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がんばる女性たちに捧げる『金色のコルダ3』最速プレイリポート

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●ネタバレはほとんどないのでご安心!

 

 コーエーから2010年2月25日に発売予定のPSP(プレイステーション・ポータブル)、プレイステーション2用ソフト『金色のコルダ3』をいち早くプレイする機会を得たので、そのリポートをお届けしたい。発売までまだ間があるうえ、ネタバレを避ける意味でも現段階でお伝えできないことは多いが、それらについては今後明らかにされていく情報に期待してほしい。また、プレイしたのは開発中のバージョン。製品版では内容が変更となる場合があることをご了承願いたい。

 

 『金色のコルダ3』は、コーエーの女性向け恋愛ゲーム、ネオロマンスシリーズの中核を担う『金色のコルダ』シリーズ最新作。ネオロマンスシリーズでは、宇宙を司る女王を目指す『アンジェリーク』と、そこから派生した『ネオアンジェリーク』、異世界が舞台の和風ファンタジー『遙かなる時空の中で』、そして、この『金色のコルダ』の4シリーズが展開されているが、『金色のコルダ』シリーズのみが現代の日本を舞台にしている。誰でもすんなり入っていける、なじみ深い世界と言える。

 

 シリーズを通じて、横浜の星奏学院という高等学校が舞台で、主人公の女性となって、音楽コンクールを目指してヴァイオリンの腕を磨いていくこととなる。最新作の『3』では、これまでのシリーズ作品からキャラクターを一新。新たな主人公、小日向かなで(主人公名は変更可能)が音楽を通じて魅力的なキャラクターたちと出会っていく。

 

  『金色のコルダ』シリーズでは“音楽”が重要なポジションを占めているが、それは『3』でも同様。才能を持ちながら伸び悩む小日向かなでは、ある手紙をもらったことをきっかけに、星奏学院に転入して、オーケストラ部に入部し、全国学生音楽コンクールのアンサンブル部門での優勝を目指すことになる。最終目標となるファイナルをにらみつつ、学院内でのメンバー選抜、地方大会、セミファイナルといった大会をこなしていくことになる。各大会では、リズムアクションの要領で指定されたボタンをタイミングよく押していく操作により楽器の演奏が再現されるが、その前段階として、日々の練習で演奏技術やアンサンブルとしての曲の完成度などを高めていかなければならない。それらのパラメーターをアップさせるために練習することになるが、それと同時に練習が演奏仲間やライバルとのコミュニケーションにもなることが特徴だ。ともに練習したり、目の前で練習することで親密度が高くなり、一定の親密度になるとイベントが発生。そのキャラクターとの関係が深まっていく。もちろん、イベント発生中の選択肢により、親密度が上がったり、上がらなかったりといったことはあるが、基本的には演奏の練習をした分だけ、キャラクターとの関係も進展する。要は、音楽と恋を天秤にかけるのではなく、音楽への努力が恋を実らせる仕組みなのだ。こうした仕組みが、仕事や勉強などにがんばる女性に支持されるゆえんなのかもしれない。
 

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▲親密度が上がると左のようなエフェクトが発生する。


 前置きが長くなったが、プレイした順にその模様をお伝えしたい。ゲームをスタートさせるとオープニングが流れるが、ここでは主人公が星奏学院に転入するまでのいきさつが語られる。ストーリーの核心に触れる部分につき多くは語らないが、小日向かなでは、子供の頃に賞を取ったこともある才能あふれるヴァイオリニストだが、伸び悩みを感じていた。あるコンサートを終えたあと、1通の手紙を受け取ったことがきっかけで、故郷を離れて星奏学院に2年生の夏から転入することになる。かなでとともに幼なじみの如月響也も転入する。物語はかなでが星奏学院に転入した2011年7月13日からスタートする。
 

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▲幼なじみの如月響也。かなでと同じ2年生でパートもヴァイオリン。

 

