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ファミ通.comニュース
■NEWS 2004/6/7


独占インタビュー! キーパーソンに聞く、EA今後の戦略とは?

●PSPとニンテンドー・ディーエス(仮称)への戦略は?

▲今回お話を伺った、エレクトロニック・アーツ、フランク・ジボー氏。ノースアメリカンマーケティングを担当するシニアバイスプレジデントだ。

 5月12日〜14日にアメリカ・ロサンゼルスで開催された、世界最大級の見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)。会場では、ソニー・コンピュータエンタテインメントがPSPを、任天堂がニンテンドー・ディーエス(仮称)をお披露目するなど、さまざまなビッグニュースが飛び交った。そんななか、E3会場で存在感を発揮していたのが、"世界最大のゲームメーカー"を自他ともに認めるエレクトロニック・アーツ(以下、EA)だ。EAは、ハードの括りに縛られない"マルチプラットフォーム"を基本戦略としており、ハード競争のキャスティングボードを握る重要なメーカーのひとつ。E3の開催直前に開かれたXbox記者発表会で、マイクロソフト陣営が”EAがXbox Liveに参入!”を大々的に発表したことは、その証明と言っていいだろう。本サイトでは、E3の会期中に、そんなEAのキーパーソンのひとり、北アメリカのマーケティングを担当するフランク・ジボーSVP(シニアバイスプレジデント)に独占インタビューを敢行! PSPやニンテンドー・ディーエスへの取り組みなど、今後のEAのソフト戦略を聞いた。

――PSPとニンテンドー・ディーエスにはどのような戦略を考えているのですか?

ジボー 携帯用ゲーム機に関しては、今後市場が広がることが見込まれますので、積極的に力を入れていこうと思っています。PSPは本体発売に合わせて、『Tiger Woods PGA Tour』、『NBA Street』、『NFL Street』、『Need for Speed Underground』の4タイトルを予定しています。ソニー・コンピュータエンタテインメントさんのブランド力はすばらしいものがあると思いますので、今後もたくさんのタイトルを予定しています。実際、PSPの美しいフォルムには目を奪われましたね。映画が見られる、音楽が聴ける、ゲームができる……という多岐にわたる機能はおもしろいと思っています。大きい画面とワイヤレスという部分にも大きな可能性を感じています。ディーエスに関しても参入を予定しているのですが、こちらのほうはふたつのスクリーンがあるので、さらに新しいゲーム性が可能になるのでは……と思っています。

――ハードが発売されてから1年くらいのあいだの、ソフトのリリース数は?

ジボー たくさんやりたいのですが(笑)、PSPは月に1回くらいのペースで、2005年のクリスマスまでには10タイトルくらい……といったところでしょうか。ニンテンドー・ディーエスはハードの検証中なのですが、何とも言えない部分がありますね。

――ニンテンドー・ディーエスは、いままでにない2画面ですが、ソフトの開発は難しくなりますか?

ジボー 技術的にいえば問題はありません。ただ、ゲームデザイン的にいえば、いままでとは違ったものになるので、検討が必要になる部分はありますね。ただ、現時点ですでにいくつか構想を練っていますので、いいものができると思います。実際開発スタジオの連中は、挑戦が大好きなんです。だから、ディーエスには興奮しながら挑戦していますよ(笑)。

――Xbox Liveに参入した理由を教えてください。

ジボー 当社は基本的にマルチプラットフォーム戦略を採用していますので、当然Xbox Liveにも興味を持っていました。Xbox Liveはおもしろい技術だと考えていましたし、多くのスポーツタイトルを持つ当社には、相性のいいシステムだとも思っていたんです。「EAのゲームをXbox Liveで遊びたい……」というユーザーの方からの要望も多かったですし……。ただ、技術的な検証と、マイクロソフトさんとのビジネスモデルの構築に時間がかかってしまったこともあり、Xbox Liveに参入するのがこのタイミングになってしまいました。今後は、マイクロソフトさんといっしょに、Xbox Liveを積極的に盛り上げていきたいですね。 

▲北米では8月に発売が予定されている『Madden NFL 2005』。マルチプラットフォームで展開される本作は、Xbox Live対応としても発売される(日本での発売は未定)。アメリカ人に人気のスポーツゲームにおいて、EAはユーザーから圧倒的な支持を得る。

▲プロゴルフ界のカリスマタイガー・ウッズをモチーフにした『Tiger Woods PGA TOUR 2005』。こちらは北米で20043年中の発売を予定(日本での発売は未定)。スポーツの各ジャンルにおけるスーパースターを起用できるのも、EAの強みと言えるだろう。



●日本の市場を席巻するために……長期的な視野での施策は万全 

――マルチプラットフォーム戦略は今後の方針としても変わらずに?

