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テーマは世界のゲーム市場! 韓国で"ゲーム市場展望セミナー"開催

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●次世代で韓国ゲーム業界はどう動く?

2006 ゲーム市場展望セミナー

▲会場はソウル市内のCOEXコンベンションセンター。ゲーム業界関係者が多数参加し、大規模な催しとなった。


 2月1日、韓国のソウル市で"2006 ゲーム市場展望セミナー"が開催された。これは韓国ゲーム産業開発院(略称はKGDI、韓国のゲーム業界活性化を支援する団体)が主催のイベントで、おもにゲーム業界関係者を対象に世界のゲーム市場の現状をテーマにした講演が行われた。講演プログラムは"北米のゲーム市場"、"欧州のゲーム市場"、"中国のゲーム市場"、"日本のゲーム市場"、そして"韓国のゲーム市場"だ。講師はアナリストやゲームメーカー関係者が努め、地域ごとの市場動向を探るとともに、話題は"韓国のゲーム会社や開発者がどのように世界進出をしていくべきか"といったところにまで及ぶ。なかなか興味深い内容となっていたのだ。

 家庭用ゲームとPCゲームがともに活発な北米や欧州、家庭用ゲーム中心の日本、PCによるオンラインゲームが盛んな中国と韓国、と地域ごとに市場の形は大きく異なる。しかし、今後のキーワードについては、すべての地域で共通する。それは"オンライン"である。その理由は世界的にブロードバンドの普及が進んでいること、そして次世代ゲーム機の存在だ。Xbox 360にはXbox Liveがあり、これから発売予定のプレイステーション3とレボリューション(コードネーム)もオンラインに対応することがすでに発表済み。そんな状況の中、韓国のゲームメーカーの課題は何なのか? 講演の中から気になるコメントを一部抜き出してみた。

欧州市場展望
講師:ハワード・リー氏(EuroBiz Strategies代表)

欧州ではポータルサイトで遊べるカジュアルゲーム、家庭用ゲームにおいてもプレイステーション2の『EyeToy』シリーズ(ソニー・コンピュータエンタテインメントヨーロッパ)のような家族で楽しめるものの人気も高い。現状での成功のカギは"シンプル"や"家族で遊べる"というところになりそう。また、韓国のゲームメーカーが欧州で展開するために不足しているものがあります。それはブランド力です。これまで、ヨーロッパ市場を調査し、韓国のコンテンツを送り込む努力をしてまいりましたが、私が紹介できたのはまだ2作品にすぎません(EuroBiz Strategiesは、欧州方面のゲームコンサルタントを業務としている会社)。今後は、認知度を上げていく活動が必要です。

▲欧州のヒット商品として、『EyeToy』シリーズを紹介。このほか、ナムコの『みんな大好き塊魂』のブレイクも紹介された。

 

中国市場展望
講師:シン・ドンジュン氏(WeMADE Entertainment マーケティングチーム長)

WeMADEはかつて中国に進出して成功を収めましたが、いまでは厳しい状況にあります。というのも、中国のメーカーが急成長を遂げ、上位3タイトルは国産ゲームが占める。魅力的な市場であると同時に、中国は強力なライバルとなっているんです。また、不法なダウンロードやコピー商品などの問題が多いのも事実で、コンテンツを展開するに当たって、しっかり利益が回収できるビジネスモデルを構築していく必要があります。

 

韓国オンラインゲーム市場展望
講師:キム・ファスン氏(NC SOFT 副社長)


韓国の市場では、数年前はPC房(PCが利用できる店舗)による売上がほとんどでした。それが、いまでは家庭のPCからの利用の割合が増加。市場は大きく変わり、我々の活躍の場も広がっています。ただ問題は、ポスト『リネージュ2』と言えるような作品が出ていない。ゲーム開発において、頭打ちな状態であることは問題だと思われます。また、今後の世界のゲーム市場を考えるうえでのキーワードは、間違いなくオンラインです。この分野は、我々韓国のゲームメーカーが一歩先んじている。PCに限らず、オンラインに対応する次世代ゲーム機向けにもこのノウハウを活かしていくべき。いまのところ目立った動きはありませんが、2006年は韓国のゲームメーカーが次世代ゲーム機向けの作品を準備をする大事な年になると見ています。 


