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企画・ニューストピックス

IGDAがゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス2005の報告会を実施

●新清士代表が今回のGDCを総括


▲会場は満席。開発者たちのGDCへの関心度の高さをうかがわせた。
 

 3月26日、東京大学本郷キャンパスでIGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本支部)による第9回ゲーム開発者セミナーが開かれた。今回のセミナーでは、3月7日〜11日にアメリカで開催されたゲーム開発者たちの会議"ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC 2005)"の出席者たちによる報告会が行われたのだ。

 まず、IGDA日本の新清士代表が今回のGDCを総括。公式発表の数字ではないが、今回のGCDの参加者は全体で12000人以上、日本人は300人以上が参加するという大規模なものとなった。話題の目玉はやはり次世代機。マイクロソフトが"Xenon(ゼノン)"というキーワードを公式に使いHD(高解像度)時代の到来をアピールしたこと、任天堂の岩田聡社長が基調講演を英語で行い、次世代機の"コードネーム:レボリューション"について明らかにしたこと、ソニー・コンピュータエンタテインメントがCellについての講演を行ったことなどにより、今回のGDCはE3に向けた次世代ハードの前哨戦の様相を呈していたとのことだ。また、開発環境のトレンドについては「次世代ハードによって、ゲームの開発規模はこれまでより大きくなることはあっても小さくなることはない」と、開発ツールやミドルウェアの重要度がますます高まっている状況を説明していた。

 

▲「IGDA日本代表ではなく、あくまで個人の見解」として、新氏が見た各次世代ハードの発表内容とそこから予測される現在の状況が語られた。
 

▲次世代機でのゲーム開発では、プロジェクトの巨大化や予算の高騰などが予測される。今回のGDCでは、開発者たちがこうした問題にどう対処していくのかがひとつの焦点となっていた。



●セガの林洋人氏はCellの開発環境を説明


▲Cellに関する講演に出席した林氏は、「これは事実上、次世代のプレイステーション自体のことを話しているのではないか」と感じたという。
 

 セガのクリエイティブセンターで開発環境の整備に取り組んでいる林洋人氏は、GDCで行われたCPU"コードネーム:Cell"についての講演から、次世代プレイステーションの開発環境を予測した。同氏はCellのキーワードとして"マルチコア"、"Power PC"、"Open GL ES"、"Cg"、"COLLADA"の5つをピックアップして解説。Cellは演算できる"コア"を複数搭載した"マルチコア"の構造。これまでひとつの"コア"でまかなわれていたさまざまな処理を、同時に高速で実行できるのが特徴である。それだけに、それぞれのコアへの仕事の振りわけかたが処理の効率に大きく関わってくるとのこと。また、Cellの開発にIBMが関わっていることから、レボリューションや次世代Xboxを合わせた3ハードのCPUが、同じ"Power PC(CPUの設計構造)"ベースとなる可能性を指摘した。そのほかグラフィックの開発をサポートするAPI"Open GL ES"、シェーディング言語(GPU用のプログラム言語)"Cg"、リアルタイム3Dのための共通データフォーマット"COLLADA"について、それぞれの特徴やメリット、デメリットを説明。そのうえで、Cellの開発環境は「既存の技術の延長線上にあるものが多く、いまから準備することが可能。しかし、開発が大規模化している状況を考えると、いち早く準備することが必要です」とまとめた。

 

▲講演で発表された内容から、次世代プレイステーションの開発環境についての予測を披露した。



●SCEの長谷川亮一氏が日米のクリエーター像を語った


▲GDCでは、ウィル・ライト氏の講演会場のまえに大行列ができた。長谷川氏はウィル氏のスピーチテクニックに着目し、その人気の秘密を探った。
 

 『クラッシュバンディクー』シリーズや『ジャック×ダクスター』シリーズなど、海外からの移植タイトルを手がけてきたソニー・コンピュータエンタテインメントの長谷川亮一プロデューサーは、ゲームデザイナーのウィル・ライト氏の講演を題材に日米のクリエイター像を浮き彫りにした。『The Sim』シリーズでおなじみのウィル・ライト氏は、ジョークを交えた巧みなスピーチで開発者たちのあいだでも圧倒的な人気を得ている。そのウィル氏のスピーチテクニックを分析しながら、長谷川氏は「スピーチのテクニックには文化的背景があるのではないか」という仮説にたどりつく。先生の話をひたすら聞く日本の学校教育と、生徒がクラスメートのまえでスピーチをする機会が多いアメリカの学校教育の違いが、日米のクリエーターや開発現場の意思疎通に影響を与えているというのだ。つまり、コミュニケーションを重視し、それによってビジョンを共有する欧米の開発現場では、コミュニケーション能力の高いクリエーターが成功する。その一方で、"なんとなく"でも通じ合い言葉以外のニュアンスを共有する日本の開発現場では、コンセプトをひとりで決めてしまう強いドライブ(牽引力)を持つクリエーターが生まれやすいらしい。こうしたことを踏まえ、長谷川氏は「海外になくて日本にあるものは何だろう。日本人にしかできないことをつきつめて考えてみるいい機会だと思います」と、GDCに参加する意義を語っていた。
 

▲今回の講演で披露されたウィル・ライト氏のスピーチテクニックを紹介。
 

▲日米の文化的な背景から、クリエーター像の違いを明らかにした。

 

※IGDA日本のサイトはこちら 


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