スクウェア・エニックスとタイトーが緊急記者会見! その2
●記者団との一問一答を完全再現!
本日(8月22日)、スクウェア・エニックスとタイトーの株式の取得に関する共同記者会見が行われたことは既報のとおり。ここでは、報道陣との質疑応答の模様をリポートする。じっくりとチェックしよう。
Q.連結子会社化を目指す理由は?
和田 つぎの構造変化のときに、どういったサービス、コンテンツのあり方がいいのかを考え、完全子会社が望ましい形と思いました。現状の構造のままであれば、ただ業務提携を行うだけということも考えられますが、ユーザーに対する出口の組み合わせをいかに多様にしていくかということをポイントとして考えると、連結子会社が最適と判断しました。
Q.どのようなシナジー(相乗効果)が考えられるのか?
和田 ビジネスモデルがまったく違うため、どのようなシナジーがあり得るかという点はとても難しい問題です。話がまとまったタイミングで詳細をお伝えしたいと思います。
Q.タイトーを子会社とした場合にスクウェア・エニックスの利益率が下がることについてどう思うか?
和田 ひと株あたり、投資家あたりの利益として上がることが重要なのではないかと考えています。
Q.スクウェア・エニックスとタイトーの企業文化は本当に一致しているのか?
和田 完全に同じ文化の会社というのはあり得ないと思います。では、何が同じで何が違うのかということが問題ですが、モノに対して中長期的にきちんと当たるということが一致していれば十分かと思っています。やっつけでモノを作るということがない。そこを同じ文化と言っているわけです。根底がいっしょならば、企業文化の違いは逆に刺激になるとも思います。
Q.タイトーの筆頭株主である京セラとの話し合いはどのようなものだったのか?
和田 スクウェア・エニックスとしては、タイトーの大株主としての京セラと話し合いをしました。ここで議論となったのは、こういう場合には珍しいと思うのですが、タイトーという会社をきっちりと大切にして運営する気持ちがあるのか、ということ。いくらで買うのかといった話ではなく、タイトーをどう発展させていくのか、というプレゼンを求められました。結果的に、TOBという方法がもっとも短い時間で実現できるということになり、タイトーの社員の中に不安に思う方がいらっしゃるかもしれないが、それを払拭するためにも今回京セラから賛同の意思を表明していただきました。
西垣 タイトーには現在、京セラと兼任の役員もいますが、きちんと話し合った結果、タイトーの発展のためにスクウェア・エニックスのグループに入ることに賛同していただきました。
Q.スクウェア・エニックス、タイトーというブランド名は存続するのか?
和田 存続させます。両社がそれぞれ提供しているサービスもお客様も違いますので、お互いに存続したほうがより混乱がないと判断しています。
Q.産業構造の変化とは、具体的にどうなると考えているのか?
和田 ゲームコンソール、STB(セットトップボックス)、カーナビ、携帯端末など個々のスペックが高くなってきて、さらにそれが全部ネットでつながっている状態になりつつあります。これは、ゲームというサービスを提供するプラットフォームが多様になるということ。また、どの端末からも同じコンテンツに接することができるようになると、端末の組み合わせ自体が新しいプラットフォームになるんですね。そうすると、コンテンツやサービスの有り様がまったく変わってきますし、お客様からどういった形で収益をいただくかということも根本的に変わってしまいます。ゲーム業界全体で起こっている合併や提携は、じつはスケールよりもスコープを追求していることが多い。相互補完だったり、シナジーだったりという単語の使いかたで類推できるかと思いますが、これは根底で構造変化ということをそれぞれの観点で感じているためではないでしょうか。売上やシェアが伸びるから合併します、という話はここ2年間ほど出てきてない。ITやメディアの吸収合併も取りざたされていますが、これもゲーム産業と相まって混戦状態になり、さらに加速していくのではないかと考えています。
Q.スクウェア・エニックスはタイトーを傘下に置くことになるが、まだ足りないピースはあると考えているのか?
和田 いくつかあるとは思っていますが、具体的には言えません。完成を目指してそれに近づいていくということですね。
Q.このTOBが成功した際、両社長はまず何を行うか?
和田 いくつか具体的な案はありますが、それは実際に話が決まったときに紹介させていただきます。ただ、スクウェア・エニックスはアミューズメント施設にサービスを提供していませんし、タイトーはそれを持っているということで工夫の余地があると思っています。『ドラクエ』や『FF』のキャラクターがメダルゲームになるとか、そういったことでは決してないですが(笑)。概念的な話をすると、コンシューマーソフトは売ってしまったらもう何もできない。これは、ビジネスモデルとしては広く浅くユーザーから収益をいただく形です。しかし昨今のユーザーは、支払うものにはものすごい勢いで払うが、支払わないものには徹底的に払わないという特徴がある。オンラインゲームもそうですが、アミューズメントはそういったユーザーに対応できる従量制をとっています。コンシューマーとは事業モデルがまったく違うわけです。それから、アミューズメント施設でもネットワーク対応が増えましたし、モバイルコンテンツとも連動できます。タイトーは、モバイルコンテンツについてはスクウェア・エニックスの倍にあたる90億の売上を持っていますので、そういった部分でもコラボレーションできるのではないかと思っています。
Q.和田社長としては、こういったM&A(企業買収)を続けていきたい気持ちはあるか?
