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企画・ニューストピックス
ファミ通.comニュース>【CEDEC 1日目】開発者向けのセッションCEDEC 2004開催!
■NEWS 2004/9/7


【CEDEC 1日目】開発者向けのセッションCEDEC 2004開催!

●エキスパートを講師に招いて、70近くのセッションを行う

 9月6日〜8日の3日間、新宿・工学院大学にて"CEDEC 2004"が開催されている。"CEDEC"とは"CESAディベロッパースカンファレンス"の略で、ゲーム開発に役立つ最新の技術やビジネス情報を学んでもらうことを目的に行われる、ゲームディベロッパー(開発者)向けのカンファレンスのこと。ゲーム開発に携わるさまざまな分野のエキスパートを講師として招き、ミドルウェアの解析といった理系の講義から、ビジネス面にスポットを当てた講義まで、3日間で70近くのセッションが実施されるのだ。
 
 ゲームの知識や技術を吸収できるということで、CEDECはゲームクリエーターからの評判も高く、今年は昨年をさらに上回る1200人の受講者が参加。それぞれの講義に熱心に耳を傾けていた。受講者のなかには著名なクリエーターの姿も見られたのだ。何よりも、"遊び学に基づいた面白いゲームの開発手法"や"ゲームマスコミはどういう役割をになうべきか?"、"「萌え」とは何か"など、タイトルを見ただけで、クリエーターならずとも興味深いセッションが目白押し。そこでファミ通.comでは、大学生活が楽しくて8年間も在学してしまったという担当記者がCEDEC 2004に潜入。実際に体験したセッションをリポートしていくことにしよう。今回はその1日目。 

▲3日間にわたり、5〜6のセッションが並行して行われる。受講者は関心のあるセッションに参加すればいいというわけ。雰囲気は大学の講義に近いかも。


●ゲームの学問化は可能なのか?U 

▲コナミスクールの高取氏。年間80回以上のコンテストを開くなど、さまざまな施策を展開していることを明らかにしてくれた。

 まずお届けするリポートは、パネルディスカッションの"ゲームの学問化は可能なのか?U 暗黙知から形式知への変換の時代"。ナムコの岩谷徹氏、コナミスクールの高取利明氏、東京大学の馬場章氏の3名をパネラーに招いてのこのセッション。日本におけるゲーム開発のノウハウは"伝承"とも呼ぶべき"暗黙知"のうえに下の世代へ受け継がれてきたが、そういった知識の伝達方法はそろそろ曲がり角に来ているのでは……というのがテーマだ。

 まず高取氏は、大学における学問の実情と、コナミスクールのカリキュラムなどを説明。コナミスクールに関わるようになってから7年になるという高取氏は、『グラディウス』や『沙羅曼蛇』などのディレクションも手がけてきた。高取氏は「海外市場などでは、ゲーム市場自体の規模は大きくなっていますが、ソフトの価格が下落傾向ということもあり、ソフト1本あたりの販売単価は下がっています。それだけ利益の出しづらい状況にあり、そのぶんゲーム1本にかける開発費は減っています。そういったことから、ゲーム業界に求められる人材像も変わってきていて、変化に対応できる能力やプロデュース能力などが必要になっている。いま欧米では、ゲーム学を映画学のように捉える風潮が高まっています。開発現場でいちから叩き上げるのではなく、教育によって深く吸収できる下地を作ろうという動きがある。しかし日本には、体系的にゲームを学問として学べる場がなく、アメリカなどに比べかなり立ち遅れている感がある。現時点で欧米のメーカーに比べて日本が苦戦しているのも、そういった理由が一端にあるのではないかと思います」といった趣旨の発言を行った。さらに続けて「ゲーム開発に必要なのは、1.創造力・発想、2.意欲・情熱、3.チームワーク・コミュニケーション、4.スキル・成長性、5.合理性・論理性だと思いますが、学問で学べるエリアは5の合理性・論理性だけだと思います。それ以外は学問では難しいように思います」とコメント。高取氏の発言を受けて、ディスカッションも盛り上がった。

岩谷 ゲーム作りはハードやプログラム、アートなどあらゆる分野のスキルを総合的にまとめたもの。どこかが得意でもほかが不得意だとバラバラになってしまう。すべての技術を取り込もうと思っても底が浅くなる。あらゆる分野を網羅して……だと作り上げるのはひとりひとりだと限界がある。といって、スペシャリストだけを集めればいいというものでもないのが難しいところです。 

高取 昔は平均的な能力が求められていたが、いまはそれにプラスして、突出した能力が必要ですね。 

馬場 一般的な知識と専門的な知識のかねあいは難しい問題ですね。大学では一方では高度な専門教育が必要とされ、一方では教養教育が必要とされる。バランスのありかたを巡っては、戦後から一貫して議論されてきましたが、結論が見えていないです。 

岩谷 横に幅広く……という感じですね。いわば"H型"。とくにコミュニケーション能力は必須だと思います。作業が細分化しているので、自分が何をしているか把握しないといけない。目と目でものを見て、自分の意見を言えるスキルが必要です。

高取 確かにコミュニケーション能力は非常に重要です。ゲーム制作はひとりではできないわけですから。 

 岩谷氏、馬場氏、高取氏と、三者三様で"ゲームと学問"の問題に取り組んでいるだけに、発言には重みがある。日本における"ゲーム学問"のありかたについて、興味深いセッションだった。 

▲「ゲームデザインの講座を持っていますが、最初はカリキュラムの構成と教科書がないのには困りました」と岩谷氏。 

▲「つねに進化していくリアルタイムでの技術でカリキュラムへの応用が難しい」と高取氏。

▲「大学と専門学校は違うので、補いあいながら展開していきたい。共有化とすみわけが大切になります」と馬場氏。


●テレビゲームの悪影響問題にどう対応するか? 

 つぎの講義は、お茶の水女子大学の坂元章助教授による"テレビゲームの悪影響問題にどう対応するか?"。"テレビゲームの悪影響論"に造詣の深い氏は、まずは悪影響の歴史をレクチュアー。そのあとでゲームの悪影響の研究動向を紹介した。悪影響については、"暴力"、"社会的不適応"、"学力と認知能力"、"視力"、"体力"の5つの観点から研究が進められているが、どれも絶対的な研究が少ないということを前提のうえで、「"暴力"に関しては、影響力を認める方向にある」と最新の研究の成果を明らかにした。そのほか、"視力"にもある程度、悪影響があるとのこと。一方で、形を認知する能力"視覚的能力の向上"にはかなりの効果が認められるという。

▲ゲームの悪影響に関する話題はは5年周期で世間的に盛り上がるという"悪影響の5年周期説"を展開。

 
 坂元氏は最後に「私が子どものころはマンガを学校に持ってきただけで怒られたものですが、いまは図書館にも置いてある。テレビゲームも将来は、教育や医療などで活用される可能性がある。それだけに、ますますテレビゲームというコンテンツの影響力が大きくなるわけです」と発言。クリエーターはより責任をもって、モノ作りに励む必要があるようだ。

▲「今後は親がゲームを知り、しっかりと対応することも求められる」と坂元氏。

 

 





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