HOME> ゲーム> コーエーのクリエーターが、筑波大学の講義で“ゲーム業界で働くこと”の意義を語る
●気鋭のジャーナリスト、石島照代氏が筑波大学で講義を実施
筑波大学では、2009年12月から2010年3月のあいだ、9回にわたって特別講義として“コンテンツ応用論”を実施している。図書館情報メディア研究科の西岡貞一教授主導によるこの講義は、第一線で活躍中のクリエーターやプロデューサーから直接話を聞き、学生たちが研究テーマ立案や進路選択の手がかりを掴むことを目的に行われているもの。その第6回目として2010年2月1日に行われたのが、ゲーム業界をテーマにした“「ゲーム業界ではたらく」とは”で、夕刊フジなどにコラムを執筆しているジャーナリストの石島照代氏を登壇者として招いて行われた。講義はコーエー協力のもと実施され、コーエー本社と筑波大学キャンバスをインターネットでつなぎ、テレビ電話でのやり取りを交えつつ進行するなどユニークな試みが取り入れられた、極めて興味深い内容となった。
今回コーエーから参加したのは、常務執行役員の鈴木亮浩氏とソフトウェア二部の北見健氏。おふたりの経歴を駆け足で紹介しておくと、鈴木氏はプログラマーとしてコーエーに入社し、最初はウインドウズから家庭用ゲームへの移植作業などに参加。その後オメガフォースの立ち上げメンバーに加わり、『真・三國無双』シリーズのリードプログラマーやディレクターを担当。現在は同シリーズのプロデューサーを務めている。一方の北見氏は、こちらも最初は移植モノを中心に手がけたあとは、競馬シミュレーションのリードプログラマー兼ディレクターを担当。歴史シミュレーションなどを作りいまに至るという。最新作はプレイステーション3、Xbox
360用ソフト『信長の野望・天道』とのことで、おふたりとも、まさにコーエーを支えるクリエーターだ。
|
▲テレビ電話で講義に参加したコーエーの鈴木亮浩氏(画面右)と北見健氏(画面左)。 |
ゲーム業界の第一線で活躍するクリエーターによるナマの声を学生に聞いてもらいたいという石島氏の思いのもとに実現したテレビ電話による試みだが、まずは、鈴木氏と北見氏がゲーム業界を目指すきっかけを学生たちに教えてくれた。
「ゲーム業界を目指すようになったのは、高校3年生のときに遊んだPC版『三國志』がきっかけです。あまりのおもしろさに徹夜で遊んでゲーム業界に入りたいと思いました。それで、大学に入って就職活動をする段になって“好きなことをやりたい”ということで、コーエーの門を叩きました。ゲーム開発はおもしろい作品を作らないといけないのが宿命なので難しい面もありますが、仕事はとても楽しいです」(鈴木)
「私も大学2年か3年のときに『三國志』をプレイしておもしろいなと思いました。遊ぶのは好きですが、作ることも好きなので、“おもしろそうだ”という軽い気持ちでゲーム業界を目指しました。仕事はつらいこともありますが、達成感がありますし、やはり楽しいです」(北見)
ふたりに共通しているのは、ゲームが好きでコーエーに入社したという点だろう。そのためか、学生からは「好きなことを仕事にして成功する人は限られていると思うが、成功した秘訣は?」との質問が出たが、それぞれ以下のとおり回答し、学生たちに多くの示唆を与えていた。
「まずは、私自身ヒット作にも携わりましたが、赤字プロジェクトも担当していて、失敗と成功を抱えているという前提条件があるのですが、それを踏まえたうえで成功の条件を上げるとすると、ちょっとくさいかもしれませんが、やはり“情熱”です。若いころは“ここをこうすればおもしろくなるんじゃないか?”ということをつねに考えていました。“仕事だからいいや”というのではなくて、自分の好きなことをしているというのが無意識のうちにあって、つねにいかにゲームをおもしろくするかを考えていました」(鈴木)
