテンド』はプレイステーション2とXbox 360で発売。ザルガプア氏は「次世代のハード(Xbox 360)でゲームの映像を作るのはたいへんです。さらに、現世代のハード(プレイステーション2)向けにも同時開発を行ったうのはもっとたいへん」と話を切り出した。プレイステーション2とXbox 360では映像制作がまったく異なるという。講演ではXbox 360版でのビジュアル制作の経験から得られた課題について語っていった。
「『ニード・フォー・スピード』のおもしろさは世界を作ることです。次世代ゲーム機ではハードそのものの描画力が上がるとともに、HDテレビでの出力も可能です。そのため、プレイステーション2までの描画技術はまったく通用しません。今回は世代の異なるふたつのプラットフォームで開発しましたが、次世代機の映像表現においてハードルがいろいろとあった。自分の作った映像を初めてHDで見たとき、とても空っぽな感じがしました。次世代ではこの空白の部分に要素を詰め込んでいかないといけないんですね」(ザルガプア)
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▲クルマのCMも参考に。陰影の強い映像がクルマを美しく見せるという。 |
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▲時間によって太陽が移動。光源の位置がかわり色合いや影の強さが変わり、よりリアルな空間へと再現されるのだ。 |
同氏がとくに重要視するのはライティング(光の当てかた)とシェーダー(影の表現)だという。ゲームでは朝から夜へ時間が移り変わるのだが、太陽の光とそれが作り出す影が動的に変化していく。そんな中で「道路の凹凸、草や木の影の表現が非常に難しかった。次世代のゲームではリアルタイムライティングが行えるのですが、そうなるとすべての物体に細かい調整が必要になる。そこにはまったく予期しないハードルがあったんです」とザルガプア氏。プレイステーション2やXboxまではテクスチャーで補完できたことも、そのすべてを作りこまなければならない、というのだ。ザルガプア氏はもともと映画関係の映像を手がけてきた人物で、見せかたへのこだわりはかなりのもの。「ゲームをするときにプレイヤーにどう感じてもらうか、それを考えるのは大事なこと。そのうえで見た目は重要な役割を果たします。そのために私はクルマのCMや映画のビジュアルを参考に。また、クルマを運転しながら建物を見たときにどうすればいちばんカッコいいのかなど、考えるわけです」とも語っており、納得のいくデキになるにはかなりの苦労があったはず。それは、同氏の口ぶりからも伝わってくる。その一方で、つぎのような発言も。
「雑誌のためのスクリーンショットを撮るのが楽しかった。いい場所を見つけて、アングルを決めて、太陽を動かして、レンズを決めて撮影するんです。私がこの作業をあまりにうれしそうにやるものだから、みんなからバカにされましたけどね(笑)」(ザルガプア)
ここまでこだわった『ニード・フォー・スピード モースト・ウォンテッド』の映像美。そのすごさはXbox 360でプレイしたことのある人なら、誰もが感じていることだろう。
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▲最後に映像デモも行った。コントローラーでカメラワークなどを設定し、即席で映像を作る。デモが終了すると、会場からは大きな拍手! |
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