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米国のゲーム研究者が東京大学で講演

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●エリック・ジーママン氏が自身の著書『ルールズ・オブ・プレイ』を語る
 

 本日(9月15日)、東京大学本郷キャンパスで、"ゲーム・知の冒険 特別講演会 『ルールズ・オブ・プレイ』を読み解く"と題する講演が行われた。これは、米国のゲーム研究者、エリック・ジーママン氏による講演で、東京大学情報学環の馬場章研究室とIGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本)の招きによって実現した。
 

 エリック・ジーママン氏は、ゲームラボというゲームメーカーを率いるゲーム開発者であり、『ルールズ・オブ・プレイ』という研究書を著したゲーム研究者でもある。

▲東京大学ゲーム研究プロジェクトの推進者でもある馬場章教授。手に持っているのはエリック・ジーママン氏の『ルールズ・オブ・プレイ』。

 ジーママン氏の講演に先立って、馬場章教授が以下のように挨拶した。
 

 「テレビゲームはアメリカで生まれたものですが、日本で大きく育ちました。日本のことわざに"生みの親より育ての親"というのがありますが、この講演を期に日本でのゲーム研究がより活発になれば、と思います」(馬場)

▲IGDA日本の新清士氏。米国に比べて、日本でのゲーム研究の遅れに以前から警鐘を鳴らしてきた。

 続いて、IGDA日本、代表の新清士氏が、日本と米国でのゲーム研究の違いについてコメント。米国では、開発者が研究に関与し、また多数の書籍が出版されるなど、`60年代における映画に似た、活発な研究環境が整っていることを指摘した。



●ゲームはルールによって成り立つ

▲こちらがエリック・ジーママン氏。公演中は、身振り、手振りを交え、はっきりとした大きな声で話す。非常にエネルギッシュな感じだ。


 そして、エリック・ジーママン氏が登壇。ジーママン氏はまず、「なぜ、我々はこの場にいるのか?」という問いを発し、みずから「おそらく我々はゲームを愛しているからだ」と答えて講演をスタートした。
 

 ジーママン氏はまず、現在のゲーム業界が抱える以下のような問題点を指摘した。

■開発コストの上昇により、新たなゲームが少なくなっている

■ゲームは子供の教育によくないという認識がある

 

 そのうえで、この現状を変革するにはゲームを専門分野として研究するべきだ、と述べたのだ。ジーママン氏は、ゲームの"ルール"に着目し以下のように語った。
 

 「ゲームはルールによって作られていて、ルールを微調整することで違った体験が可能になる。ゲームをプレイすることは自由な行為だが、それがルールという拘束された体系によって成り立っているのがおもしろい」(ジーママン)

▲ゲームにおけるルールの役割を説明するために、会場の有志を募ってゲームを実施。各人がターゲットを指さし、ふたり以上に指さされた人が負けとなる基本ルールのうえに、全員が一斉にターゲートを指さす『KILLER』と、ひとりずつ順番にターゲットを指さしていく『DIPLOMACY』が行われたのだ。ほかにも2チームに分かれて行う『THE WILD WEST』や、スパイ役を設定するバージョンも考えられるとのこと。

 


●ゲームは意味の体系である
 

 続いてジーママン氏は、プレイヤーが行動すること(プレイ)の"意味"を俎上に挙げた。飲食店のウェイトレスになって、お客さんの注文を取りつつ、できた料理を運ぶというゲームを例にし、マウスでクリックすることの意味を説き明かしたのだ。ジーママン氏の説明によると、プレイヤーがマウスをクリックすることによって、ゲームの状態に変化が生じ、それがビジュアルに表されるというのが、ゲームの仕組みだという。

▲ジーママン氏がデザインした飲食店のゲーム。このゲームで"マウスをクリックすること"は"お客さんの相手をする"意味となる。

 

ゲームにおけるプレイヤーの選択
 

1 状態が示される

2 選択が示される

3 プレイヤーが選択する

4 プレイヤーの選択がシステムに影響する

5 選択の結果が新たな状態になり、1に戻る


 例えば、囲碁で碁石を置くことや、飲食店のゲームでマウスをクリックするといった選択は、それぞれ"陣地を獲得する"、"お客さんの注文を聞く"といった違った意味を持つ。ジーママン氏はこういったことを指して「ゲームは意味の体系である」と結論づけたのだ。

▲公演中に行われたMMRPS(多人数参加型"ロック、ペーパー、シザース")。つまり、全員参加のじゃんけん。プレイヤーの行為が各ゲームで違った意味を持つことの実例として実施されたのだ。

 

 講演の最期にジーママン氏は「なぜ我々はここにいるのか?」と、再び問い返した。そして、「規制されたルールの中でプレイすることで、ルールそのものを変えてしまうことがある。それと同じように、ゲームとそれをとりまく業界、文化といった構造の中で"プレイ"することで、構造そのものを変えていく……。そういった姿勢が求められると思います」(ジーママン氏)
 

 また、締めくくりの挨拶として馬場章教授は以下のようにコメントしたぞ。
 

 「みなさんの選択はふたつしかありません。今晩、徹夜でゲームについて語り明かしてからゲームショウに行くか、早く寝てゲームショウに行くかのどちらかです(笑)」
 

 どちらにしても東京ゲームショウ2005に行くことを勧めるこの挨拶。東京ゲームショウ2005の前夜祭を自負する講演の挨拶にふさわしい内容だったのだ。
 


※東京大学ゲーム研究プロジェクトの公式サイトはこちら
※IGDA日本の公式サイトはこちら

 

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