ジボー ソフトを全部のプラットフォームで……という方針は、今後も続けていきたいと思っています。ただ、Aというハードで最初にソフトをだして、そのつぎにBというハードでソフトを出すと、Bのハードのユーザーが不満に思ってしまう部分もあり、セールス的にも下がってしまうんです。すべてのプラットフォームで同時に出すというのが、戦略としては有効だと思っています。もちろん、それぞれのハードの特性に応じて、微妙にゲーム性が変わったりすることはあると思いますが……。たとえば、『メダル オブ オナー』シリーズにしても、PCと家庭用とでは、微妙に仕様が異なっていたりするんです。オンラインに関しても、”できるもの・できないもの”はありますが、基本的に全部のハードでリリースを……という方向性は保っていきたいと思います。

――では、具体的な今後のEAの方針は?

ジボー 4つあります。ひとつは、次世代機がでてくることによって、いまの家庭用ゲーム機の値段が下がってくるので、そのビジネスを引き続き育てること。ふたつめは、Xbox2やプレイステーション3にあたる次世代機への準備をしていくということ。これは、具体的なタイトルの開発を進めているというわけではなく、マシンのスペックを予想して、「うちとしては何ができるか……」というのを検証している段階です。そのうえで、新しいプロジェクトに向けて人材を採用したり、アイデアや技術を蓄積したり……ということを考えています。3つめは、PSPを始めとする新しい携帯ゲーム機に力を入れるということ。そのなかには、ノキアのN-Gage QDも含まれています。4つめはPCのビジネスですね。PCのビジネスは、任天堂さんのハード(ニンテンドーゲームキューブ&ゲームボーイアドバンス)向けに出しているソフトの総売上げと、同程度の市場規模を持っているんです。もちろん、日本でのシェアもナンバーワンです。そういう意味では、PCにも積極的に力を入れていきたいですね。

――PCの市場規模はかなり広がっていくと?

ジボー 家庭用ゲーム機の場合は、ハードの転換期ごとに売上がどうしても落ちてしまう傾向がありますよね。その点、PCは家庭用ゲーム機と違って、ハードの新旧交代による売上の上がり下がりがありませんので、数字が読みやすいというのはありますね。ただ、市場規模的に家庭用ゲーム機よりも大きくなる……という状況は想定していませんが……。 

――"世界一のゲームメーカー"と呼ばれていますが、成功の秘訣は?

ジボー いろいろな要素があるとは思うのですが(笑)、まず言えるのはチームワークがいいことですね。開発スタジオとマーケティングの人が密接にやりとりをしていますので、開発の初期段階からソフトに対してマーケティングのフィードバックがあるんです。逆に、ゲームを作ったあとで開発の人がプロモーションのアドバイスをすることもあります。相互の協力関係がけっこう盛んなんです。あとは、みんなゲームが大好きなので、非常に熱意をもって仕事をしているところですね。そのほかでは、ユーザーを大事にしてるところも挙げられると思います。EAでは、フォーカスグループセッション(一般の人を招いて開発中のゲームの感想を聞く)をソフトの開発初期の段階からしています。一般の方の意見を早い段階から聞くことで、ゲームの失敗が格段に少なくなっていますね。EAでは、いきなり思いついたようなゲームを売るというギャンブルはしません。積み重ねを大事にして売っているんです。

――日本市場向けに何か施策はありますか?

ジボー 日本は重要なマーケットとして位置づけています。日本の市場でも、"洋ゲーメーカーのナンバーワン"ではなく、すべてのゲームメーカーのナンバーワンになりたいと思っているんです。ただ、日本のユーザーの方は理想が高いので、満足していただくのがたいへんだという認識はありますね。そのため、開発スタジオと、長期的な視野での戦略を考えています。今後は、日本を含めアジア全般で伸びてくれれば……と思っています。人材的にも"対日本"ということでかなり整備をしているんですよ。今後、ジョン・ニアマンというアジア統括担当が、日本も見ることになりました。また、今度日本に開発スタジオの設立も予定しています。マーケティングの面でもかなり日本に注力していきますので、ご期待ください。

 豊富なコンテンツを誇るEA SPORTSはもとより、『ハリー・ポッター』シリーズや『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどで、最近日本での存在感をますます大きくし始めているエレクトロニック・アーツ。ジボー氏が掲げる「日本市場でナンバーワンを……」という目標も、決して現実味のない話ではない。確かなマーケティングと開発力に裏打ちされたソフトラインアップは、日本のメーカーの脅威となることは確かだろう。いずれにせよ、今後の動向から目が離せないゲームメーカーのひとつであることは間違いない。

▲劇場公開とタイミングを合わせるようにして、日本でも6月26日に発売予定の『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』。話題性のあるタイトルをタイミングよくリリースできるのも、マーケティングと開発が高いところで調和しているEAならでは。

▲北米では2004年中に発売予定の『GoldenEye:Rogue Agent』。人気スパイ映画シリーズ"007"をモチーフにした本作では、プレイヤーは007に敵対する悪役となって物語を進めていく。映画に登場した悪役が多数お目見えする。日本での発売が期待される1作だ。



※エレクトロニック・アーツの公式ホームページはこちら

 

 

 


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