「いまの状態をあえて“成功した”と仮定したとして、私は成功を目指してゲーム開発をしていたわけではなくて、自分の仕事に真摯に向き合っていただけなんです。仕事をしているときもしていないときも“どうずればゲームがよくなるか”をつねに考えていました。その点は、楽しい楽しくないに関わらず真摯にゲームと向きあっていましたね」(北見)
講義には、ゲーム業界への就職を希望する学生さんもたくさん来場していたようで、中にはゲーム開発に関する質問も。「思いつきで新しいシステムを実装することはありますか?」という問いには、北見氏が 「あります。“ちょっとこういうのを入れてみたらどうなるだろう?”と思いついたことを動かしてみて検証することはよくあります。それがおもしろさに絡んできます」と回答。さらには、「『三國無双』のような、ほかの国の歴史を題材とするときに配慮することは?」との質問には、鈴木氏が「自国他国を問わず、歴史ものを作るときに気をつけるのは、史実から逸脱しないようにすることです。ゲームではかなり脚色していますが、あまり違うことをすると歴史をテーマにした意味がない。その上で、中国では『三國志』がどのように捉えられているか気をつけて調べています。たとえば、『三國志』に出てくる“黄巾の乱”は、中国ではそういう表現をしません。“乱”には否定的なニュアンスがありますが、中国では“乱”という言いかたはしないんですね。だから『三國志』をアジア向けに移植するときは“黄巾の乱”という表現は使わないようにしています。文化の違いはものすごく気にしていますね」と返答していた。
なお、来場者を思わずニヤリとさせたのが、石島氏による質問だろう。「VIPへの取材のときもふだんどおりなんです」という石島氏だが、「コーエーの給料は?」と、学生が気になるであろう点について率直に質問。それに対しては、鈴木氏が半ば困りながらも「業界水準よりちょっと高いみたいです」と回答。続いて「休みは取りやすいですか?」との問いにも、「取りやすいですよ。忙しい時期は朝の4時に帰ったりもしますが、忙しい時期が終わるとまとめて休む人が多いです。下手をすると1ヵ月くらい休む人もいます。その代わりそのまえがすごく忙しいので、メリハリが効いているんです」(鈴木)と答えるなど、ゲーム業界への就職を考えている学生には大きな参考になったのでは。
そして講義の後半は、石島氏によるまとめ。石島氏は、自身の著書『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社・刊)において、任天堂の岩田聡社長が“はたらくこと”について語った言葉を足がかりに、ゲーム業界で働くことの意義を説明。石島氏は、働くことに対するよくある理由として、“自分の夢を実現したいから”、“たくさんお金がほしいから”、”出世がしたいから”などが挙げられるが、それらは自分だけの力でどうなるものではなく、それらを働くことの第一の理由にはできないとしたうえで、「いわゆる第一階層である“自分だけでどうにかできる部分”を働くモチベーションにしてみたら?」とアドバイスしたのだ。たとえば岩田氏は、人にウケたいから働いているのであり、ウケる=喜ばれるという、「自分がしたことはちょっとはお役に立っているじゃないかっていうのが、自分のエネルギー源なんですよね」(『ゲーム業界の歩き方』より)なのだという。「“誰か(何か)の役に立ちたい”という、自分だけでどうにかできる部分をがんばることで、幸せの循環を築くことが可能になる。皆さんも“自分だけでどうにかできる部分”を見つけてください」と石島氏は講義を結んだ。最後に、講義のあとに行われた西岡貞一教授と石島照代氏への取材の模様をお届けしよう。
|
▲石島氏(左)と西岡氏(右)。 |
――今回の講義はコンテンツ応用論の一環として行われたとのことですが、コンテンツ応用論はどのような内容なのですか?
西岡 コンテンツ応用論は今年で3年目となります。実務をやっていらっしゃる方に、理論にはなっていないが、ホットな実感として感じていらっしゃることをしゃべっていただくという趣旨の内容で、そういう意味では今回大成功でした。
――石島さんにお願いした経緯は?
