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2004/9/28 |
世界的に著名なゲーム関係者が語る"ゲーム開発の国際連携"とは?
●"東京大学コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム"のキックオフイベントが開催
この10月から東京大学で、デジタルコンテンツの新しい人材を育成するための授業、"東京大学コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム"がスタートするが、そのプログラムを記念しての講演会が9月27日に東京大学にて開催された。

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▲この10月から始まる東京大学のデジタルコンテンツの人材育成プログラムを記念して、講演は行われた。 |
この"ゲーム開発者の国際連携"と題された講演会に講師として招かれたのは、ジェイソン・デラ・ロッカ氏とゴンザロ・フラスカ氏の両名。ロカ氏は国際ゲーム開発者協会(IGDA)のプログラムディレクターとして活躍。一方フラスカ氏は、コペンハーゲンIT大学コンピューターゲーム研究センター研究員として、新しいゲーム学である"Ludolgy(ルドロジー)"を提唱するなど、両名ともにゲーム関係者には世界的に著名なお方たちなのだ。そんな両氏の講義を聞こうと、当日は100名近い聴講者が参加。両氏の講演に熱心に耳を傾けていた。ここでは、その講演の模様を紹介しよう。
●ゲーム業界と教育機関の連携は?
まず登壇したのは、ジェイソン・デラ・ロカ氏。日本でもここ数年は、産業界(ゲームメーカーなど)と学術(教育機関など)の協力関係である、いわゆる"産学連携"が叫ばれているが、海外も状況は非常に似通っている。"Industry/Academic Relations(産業と学術の関係)"というタイトルのもとに講演をはじめた氏は、「学術と産業界にある溝を埋めていくのがIGDAの役目」と説明。そのうえで、産業界が学術に求めることとして、以下の4つを挙げた。
・人
才能ある人材が必要。ゲーム業界は、いままでのようなハードコアゲーマーが自分でプログラムを作る徒弟制度から離れないといけない。
・コード(プログラム)
先進的な研究開発のこと。現時点では、先進の3D技術、人工知能、ネットワーク技術などがあてはまる。
・セオリー(理論)
プレイヤーの文化などの研究。学術によるゲーム研究は、純粋に新しい技術を実験できる。売れるかどうか、気にする必要はない。
・Credibility(信用)
近年学術の対象として、ゲームは注目されはじめている。いまの状況は映画産業と似ている。映画産業も、最初は芸術とは捉えられなかったが、始まってから40〜50年程度経ち学術が映画を研究しだした。それと同じことがゲーム産業でも起ころうとしている。
一方で、学術が産業界から得るものとしては、以下の4つを挙げた。
・インプット
開発者と情報交換ができる。
・Funding(資金)
多くの資金がゲーム業界から学術へ注がれる。
・いっぱいになるクラス
ゲームのプログラムを提供する授業は学生でいっぱになる。学生からコース設立の要望があるなど、ゲームのクラスは人気がある。
・アプリケーション
さまざまな研究の成果を学術に取り入れることができる。学生のみならず、研究者もゲーム業界と連携をとりながら、今後の方向性を考えていく。
「学術界も産業界もいろいろな違いはあることは認識していると思うので、今後は歩みよることが大切だと思います。さまざまなギャップは減っていくのではないでしょうか」と結んで講演を終えた。

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▲ジェイソン・デラ・ロカ氏はIGDAプログラムディレクター。シリコングラフィックスなどでゲーム開発に従事し、2000年10月に現職に就任。 |
●現在のゲーム研究の潮流は?
つぎに登壇したのが、ゴンザロ・フラスカ氏。「ヨーロッパで唯一、ゲーム研究で博士号が取得できる」というデンマーク・コペンハーゲンIT大学コンピューターゲーム研究センターに所属する氏は、"Some recent trends in cultural computer game resarch(文化的コンピューターゲームの最近のトレンドについて)"と題する講義で、最近のゲーム研究で脚光を浴びている、3つの題材を紹介した。
・ルドロジー
ゲームとは何か? ゲームは何を可能にするのかを明らかにする。一方で実践的な側面も重視しており、ゲームをひとつの物語の側面から捉えるという研究もしている。ゲームをコミュニケーションの一環として研究する。
・マルチプレイヤースタディーズ
社会的、経済的な観点からゲームを研究する。たとえば、ゲームの中で流通しているバーチャルなお金が実際にどのように伝わっているのかを検証するなどの例がある。
・シリアスゲーム
エンターテイメントを目的としているのではなく、教育やプロパガンダといったそのほかの目的を持っているゲームを研究する。シリアスゲームが興味深いのは、さまざまなバッググラウンドを持つものを対象にしていること。
最後に氏は「開発者もプレイヤーも"ゲームを楽しむ"ということをマジメに考えすぎているのかもしれません。プレイヤーがゲームで得ている経験は"楽しみ"だけではなくて、もっと拡充していくべきだと思います。ゲームはコミュニケーションを超えた"何か"なのです」と発言した。

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▲コペンハーゲンIT大学コンピューターゲーム研究センター研究員であるゴンザロ・フラスカ氏。コンピュータゲーム研究の国際的な論文誌である"Game Studies"のレビューエディターでもある。 |

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▲講演では、ブラスカ氏と氏の会社が国際問題をテーマとしたゲーム開発を示すために作った"September 12th−The War on Terror"も紹介。テロリストを狙撃すると、巻き添えを食った一般市民の家族もテロリストになり、ゲームを続ければ続けるほど、テロリストが増殖していく……という内容。「このゲームに勝利はありません。独裁政治について考えてほしかったんです」とのこと。このゲームはNEWSGAMING.COMで体験可能だ(ただし英文)。 |
興味深い話は聴講者の何よりの刺激になったよう。産学連携とゲーム開発の国際連携はまだまだはじまったばかりで、今後の成果に期待したい。

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▲ふたりの講演のあとは、盛んな質疑応答が! 会場は熱気でいっぱいだった。ちなみに、中央壇上は東京大学ゲーム研究プロジェクト責任者の馬場章助教授。 |
※NEWSGAMING. COMの公式サイトはこちら(英文)
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