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【AOGC 2005】日本、韓国、北米のオンラインゲーム事情について

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●韓国におけるオンラインゲームの世代間の違い


 2月28日、"アジア オンラインゲーム カンファレンス 2005(AOGC 2005)"の会場で行われた、各国のオンラインゲーム事情についてのセッションを紹介するぞ。


▲メディア事情に詳しい金氏は「韓国のオンライン文化の最大の特徴はゲームではありません。インターネットが果たすコミュニティー性とメディアとしての要素が非常に強い」と述べ、「韓国では友だち探しやコミュニティーを作り上げる機能がついたものが人気を得ています」と述べていた。
 

 韓国のサイバー文化研究所所長でメディア教育が専門の金良恩氏は、"韓国オンラインゲーマー特性の世代間の差"と題した講演を行った。そこで同国における青少年(小学5年生〜高校2年生)と成人(20代〜40代)のオンラインゲーム利用者の違いを示すさまざまな研究データを披露した。


 この中で、金氏は"余暇時間にゲームをする動機"についての質問に対し、青少年からは"友だちと遊ぶため"、"人づき合いがおもしろい"といった回答が多数あったことを紹介。ゲーム以外の余暇活動を聞いた質問に対しては、青少年はインターネットや読書といった回答が多かった。一方、質問に対し成人はテレビやラジオと回答。同氏はこれらのデータを韓国のメディア事情と結びつけて考え、「成人の世代ではテレビを見て社会の情報を得てきたが、青少年の世代はネットワークで情報を得、自分を表現し、友だちとつき合ってきたわけです」とコメントした。

 こうしたネットワーク世代とも言える青少年に対し、"ゲーム中毒"を心配する親たちのゲームの認識はどうか。"中毒"が危惧される子供たちの親は、インターネットやゲームを理解する能力が低いという研究データが示された。こうした結果から、同氏は親が子供たちとオンラインゲームをめぐって対決するよりも、むしろうまく活用したほうがいいと提言。「親と子供が世代差を克服し、ゲーム内容の年齢別制限や"ゲームリテラシー"を確立すれば、オンラインゲームは遊びの文化になり、人とつき合う手段になり、自分の新たな可能性を広げるものに成長するのではないかと思います」と述べた。
 

▲オンラインゲームを持続的にプレイする時間は青少年が平均6.09時間、成人は5.98時間となっている。青少年は年齢が押さないほど接続回数が増え、平均利用時間が減る傾向にある。
 

▲"余暇時間にゲームをする動機"の世代別順位。このほか、"ゲーム利用する場所"の順位では青少年が"ネットカフェ"、成人は"学校や職場が多いのが特徴的。"利用するゲームのジャンル"では青少年がRPGがもっとも多いのに対し、成人は花札などの"ウェブボード"と呼ばれるゲームが多い。

 

 

●日本におけるオンラインゲーム研究の新たな一歩


▲馬場氏は研究を行う背景のひとつとして、「凶悪な少年犯罪があれば、ゲームのせいにするという負の決めつけがある」という社会状況を挙げ、客観的な"正の効用"を明らかにする必要性があると述べた。
 

 東京大学大学院情報学環の馬場章助教授と藤原正仁氏は"オンラインゲーム研究の新地平を切り拓く"と題した講演で、先日、発表されたオンラインゲームに関する日韓共同研究の内容を改めて紹介した(→関連記事)。この研究は、オンラインゲームを高等学校などの教育現場に導入し、その教育効果を測ろうというもの。研究に使用するのはコーエーの『信長の野望Online 飛龍の章』など歴史を題材にしたオンラインゲームで、歴史学習の意欲向上やコミュニケーション力を養う効果が期待されている。


 今回の講演では、韓国で昨年12月に行われたパイロットテストの結果と、日本側の研究スケジュールが明らかとなった。韓国で実施されたパイロットテストでは、商品や株の取り引きシステムがあるオンラインゲームを使い、高校生2グループに対し2週間にわたって実験。その結果、経済分野の学習効果に興味深い結果が出たとのことだ。日本側では今年10月までに研究の準備を進め、パイロットテストを実施。そして、2006年4月以降には検証実験を開始。2007年10月ごろには研究成果の中間発表を行う予定だ。馬場氏はこの研究を最低5間継続する必要があると述べている。また、研究グループは現在、馬場氏を中心とした日本のグループと韓国中央大学経営学科助教授の魏晶玄氏を中心とした韓国のグループが協力して研究を行っているが、将来的には中国との協力も視野に入れているとのこと。

 

▲研究の進行にともない、対象を高校生から小中学生、青年、中年、高齢者へと広げ、ゲームのジャンルも歴史もの以外へと拡大していく予定。


 

●北米市場とオンラインゲームの地域性


▲北米の事情に明るい新氏。ゲームやインターネットについてのユニークな事件を紹介し、北米のオンラインゲーム文化をわかりやすく伝えた。
 

 IGDA(国際ゲーム開発者協会)日本の代表でジャーナリストの新清士氏は、"北米オンラインゲームの研究事情"という講演を実施。IGDAが作成した世界のオンラインゲームに関する白書"2004 Persistent World Paper"から北米のオンラインゲーム市場について語った。同氏によると、現在の北米のオンラインゲーム市場は利用者数20万人前後がひとつの壁になっていて、韓国の大手メーカーも北米市場では苦戦を強いられている。だがそんな中、『World of Warcraft』は120万人のユーザーを獲得し、大成功を収めた。データ会社DFCが2003年に行った予測では2008年に50億ドル(5000億円)の市場に成長するという予測があるが、これも白書や調査会社によって異なり正確な市場規模を測るにはデータ不足であるという。北米ではオンラインゲームはカジュアルユーザーへの訴求が弱く、限られたパイの奪い合いになるためこれ以上の大規模化は難しいと考えられているそうだ。こうした状況から、新氏は世界的にどこでも通用するオンラインゲームのビジネスモデルは成立しづらく、地域ごとの指向性を反映したべつべつの発展に向かう可能性があると見ている。


 また、日本や韓国などで取りざたされているオンラインゲーム中毒の問題は、現在、北米ではそれほど大きな話題とはなっていないとのこと。同地域では、どちらかと言うと暴力表現の問題のほうが大きな注目を浴びているようだ。同氏は"ゲーム中毒"といった問題は事実かどうかよりも、言葉の広がりによって偏見や誤解が先行する可能性が高いと見ている。こうした状況に対し、オンラインゲームメーカーは研究者たちの調査に協力し、ゲームが社会に関わり貢献する必要があるとしている。また、各国の研究情報の収集と問題解決の議論を行うことを目的とし第三者機関を設立することも提案した。
 

▲北米のオンラインゲーム市場についての調査はあるが、データが不十分で正確に把握できるものではないというのが現状らしい。
 

▲北米でのオンラインゲームの成り立ちに、MUD(MULTI USERS DANGEON)というジャンルのテキストベースのゲームがあることを解説。新氏の見解によると、MUDは韓国で独自の発展を遂げ、同国のオンラインゲームの発達の基礎となった。一方、日本では家庭用ゲーム機の3Dグラフィック技術が発展を迎えていたためMUD文化が広がらなかったとのこと。

 

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