西岡 コンテンツ応用論には各メディア産業で、自分の存じ上げている方を中心にお招きしているのですが、石島さんの場合は本屋さんで著作を拝見させていただいて、お願いすることにしました。石島さんと直接の面識はなかったのですが、その内容が就職を控える学生に適しているのではないかと判断しました。
――講義は9つありますが、ゲーム業界関連の講義を入れているということは、やはり注目しているから?
西岡 そうですね。学生のメディア産業への人気は高く、中でもゲーム産業へのあこがれは強いようです。就活ではかなりの数の学生がゲーム業界に応募しています。当然ゲーム業界に就職している人もいます。
――今日講義をされてみていかがでした?
石島 講義自体が初めてなので、とても緊張しました。今回コーエーさんに協力をお願いしたのは、広報さんが仲がよくて頼みやすかったからです(笑)。テレビ電話を実施したのは、けっきょく私がお話できることは外から見たことだけ、という思いがあったからです。実際に私はゲームを作って徹夜をしたことはないので、ゲームの制作現場がよくわからない。私は働いたことがないので、リアリティーがないんですね。実際の開発現場にいる方は、徹夜が続いたりしてたいへんなわけですが、好きだから続けられるということがある。開発者の皆さんは、自分がヒット作を作ったメンバーのひとりとしての誇りを持っている。そういうことを彼ら自身の口から語ってもらったほうが、学生さんには伝わるのではないか……ということで、コーエーさんにお願いしたんです。
西岡 リアルな現場の話しが聞けてよかったです。学生たちがゲーム業界のエグゼクティブに接することができて、貴重な機会でした。
特別企画・連載
地球の運命を賭けた最終決戦が開幕する!『マスエフェクト3』!第4回更新
RPG要素とTPSが融合した高いゲーム性、宇宙を股にかける壮大なストーリーで人気の『マスエフェクト』シリーズ最新作が3月15日に発売される。ここでは、動画、マンガ、企画記事という3つの手法で、本作の魅力を余すことなくお伝えしていく!
フレッツ光で『モンスターハンター フロンティア オンライン』をプレイしよう!!
現在、NTT東日本・NTT西日本の“フレッツ光”と『MHF』による“フレッツ光 モンスターハンター フロンティア キャンペーン”を実施中。フレッツ光を利用して『MHF』をプレイすることで、光刀(太刀)を始めとする特典の数々が手に入るぞ!
流される血のみが、歴史を塗りかえる!『ドラゴンエイジ‐ブラッドメイジの聖戦‐』
全世界で累計600万以上のセールスを誇る人気ファンタジーRPG『Dragon Age(ドラゴンエイジ)』シリーズが完全映画化! 日米合作によるフルCGアニメとして、『ドラゴンエイジ‐ブラッドメイジの聖戦‐』が2012年2月11日より全国ロードショー公開される。未曾有のファンタジー世界の幕が上がる!
地球の運命を賭けた最終決戦が開幕する!『マスエフェクト3』!第3回更新
RPG要素とTPSが融合した高いゲーム性、宇宙を股にかける壮大なストーリーで人気の『マスエフェクト』シリーズ最新作が3月15日に発売される。ここでは、動画、マンガ、企画記事という3つの手法で、本作の魅力を余すことなくお伝えしていく!
死なない男と金髪美女の明日の行方は!?『ネバーデッド』!
魔王との戦いに敗れ、不死身の身体になってしまった男ブライスの悪魔との戦いを描くアクションゲーム『ネバーデッド』。ここでは、ブライスと彼を取り巻くキャラクター、不死身ならではのユニークなアクションの数々、そして、最大4人で楽しめるマルチプレイの特徴を紹介する。
難民はやがて英雄となり栄光をつかむ! 『ドラゴンエイジII』!第2回更新
全世界累計320万本以上の出荷本数を記録した、大作ファンタジーRPGの続編『Dragon AgeII(ドラゴンエイジII)』が、いよいよ日本でも発売される。難民から英雄となった主人公“ホーク”の壮大な一代記を、どのように描くかはプレイヤーの選択次第だ。
地球の運命を賭けた最終決戦が開幕する!『マスエフェクト3』! 第2回更新
RPG要素とTPSが融合した高いゲーム性、宇宙を股にかける壮大なストーリーで人気の『マスエフェクト』シリーズ最新作が3月15日に発売される。ここでは、動画、マンガ、企画記事という3つの手法で、本作の魅力を余すことなくお伝えしていく!
