HOME> ゲーム> 『初音ミク』追加楽曲集、『もっとおかわり、リン・レン ルカ』のミニゲームを監修したトラボルタPにインタビュー
●トエト誕生のきっかけは、あの有名アニメ!?
セガから発売中のPSP(プレイステーション・ポータブル)用ソフト『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-』。この作品の追加楽曲集第2弾『もっとおかわり、リン・レン ルカ』には、人気作曲家トラボルタ氏が監修するミニゲーム“トエト”が収録されている。今回同氏にインタビューする機会を得たので、ゲーム化するに当たってのエピソード、そしてふだんどのように作曲しているのかなどを聞いた。
――監修の話が最初来たときはどう思われましたか?
トラボルタ いやー、それはビックリしましたね。自分にできるのかなって(笑)。“監修”って何かすごいじゃないですか。ふだんからゲーム開発に携わっているわけでもないですからね。
――ふだんはどんなゲームを遊んでいるんですか?
トラボルタ たまにやりたいなー、と思うのがあったときくらいしか遊ばなくて、最近だとニンテンドーDSのタイトルが多いですね。やっぱり携帯ゲーム機のほうが気軽ですから。
――今回監修されたミニゲームも、気軽に遊べるコミュニケーションアドベンチャーといった具合ですが、やはりふだんのゲームライフが関係しているのでしょうか?
トラボルタ じつはゲームの企画自体は開発者さんたちが考えてくださったので、自分はそれに沿って意見を出させてもらった感じなんです。トエトの世界観だったり、設定だったりとか。とは言え、こういった気軽に遊べる作品は僕自身すごく好みなので、そこに関われたのは楽しかったですね。
――実際にゲームを触ってみていかがでしたか?
トラボルタ まだクリアーしていないんですけど、やっぱりじっくり遊んでナンボの作品だと思います。なので、ゲームの醍醐味としては長く楽しめるところでしょうか。
――どれくらい遊べる内容になっているのでしょうか?
トラボルタ ミニゲームにしてはかなり長く遊べますよ。それこそ、1日中遊んでクリアーできるかできないくらいのボリュームでしょう。内容としてはトエトに言葉を覚えさせていくというものなのですが、ちゃんとやり込み要素的なものもあり、最終的にはどれだけの言葉を覚えさせたかで展開が変わってくるという仕掛けもあります。もちろんエンディングはあるのですが、そこに辿り着くまでの道のりは人それぞれ。さらに、エンディングを迎えた後も続けられるシステムなので、やろうと思えばいくらでも遊ぶことができますよ。
――ミニゲームの世界観などを監修するにあたって、「ここだけは譲れない!」などこだわったポイントはありますか?
トラボルタ やっぱりトエトのほんわかとした雰囲気ですかね。キャラクターがトエトなのに、内容が殺伐としていたらイヤですからね(笑)。なので、グラフィック部分もチェックさせていただきました。
――トエトというキャラクターが生まれた経緯について教えてもらえますでしょうか?
トラボルタ 自分はいつも最初に曲を作って、そこから歌詞を考えるんですけど、あるときどうしても歌詞が思い浮かばないことがあった。「とりあえずタイトルから決めよう」と考えて、そこで“トエト”というタイトルをつけたのがそもそもの始まりです。じつはトエトというのは昔から好きな名前で、元ネタは『風の谷のナウシカ』に出てくるチョイキャラ。それこそ、一瞬しか出てこないような(笑)。
――自分も『ナウシカ』は好きなのですが、そんなキャラいましたっけ……?(笑)
トラボルタ 最初にユパ様が風の谷に来て村人がワーッと集まったときに、ナウシカがトエトって名前を呼ぶんですよ。ほんと、そこくらいしか出てこないから、わからない人のほうが多いかもしれませんね(笑)。
――なぜそのキャラクターに惹かれたのですか?
トラボルタ キャラクターというよりは、トエトという響きが好きなんです。その名前と出会って以来、ゲームで遊ぶときのキャラクター名をすべてトエトにしているくらい(笑)。だから、僕にとっては小さいころから非常になじみのある名前だったんです。でも、曲名にするに当たっては「トエトをどうやって歌詞にすればいいんだ?」という悩みもありました。それで、いろいろ考えるうちに「えーっと、えーっと、えーっとえーとえトエトエト……」というフレーズが使えるなと思い、発展させていった形ですね。
――まさか『ナウシカ』のキャラがモチーフになっていたとは! でも、『ナウシカ』はけっこうシリアスな話というか……トラボルタさんの描くトエトの世界とは遠い感じもします。
トラボルタ もちろん『ナウシカ』は好きですが、トエトという響きが気に入っただけなのでとくに世界観という部分では関係がないんです。トエトのデザイン自体も何となく描いているときに生まれました。
――トラボルタさんのイラストはとても雰囲気があってステキだと思うのですが、以前からイラストは描かれていたんですか?
トラボルタ 昔から絵を描くが好きで、それこそ音楽をするのよりも前からやっていました。
――自分の描いたキャラクターがファンのあいだで認知され、さらにゲームにもなるというのはどんな気分ですか?