和田 提携したりグループを大きくすること自体が目的ではないので、今後また目的が合えばM&Aを行うかもしれません。いまの段階ではコミット(確約)できる話ではありませんが。
Q.ROE(株主資本利益率)はタイトーに比べてスクウェア・エニックスが高い。銀行借入を行うと、スクウェア・エニックスの投資家にとっては単純にROEが下がることになるが、どう考えているのか?
和田 ファイナンスについては、ROEという考えかたよりもEPS(ひと株あたり利益)のほうが適しているのではないかと思っています。
Q.スクウェア・エニックスにとって魅力的なのは、アミューズメントのロケーションとコンテンツビジネスのどちらか? またタイトーにとっては?
和田 ロケーションそのものも魅力ですが、ユーザーに対する出口のどういった組み合わせが競争力のあるサービスになり得るのか、ということがポイントだと思いますので、アミューズメントの機能を持っていること自体が非常に重要だと思っています。
西垣 ゲームセンターの問題で言うと、長い歴史を持つゲームセンターも変わるべき時期が来ていると思っています。現場ではオンラインなどの新しいゲームが入ってきてはいるが、ゲーセンそのものは変わってはいない。そこで、どうディメンジョン(次元)を変えていけるのかを考えたいと思っています。スクウェア・エニックスのセンスを入れて、我々がどうゲームセンターのディメンションを変えうるか、そういう実験をやってみたいと思います。同時に、コンテンツの窓を確保する、足で稼ぐような営業というのは、タイトーが得意としているところです。また、タイトーは海外の現地法人を撤退して国内に集中しようという流れでやってきましたが、今後グローバル化を考えたときに、スクウェア・エニックスがすでに持っている海外の基盤を活かすことができます。コンテンツについても、どちらかといえば我々はヨーロッパに強く、スクウェア・エニックスは北米に強い。非常にうまく補完し合って展開できるのではないかと考えます。
Q. 産業構造の変化について、どの時点でどのようなことが起こるとイメージしているのか?
和田 スクウェアとエニックスが合併するときから言っていることですが、2005年〜2006年に新しい地図ができると思っています。コンテンツサービスがどう展開すればいいのかが分かるようなインフラが整備されるのがこの時期で、そこである程度の地図ができるのではないか。それが終わってしまうまえに、どれだけイニシアティブを取れるかがポイントだと思っています。それから2007年〜2010年にかけては、その地図の中でどうシェアを広げていけるかということになると思います。
Q.具体的にシナジーを生むためにどう運用していくのか?
和田 それぞれの会社内で収益を拡大できるものについては、個別案件として対応します。多面的に同じサービス、例えばキャラクターを提供するマルチユースについては、慎重にやらなければいけないと思っています。じつは、PCのオンラインゲームをやる人、プレイステーション2をやる人、ケータイゲームをやる人とユーザー層ははっきり分かれていて、まったく同じサービスを平坦に提供するのでは成り立たない。お互い持っているものを活用することについては検討はしますが、持っているコンテンツを流し合うということでは細分化されたユーザー層にはそぐわないと思っています。また、流通についてはシナジーを生み出すことができるならコラボレーションを考えています。バックオフィスについては、それぞれの会社で考えるべきことだと思いますので、従来どおりにやっていきます。
Q.TOB成立後、タイトーの役員人事については?
和田 現状、京セラから来ているタイトーの役員に関しては、その立場を考えて辞任ということになるかと思います。逆にスクウェア・エニックスから役員が大勢行くということは、まったく想定していません。現状の役員でやっていただくのがもっとも望ましいのではないかと思っています。
Q.ゲーム業界で合従連衡が続いた中、タイトーはこの時期を待っていたということか?
西垣 待ち人来る、といったところでしょうか。最初で最後のいいご縁と思っています。
Q.今回のTOBに至る具体的な経緯は?
和田 出口の組み合わせ自体が競争力になる、というのはずっとまえから思っていまして、どなたとお話しようかということを考えていました。4月くらいに、資本提携や事業提携をしようということではなく、お互いの強いところを持ち寄って何かできないかという広範囲なディスカッションを私のほうから申し入れました。それ以降、実際にどういうやりかたがお互いにとって価値を生み出すのか話し合ってきて、いっしょになったほうがいいと結論を出したのは夏くらいです。いっしょになるならもっとも迅速なTOBがいいのではないかとなったのは、7月、8月の話ですね。手法について議論し始めたのは、この1ヵ月くらい。それ以降は、TOBというと最近イメージがよくないですので、取引先や社員の方々の誤解を誘発する可能性を考慮して、関係者一同が完全に賛同したうえで最短で一気に決めてあげなくてはと調整してきました。プロジェクトチームがあったわけではなく、ほとんど私と西垣社長との話し合いですね。経営者どうしが広範囲な話し合いを進める中で、着地点がTOBだった、ということです。
Q.スクウェア・エニックスがアミューズメント施設で興味があるのは大型のネットワークマシンなのでは? とすれば、現状のタイトーの施設を改装する設備投資がかかるのでは?
和田 双方が現状何をやっているかというのは、スタート地点でしかありません。ただの提携ではなく完全に子会社化したというのは、化学変化で新しいモノを生み出そうということです。現状のそれぞれのビジネスに何かを乗っけ合うということは、なしではないですが、それでは資本を動かす必要はないのではないかと思います。施設の改装ということについても、個別に議論してみて意味があるのでしたらやりますけれども、現段階ではなんとも言えないですね。
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