【CEDEC 2005】CESAデベロッパーズカンファレンス 2005がスタート!
●3日間で85のゲーム開発者向けセッションが行われる
8月29日、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)主催による、ゲーム開発者向けのセミナー"CESAデベロッパーズカンファレンス 2005"が開幕。8月31日までの3日間で、合計85のセッションが行われる。
会場は東京、白金の明治学院大学。カンファレンス初日の29日には合計30のセッションが行わわれた。各セッションを受講するには事前の登録が必要だったが、本日のセッションのほとんどは事前登録の段階で満席状態。ゲーム開発に関する最新の事情がわかるとあって、多くの熱心なゲーム開発者が訪れたのだ。
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▲ゲーム制作の技術的な情報はもちろん、市場分析や業務管理に至るまで、さまざまなセッションが行われている。 |
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ここでは、そのなかから3つのセッションの内容をお届けする。
●『GENJI(ゲンジ)』続編が電撃発表! 『ソウルキャリバー』のムービーの初公開も!
まずは"本格的なゲームサラウンド音響の時代がやって来た!"と題するセッションから。最初にドルビーラボラトリーズ日本支社のジョン・グリフィン氏が壇上に立って、5.1チャンネルのサラウンドシステムの基礎を解説。左右のスピーカーとセンタースピーカー、それに後方の左右に置かれる2台のリアスピーカーの5台と、低音に特化したサブウーファーで臨場感ある音を再現するシステムが紹介された。セッションが行われた大教室には、実際に5.1チャンネルサラウンドシステムのスピーカーが設置され、デモ映像の音響は迫力のサラウンドで再生されたぞ。
一般的なサラウンドシステムには、ドルビーデジタルとドルビープロロジックIIがあるが、より低音の再生能力が高いのはドルビーデジタル。現行ハードでは、Xboxのみドルビーデジタルに対応。プレイステーション2はムービーのみドルビーデジタルに対応しており、そのほかのシーンではドルビープロロジックIIに対応している。
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▲また次世代ハードでは、プレイステーション3とXbox 360がドルビーデジタルに対応。グリフィン氏によると、マイクロソフトはすべてのXbox 360用ソフトをドルビーデジタル対応にする意向だという。 |
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続いて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンから6月30日に発売されたプレイステーション2用ソフト、『GENJI(ゲンジ)』のサウンド制作について、同社の大島香氏、山口晋平氏が解説。オープニングムービーで平家の武将が宙を舞うシーンでは、聞く人の頭上を後ろから前に音が移動するように作られているいう。また、『GENJI(ゲンジ)』では、川のせせらぎや鳥のさえずりなど、70種類以上の環境音を取り入れており、すべてドルビープロロジックIIにより、立体的に音を配置。あたかも自然の中にいるような臨場感が味わえるのだ。
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▲ドルビーデジタルとドルビープロロジックIIを併用している『GENJI(ゲンジ)』では、画面が切り替わるさいに音が途切れたりしないような工夫が凝らされている。 |
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▲最後に、サウンドクリエイターの大島香氏が「『GENJI』は、プレイステーション3用の続編の制作も決定しています。次回も新たな音の試みをやってみたいと思います」と、続編の制作を電撃発表! |
さらに11月24日にナムコから発売されるプレイステーション2用ソフト『ソウルキャリバーIII』のオープニングムービーが公開された! このオープニングムービーには、6.1チャンネルのドルビーデジタルサラウンドEXが採用されている。これは、「前後の動きを再現したかったため。ゲームでEXを採用した例はあまりないということで、やったら目立つかなと思って(笑)」(ナムコ サウンドクリエイター中西哲一氏)とのこと。
公開されたムービーの内容は、古城で剣士がソウルエッジと思われる剣を破壊しようとして呪われてしまう場面からスタート。剣士は異形の者に変化し、戦場で大暴れ。また、夜道を行く花魁風の女性に侍が襲いかかるが、花魁風の女も傘から仕込み刀を抜く……といった場面だ。
また、5月に開催されたE3(エレクトロニック・エンターテインメントエキスポ)で公開された『鉄拳』シリーズの映像も公開。こちらの音響はドルビーデジタルが採用されている。ナムコのサウンドクリエイター、柿埜嘉奈子氏は「サウンドのコンセプトは高級感。熱気や汗の音、キャラクターの息づかいなど音をしっかり出しました」とコメントしていたぞ。残念ながらいずれも写真はお見せできないので、いずれ自分の耳で確かめてほしい。
●CRI、HDムービーのセッションではXbox 360実機でムービーを再生!