トラボルタ もう、信じられないですよ。それこそ、人ごとみたいな感じで「すごいなー」って(笑)。
――トエトが多くの人から支持される理由はどこにあると思いますか?
トラボルタ うーん、自分の曲なりイラストは自分で分析することがないんですよね。正直わからない……実際なんででしょうね? むしろこっちが聴きたいくらいです(笑)。
――癒しの雰囲気ですかね……。トラボルタさんの楽曲からはどれも癒しを感じます。
トラボルタ 頭の中で曲を思い浮かべると、だいたいがスローテンポになるんです。ホントはアップテンポな楽曲も作りたいんですけど、なかなか出てこなくて……気がつくとゆったりとした曲ばかりになっていました(笑)。
――ちなみに、ふだんはどんな曲を聴かれているんですか?
トラボルタ 最近は音楽を聴かないんですけど、昔はふつうにJ-Popを聴いていました。それでも、いま考えれば比較的ポップだったりゆっくり目の曲が好きだったかもしれませんね。
――作曲の勉強などはしていたんですか?
トラボルタ ほぼ独学です。VOCALOIDシリーズに触れたのは、ニコニコ動画で“初音ミク”が盛り上がっているのを知り、いろいろと聴くうちに「自分も作り手として参加してみたいな」と思ったことがきっかけです。“鏡音リン・レン”にしたのは、ちょうどその時期に発売されたからです。
――VOCALOIDを触る以前に、何か楽器をやっていたりとかは?
トラボルタ 高校のころにギターをやっていました。当時はギターでさまざまな歌謡曲のコードを覚えたりしていて、そのうちに曲のパターンというか仕組みがわかり「自分でもできるんじゃないか」と思ったんです。作曲を始めたのはちょうどそのころで、鼻歌でメロディーをつけたりしていました(笑)。
――独学であそこまで作れるなんてスゴイですね! キャッチーなメロディーを生み出すコツなどはあるんですか?
トラボルタ どうなんですかねー、自分は作曲に関して「こうしたほうがいいよ」などと人に言える立場ではないですから……(笑)。とくにメロディーに関してはその人のセンスはもちろん、いままでに聴いてきた音楽の蓄え、さらにその中でどんな曲にグサっと心刺さったかなどが大きく影響して、内から自然的に発生したりするものなので説明はなかなか難しいものですね。
――もっと激し曲をやってみたい、といった思いはあるんですか?
トラボルタ いろいろやりたいことがあって、たとえばいままでの雰囲気をすべて壊してしまうような楽曲も作ってみようかと思っています。じつは以前ちょっと挑戦してみたのですが、どうもうまくいかなくて、そのときは保留にしちゃいました。でも、最近新しい音源を買ったので今回はイケそうな気がするんですよね。
――では、新しい世界観の曲を作るに当たって、またトエトのようなキャラクターを考えたりも?
トラボルタ ああー、それはどうですかね。その場のノリでやるかもしれません。いままでもその場のノリで作ることが多かったので(笑)。曲はしっかりと構想を組み立ててから取り組むんですけど、歌詞はホント行き当たりばったりなんですよね。曲を作っている最中に「ほんとにこの曲に歌詞をつけられるのかな」なんて心配しているくらいですから。で、歌詞がようやくできあがってからPVなどについて考えるので、やってみるまではホントにわからないんです。
――ひとつの曲が完成するまで、どれくらい時間が掛かるのでしょうか?
トラボルタ 最近、1曲にかける時間がどんどん長くなっているんです(笑)。慣れてくれば早くなるかな? と思っていたのですが、逆にこだわってしまうんですよ。あとは、何曲も作っているとパターンみたいなのができてしまうので、それを避けて新しいものをやろうとするとやはり時間がかかってしまいますね。
――ちなみに、いままででいちばん気持ちを込めて作った曲は?
トラボルタ もちろんすべて精魂込めて作っていますが、やっぱり『ココロ』は苦労しましたね。当時の自分の集大成的な意味もあったので。加えて、当時自分の使っていたマシンパワーが低くて、ことあるごとにフリーズしていたんです(笑)。そういう面も含めて『ココロ』はとても印象に残っています。
――ミニゲームの話に戻りますが、今回はコミュニケーションアドベンチャーを監修されました。もし、また機会があったらつぎはどんなジャンルに挑戦してみたいですか?
トラボルタ やっぱりRPGですかね。んー、でもアクションもいいかな……アクションRPGがいいかもしれませんね。あ、でもシューティングも作りたいかもしれない(笑)。とにかく、いろいろなジャンルが好きなので、話が来れば何でもやりたいですね。
――最後にファンの方に向けてメッセージをお願いします。
トラボルタ 今回のミニゲームは、トエトがいっぱい動いて、いっぱい話してくれるという、すごく癒しなゲームになっています。ぜひ、まったりと楽しんでいただければうれしいです。
※『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-』のポータルサイトはこちら
(C)SEGA
(C)Crypton Future Media, Inc.
(C)トラボルタ/ Crypton Future Media, Inc.
VOCALOIDはヤマハ株式会社の登録商標です。※画面は開発中のものです。
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