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【AOGC 2005】スクウェア・エニックスの和田社長が基調講演を実施!

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●オンラインゲームにおける事業戦略を披露

 オンラインゲームの現状と可能性を探る"アジア オンラインゲーム カンファレンス 2005(AOGC 2005)"が都内にて開催された。ゲーム開発者や教育者などを対象にしたこのセッションでは、2日間の会期中に22のセッションが行われ、さまざまな角度からオンラインゲーム市場を展望することになる。

▲2004年6月に専門部会が発足されたブロードバンド推進協議会の主催による"アジア オンラインゲーム カンファレンス 2005"。今回がはじめての開催にあたり、日本のみならず北米や中国、韓国などのオンライン事情を幅広く紹介している。ゲームメーカーからの登壇者も多数。

 
 開催初日にあたる2月28日には、スクウェア・エニックス 代表取締役社長の和田洋一氏による"スクウェア・エニックスのオンラインゲーム戦略について"と題された基調講演が行われた。「会社の社長が自分のところの事業戦略を話すなんてネタばらしもいいところなのですが(笑)、いままでお話できなかったこともしようかなと思っています」と前置きしたうえで、同社のオンラインゲームにおけるポジションや事業戦略などをスピーチしたのだ。

▲スクウェア・エニックスの和田社長が基調講演を行った。"Network is the Game(コミュニケーションは、ゲームの新たな楽しさ)"と語る和田氏。

 
 まず、和田氏は家庭用ゲーム機のこの20年を分析。「家庭用ゲーム機が誕生して最初の10年は、ユーザーはじっくりとゲームを楽しめるようになった時代です。それまでのゲームセンターや喫茶店などではセーブなどは不可能だったので、その場限りのプレイになってしまっていた。それが、自分の思うままに自由に楽しめるようになったわけです。その時代は、じっくりと遊べるということ自体が価値で、出すものすべてが新鮮だった。そして、ゲームは10年くらいまえから3Dグラフィックになった。その点をネガティブに捉える方もいますが、この10年はいかに美しい絵を提供するかの時代だった。そういう意味では、この10年はグラフィックの時代だと言っていいでしょう。そして、これからの10年は、いよいよインフラも整備されてきて、コミュニケーションの時代になると思います」と説明した。「一定のルールに基づいてのコミュニケーション」というのが、スポーツやゲームの本質的な部分ではないか、と和田氏は続けた。 

 そのうえで、"コミュニケーション"ということに関する、『ドラゴンクエスト』シリーズの興味深い制作エピソードを披露してくれた。「『ドラゴンクエスト』のメニュー画面では、「●●が攻撃した」といったコメントが出ますが、あれにはどういう意味があると思いますか? あれは、『ドラゴンクエスト』がリビングでプレイされることを想定しているので、後ろから見ている人が、プレイヤーがどんなことを考えて、いま何をしているかがわかるようになっているんです。また、『ドラゴンクエスト』では、学校などで「このアイテムはどうやって取りにいったらいんだろう?」という、外部でのコミュニケーションを想定してゲームデザインされているんです。それだけ『ドラゴンクエスト』ではコミュニケーションを重視しているんですね」。 

 そのあとで、和田氏のオンラインゲームに対する私見を披露してくれた。「オンラインゲームはまだまだ黎明期です。いまのオンラインゲームはMMORPGをプレイするようなユーザー層が大切で、ここが育っていかないとネットワークゲームが巨大になっていくための火が付かないのではないかと思っています」、「韓国や中国はオンラインゲームは進んでいて、日本は遅れていると言われますが、そんなことはないと思います。手前味噌で恐縮ですが、『ファイナルファンタジーXI』では日本、北米、欧州で55万人の有料会員がいて、同時アクセス数は17万人を記録しています。これは、韓国や中国の主要オンラインゲームにもひけを取らない数字です。冷静に現状を分析する必要があると思いますね」、「オンラインゲームとパッケージゲームのカルチャーはぜんぜん違います。いまパッケージが主要ビジネスになっているところは、オンラインをやろうと思うと本当にたいへんだと思います。大手ほど、オンラインに取り組みづらいのではないでしょうか。オンラインゲームで上位に入っているメーカーが、総合ゲーム会社が少なくて、オンライン専業メーカーが多いのはそのためです」。 

▲PC用『ファイナルファンタジーXI』の開発をはじめたときは、プレイステーション2版と同じクオリティーのものを出そうとすると、とんでもないPCのスペックを要求した。それがいまでは全部の端末のCPUが一定の水準まで達してしまった。これにより相当新しいサービスが展開できるのではないかと和田氏は見ている。


 また、オンラインゲームの収益モデルとして、(a)コンシューマ型(例:ディスク販売+定額課金)、(b)アーケード型(例:従量課金+ものによってはディスク販売)、(c)デリバティブ型(ゲーム中のアイテムを売買するRMTなど)の3つに分類した。典型的なコンシューマ型である『ファイナルファンタジーIX』は、開発コストの内訳は、コンテンツ制作費が25パーセント、オンライン運営費に75パーセントの割合で制作しており、良好な収益を上げていると説明した。

▲「ここ数年顕著なのが、端末・メディアの透明化。端末やメディアを意識することなく、コンテンツを楽しむようになっています。じつはいまコンテンツ自体も半透明化していまして、本当に失ってはいけないのはコミュニケーションになっているのかもしれません」と和田氏。


 最後にオンラインゲーム事業に内在する課題として、「ネットワーク社会に内在する問題がオンラインゲームでもっとも早く現れます。じつは、社会全体が取り組むべき課題です。21世紀に入って、人類はオンラインでふたつのことを経験します。"社会を作る"と"生命を作る"ことです。これらのことは本当に経験したことがないので、ちゃんと真正面から議論すべきだと思います」とした。たとえば、ネット社会における社会規範ひとつだけをとってみても非常に重要で、「ゴミが落ちていたら拾いましょう」といった現実の社会であたりまえに属するような社会規範でも、いちから考えていかないといけない。そうしないと規制ができていないムラ社会になってしまうから……とした。そのほか、知的財産の保護など、取り組むべき課題が山積みしているというオンラインゲーム。オンラインゲームの現状と可能性、今後の課題などを見据えた、"アジア オンラインゲーム カンファレンス 2005"の開幕を飾るにふさわしい基調講演だった。 

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