ゲーム開発用ソフトウェアのCRIミドルウェアのセッションでは、Xbox 360の実機でムービーが再生された。このセッションは、同社の次世代ハード向けのHD(ハイディフィニッション)ムービー制作用ソフトウェアに関するもの。会場には中央のスクリーンのほかに、高精細の映像を体験してもらうために液晶とプラズマのモニターが用意された。
公開された映像のタイトルは『Beginning of KISHIN』。この映像に関する説明はなく、『KISHIN』というタイトルのオープニング映像なのか、また『Beginning of KISHIN』というデモ映像なのか不明。映像ではまず、過去のようにも未来のようにも見える都市の俯瞰が描かれ、続いて走る女の子が登場。女の子は追われているようで、奇妙な甲冑で身を覆った兵士たちが女の子を追いつめる場面も。また、火山やロボットの姿も見られた。
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Xbox 360用のソフトとして『KISHIN』または『Beginning of KISHIN』というタイトルは発表されておらず、未発表のタイトルのオープニングムービーの可能性もありえる!
なおこの映像は、次世代ハードでの標準になると見られる720pの規格(走査線の数が720本で、プログレッシブ方式)で作られているが、セッションではその画質をわかりやすくするために、わざと解像度を落とした映像も流されたのだ。
また、セッションではHDムービーの美しさを検証し、立体感や奥行き感が美しさを感じさせる要因であることを実証。解像度が低い映像が平面的であるのに対し、グラデーションの表現能力が高いHDムービーは、画面に奥行きが発生して美しく見えると結論づけた。
●浜村弘一氏がゲーム業界の現状を打開するビジネスモデルを提唱
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エンターブレインの浜村弘一氏は"2007年に最大化するゲーム市場 〜次世代ゲーム機の登場と今後のトレンドについて〜"というタイトルで講演。浜村氏は2000年以降の国内のゲーム市場の推移と、2007年までの予測を表すグラフを示し、「2000年、2001年に、プレイステーション2とゲームボーイアドバンスが発売されたので、その後ハードの販売台数が落ちるのは当たりまえ。2004年末にニンテンドーDSとPSP(プレイステーション・ポータブル)が発売され、ハード販売台数は下げ止まっている」と分析。さらに、「2006年には次世代ハードが発売されることで、2007年にはゲーム業界はここ10年でのもっとも大きい収穫期を迎えると試算している」と語った。
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▲2000年以降のゲーム市場では、ハードの売れ行きが市場全体を左右していることがわかる。 |
また、よく引用されるゲーム市場規模の統計には、オンラインゲームの収益が入っていないことを指摘。今後、ますます拡大するオンラインゲーム市場を視野に入れれば、ゲーム業界の未来は決して暗くはないことを語った。ここまでは、浜村氏がこれまで口にしてきたゲーム業界の現状認識だが、続けて浜村氏は「しかし、売上規模とゲーム業界の盛り上がりはイコールではない」とも語った。「企画の行き詰まり、開発費の高騰というゲーム業界の歴史的な問題があり、ソフトメーカーや販売店は出口の見えない状況にいる。とくに販売店は卸値の高騰で、1本売れ残ると4本売った利益がなくなることになる。苦しい販売店は、発売されたばかりの中古ソフトを買い取って売っており、ソフトメーカーに利益が還元されない悪循環に陥っている」という。
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▲浜村氏は、次世代ハードのソフトの価格は高くても8800円が限度と予測。 |
浜村氏はこの状況を解決する糸口を、ネットワークに見い出している。オンラインでソフトや追加データなどをダウンロード販売することで、ソフトメーカーに利益が行くようになるという仕組みだ。世界のネットワークゲーム市場の45パーセントを占める韓国では、追加データやアイテムのダウンロード販売が進んでおり、海賊版対策に功を奏しているというのだ。「次世代ハードでは、ソニーもマイクロソフトも、任天堂もネットワークに力を入れている。ソフトメーカーが自分でビジネススキームを作れる時代がやってくる」と言う浜村氏の今後の発言にも注目が集まる。
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