 また、韓国の家庭用ゲーム機の現状について、ソニー・コンピュータエンタテインメント コリア(SCEK)のマーケティング部のカン・ヒィウォン氏が説明した。同社から発売されているハードの出荷台数はプレイステーション2が約115万台、プレイステーション・ポータブル(PSP)が約22万台。ソフトはそれぞれ約500万本、約50万本となっている。ちなみにPSPの普及スピードはプレイステーション2よりも速いとのことで、なかなか好調な様子。また、ソフトにおいても韓国ソフトメーカーのタイトルがすでに7作品発売。その中の『DJMAXポータブル』という作品は当初目標の3倍となる約30000本を販売したという。「韓国産タイトルの開発も非常に順調」(カン)とも語っていた。
 

2006 ゲーム市場展望セミナー

▲プレイステーション2とPSPの出荷台数を公開。SCEKは着実に普及を進めているのだ。


韓国ビデオゲーム市場展望
講師:カン・ヒィウォン氏(SCEK マーケティング部 課長)

2005年の韓国ビデオゲーム市場の規模は約2300億ウォン(約280億円)。これが2006年には3000億ウォン(約366億円)近くまで拡大すると予測しています。韓国のゲーム市場はほかの地域と大きく異なり、家庭用ゲーム機の割合はたいへん小さい。その理由のひとつは不法なコピー、フリーのダウンロードサイトへのデータ流出です。これらを撲滅するための施策を強化していきます。また、日本や欧米ではパッケージ販売が根付いていますが、韓国の場合はダウンロード販売が主流。そして、教育熱の高さから"ゲームは悪いもの"という親御さんの否定的な認識もまだまだあります。それは、これまで家庭用ゲーム機の文化がなかったことに起因します。これまで我々がやってきたように、今後も地道に文化を根付かせる活動を続けていきたいと思います。今後はプレイステーション2のブームアップ、PSPのさらなる成長、そしてプレイステーション3で新たな楽しみを提供します。


 このほかに、気になる発言も。「ユーザーアンケートによると、PSPでもっとも多いのはもちろんゲームでの利用ですが、映像や音楽に使うケースもかなりあるようです。詳細は言えないが、PSPにいろいろな機能を載せることも計画しています」(カン)と、バージョンアップによる新たな展開をにおわせた。一方、プレイステーション3については、「発売時期は本社の発表のとおり2006年春と聞いています」(カン)とコメント。また、"オンラインの詳細は?"という会場からの質問に対しても「ここでは答えられない」(カン)と回答を避けた。

2006 ゲーム市場展望セミナー

▲アンケートから、グラフはPSPの本体購入の決め手となった機能(赤)と実際に利用している機能(青)を表したもの。項目は左から順にゲーム、映像、MP3、インターネット。

 
 それから、日本市場についてもちょっと触れておこう。登壇したのはエンターブレインの浜村弘一社長だ。講演の一部を紹介しよう。

日本市場展望
講師:浜村弘一氏(エンターブレイン 代表取締役社長)

2005年の年末商戦は、ニンテンドーDSがものすごく売れました。ソフトでも任天堂の"Touch!Generations"や『おいでよ どうぶつの森』などがヒットして、これまでゲームをやらなかった中高年層を呼び込んだり、ゲームをやめていた人を呼び戻したりという現象がおこっています。PSPはニンテンドーDSに押されている印象があるんですが、じつは本体は売れていて、普及スピードはプレイステーションよりも速い。また、Xbox 360は1ヵ月で10万7800台。北米の販売台数も約60万台と言われていて、日米で前機種のXboxを下回るという結果になっています。

2006年は"変革の年"となりそう。次世代ゲーム機の登場で開発費の高騰が避けられず、業界の再編も進んでいます。コンテンツをゲームだけで終わらせず、映像やグッズなどほかの分野にも展開して、利益回収を分散させるビジネススキームが増えてくると思われます。

プレイステーション3は現状、2006年春発売予定となっています。SCEはいままでハードの発売日を延期したことはないのですが……。一方、レボリューションも年内に発売予定。こちらはニンテンドーDSの人気もあって期待感が増しています。また、クリエーターの人気も高いこと、ソフト開発費があまり上がらないこともポイントとなるでしょう。Xbox 360も含めて、次世代ゲーム機のキーワードは"ネットワーク"です。日本ではPCの市場は大きくないのですが、将来的にはオンラインにおいて家庭用、PCの障壁がなくなるのでは? と見ています。
 

▲エンターブレインの浜村社長。スクリーンのグラフは日本のオンラインゲーム市場の推移だ。グラフの青色がPCゲーム、黄色がモバイル、赤色が携帯ゲーム機、水色が家庭用ゲーム機。


  今回取材して、"韓国のゲーム業界関係者は熱い!"という印象だ。会場はかなり大きなホールにもかかわらず満員。質疑応答でも鋭い指摘も飛び出すなど、"世界市場に打って出よう!"という強い気概を感じさせられた。
 

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