地球の運命を賭けた最終決戦が開幕する!『マスエフェクト3』!
RPG要素とTPSが融合した高いゲーム性、宇宙を股にかける壮大なストーリーで人気の『マスエフェクト』シリーズ最新作が3月15日に発売される。ここでは、動画、マンガ、企画記事という3つの手法で、本作の魅力を余すことなくお伝えしていく!
傭兵となって巨人族に立ち向かえ!『ラグナロク オデッセイ』!
PCのオンラインRPG『ラグナロクオンライン』をベースにスピンアウトされた3Dアクションゲーム『ラグナロク オデッセイ』。巨人族との戦いが描かれる本作の魅力をお届け!
扱う情報はR★だけ! ロックスター・ゲームス情報局をオープン
『グランド・セフト・オート』シリーズや『レッド・デッド・リデンプション』などで知られるロックスター・ゲームス情報だけを総合的に取り扱うサイト、ロックスター・ゲームス情報局がオープン。全面協力により、最新情報からその偉大なヒストリーまで全紹介!
この記事の個別URL
ソーシャルブックマーク |
評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー) |
| ※ ブログ・レビューの投稿はこちら!(ブログの使い方) | |
その他のニュース
ニコニコチャンネル内の“アスラズ ラース チャンネル”にて実施されていた『アスラズ ラース』CMナレーションコンテスト(詳しくは→【【http://www.famitsu.com/news/201111/28006102.html:こちら】】)の結果が発表! 優秀賞として選ばれた以下の5作品は、2012年2月19日〜23日の期間中、CS放送 アニメ専門番組アニマックスにて放映される。
Androidに呪いが感染……『ナナシ ノ 或プリ』配信開始
スクウェア・エニックスからAndroid向けホラーアドベンチャーゲーム『ナナシ ノ 或プリ』の配信が開始された。
星の子とともにケガレと戦え! 『コンセプション 俺の子供を産んでくれ!』の最新情報が公開
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』のプロデューサー・寺澤善徳氏と、同作アシスタントプロデューサー・齋藤祐一郎氏がタッグを組んで制作中のRPG『コンセプション 俺の子供を産んでくれ!』の最新情報が到着!
『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』、公式タッグのプロローグを紹介!
2012年3月8日発売予定の格闘ゲーム『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』に関して、公式タッグを組む6組12名のキャラクターに関するプロローグが公開された。
かわいい動物たちとゆっくり遊べるマッチ3ゲーム『ジャングルパズル』
PLUSは、iPhone向けに『ジャングルパズル』の配信を開始した。価格は無料。
スクエニプロデューサー安藤武博氏のブログ“スマゲ★革命”第八回 「iPhoneとAndroid」
“スマゲ★革命”が更新! スマホアプリ、iPhoneとAndroidどっちで作る?
“春獄節”へ駒を進めるのは誰だ!? 『スパIV AE』タイトー猛者杯リポート
2012年2月12日、“タイトーステーション 新宿南口ゲームワールド店”において、『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012』の大会“タイトー猛者杯”の店舗予選最終戦、および決勝大会が開催された
発売スケジュール
- 3DS
- ニンテンドー3DS
- PS2
- プレイステーション3
- Wii
- Wii(ウィー)
- DS
- ニンテンドーDS
- PSP
- プレイステーション・ポータブル
- X360
- Xbox 360
- PS2
- プレイステーション2











