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■NEWS 2005/2/24


東京大学でオンラインゲームを教育に利用する研究がスタート

●テレビゲームの不平等な研究状況の解消を目的に


 2月24日、東京大学本郷キャンパスで"オンラインコミュニティの教育目的利用のための日韓共同研究"という研究計画発表会が行われた。この研究はオンラインゲームを高等学校などの教育現場に導入し、その教育効果を測定、検証するというもの。発表会には日本側の研究代表者として東京大学大学院情報学環の馬場章助教授が、韓国側の研究代表者として韓国中央大学経営学科助教授の魏晶玄氏が出席した。

▲高校の教育現場にオンラインゲームを持ち込む画期的な研究方法が発表。オンラインゲームをプレイした学生たちとそうでない学生たちの違いを、心理学や社会学などに使われる手法を用いて客観的に測定していく。

 
 研究は、歴史もののMMORPGやシミュレーションゲームを高校生のグループに一定期間ゲームをプレイしてもらい、その教育効果を測る内容。研究効果の仮説として"歴史学習への意欲"や"歴史知識の蓄積、歴史認識"、"オンラインコミュニティにおけるコミュニケーション力(協調・調和性/自己実現/人格育成)"が向上するとされており、実際の教育効果を韓国のケースと比較しながら証明していく計画だ。


▲東大ゲーム研究プロジェクトを進めている馬場章氏。「なにごとにもプラスとマイナスの側面があるけれど、ゲームについてはこれまでマイナスの側面が誇張されすぎていたようです。マイナスの影響を懸念されている方々と討論するつもりではなく、プラスの側面を解明しないとゲームという存在にとって非常に不平等な状況ではないかと思っています」と語った。
 

 こうした研究を始める背景について、馬場氏は「テレビゲームやインターネットに関する研究は"ゲーム脳"や"ネット中毒"に代表されるマイナス面を取り上げるものが多く、プラス面の効用の研究が欠如している」と語った。テレビゲームのマイナス面を探る研究が多い中、プラス面での研究成果を提示することで、ゲームに対する偏った見かたを解消することがひとつの目的というわけだ。また、ゲームの教育効果を研究することで、ユーザーがオンラインゲームと上手につき合うための"メディアリテラシー"の確立や、ゲーム産業の新たなビジネスの創出にもつながるという。
 

 日本側の研究組織は馬場氏を中心に、教育学、社会学、心理学など幅広い分野の研究者などで構成される。アドバイザーとして人工知能の専門家である"はこだて未来大学"の松原仁教授を迎えるなど、学外との連携にも前向きだ。研究の対象として協力してもらう高等学校は、現在、打診中とのこと。韓国側でも魏氏を中心に同様の形で研究組織が作られる予定だ。なお、産業界からはコーエーも協力し、プレイステーション2とPCで展開している『信長の野望Online 飛龍の章』をはじめとした同社のオンラインゲームを今回の研究に提供する予定だ。大学と産業界、国境、研究分野などあらゆる垣根を越えた、テレビゲームの一大研究プロジェクトが動き出す!
 

▲オンラインゲーム研究の第一人者で、すでに韓国でゲームの教育効果について研究をした実績がある魏氏。「教育者が一定の目的意識を持って学生にゲームをさせると、高い教育効果があることがわかっている」とコメント。そのうえで「オンラインゲームを使った、このような研究は世界で初めてだと思います」と述べた。

▲コーエーの執行役員でオンラインゲーム『信長の野望Online』のプロデューサーである松原健二氏。「オンラインゲームの歴史は10年にも満たないですが、こうした研究によって新しいエデュテーメントゲームや、インターネットを使った新しいアプリケーションのありかたが生まれるのではないかと期待しています」とコメント。

 





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