 響也との会話がメインとなるイベントが進んだのち、ふたりはふとしたことからオーケストラ部(通称:オケ部)に立ち寄り、響也の1歳年上の兄で、かなでの幼なじみでもある如月律に再会する。ふたりに先立って星奏学院に入っていた律は、オーケストラ部の部長になっていたのだ。ちなみに、この律の登場シーンが演出的におもしろく、筆者は思わず噴き出してしまった。ぜひ発売後に確認してほしい。律は、ある決意を胸に、全国学生音楽コンクールでの優勝を目指しているのだが、このコンクールというのが難関で、全国数百もの団体が参加し、仙台の古豪、至誠館や、海外留学生を多く抱える関芸大付属、“九州の女帝”との異名を持つサンセシル、昨年のヴァイオリンソロ優勝者、東金千秋を擁する神戸の神南などのライバルがひしめいている。その大きな目標に向けたメンバー選抜の場で、かなではヴァイオリンの腕を披露。才能の片鱗を見せることで、2ndヴァイオリンのポジションに推薦する声も上がるが、部長の律に「だめだ」と一蹴される。

 

 このセリフは、律のクールな外見も影響して、ここでは冷たい言葉とも受け取れる。しかし、のちに律との関係が深まることで、彼の内面が見えてくる。『金色のコルダ3』のキャラクターはいずれも個性的で、一見すると軽薄そうだったり、恐そうに見えたりする人物もいるが、関係が深まることでその人間性に触れることができる。転入初日に知り合うことになる、1年生部員でチェロ担当の水嶋悠人にしても、始めはかなでと響也に反感を持っているような態度を取るが、彼のイベントを進めることで互いの距離が近づくことがあるかもしれない。逆に、初対面からかなでに好意的なオケ部副部長の榊大地は軽薄そうに見えるかもしれない。しかし、第1印象で食わず嫌いにならず、長い目で見守ってあげることをおすすめしたい。クール、軽薄そう、生意気そうといった個性の裏には、それぞれが背負った背景が存在し、それが関係を深めることで立ち上がってくる。単に多彩な個性を持ったキャラクターが多く登場するということではなく、それぞれが多面的に造形されていることが各人物の大きな魅力となっているのだ。それをプレイヤー自らの手で掘り起こしていく喜びは、恋愛シミュレーションという言葉以上のものがあるように思われる。なお、キャラクターに関しては、ファミ通.comで数週間に渡ってみっちり特集を組む予定なので、楽しみにしてほしい。
 

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▲弟の響也が感情を表に出すタイプなのに対して、兄の律はクール。


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▲かなでにとても好意的な榊大地。軽薄そうに見えるが……。


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▲先輩に対してもはばかることなく物を言う水嶋悠人はチェロを担当。


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▲転入すると同時に学生寮に入寮したかなでは、不思議な雰囲気の少女、ニアと出会う。


 ところで、水嶋悠人との初対面の場面で、悠人が「…そこの人、廊下で大声で騒がないでください 曲想が消えてしまいます」と、かなでたちに注意する。『金色のコルダ』シリーズのファンには怒られてしまいそうだが、筆者は寡聞にして“曲想”という言葉を知らなかった。しかし、セリフが出ている最中に□ボタンを押すだけで、こうしたオーケストラの専門用語やゲーム内用語が解説され、とても助けになった。用語説明はいまや当たり前の機能のように思われるかもしれないが、これがじつに丁寧に作られており、これまであまりクラシック音楽に触れることのなかったユーザーにとっての敷居を低くしている。『金色のコルダ』シリーズは、室内楽のアンサンブルという専門性の高い分野を題材にしている。それだけに、筆者のような人にとってはこれまで知らなかったけれども、奥の深い世界に触れることができておもしろいのだが、ともすれば、それが敷居の高さにつながりかねない。その意味で、こうした用語説明は重要だ。
 

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 もうひとつ、ついでに言えば、『金色のコルダ3』はPSPとプレイステーション2の両方で発売される。筆者は今回、PSP版をプレイしたが、たとえPSPを持ち出して屋外で楽しむような場合でも、カナル型などのできるだけ高性能なヘッドフォンを使用して音声を聞くことをおすすめしたい。電車内などで携帯ゲーム機をプレイする場合には、音声をオフにする人も多いかもしれないが、音楽を聴かなければ、『金色のコルダ3』を充分に楽しんだとは言えないはずだから。

 

 話がそれたが、かなでは7月20日に再度行われる校内選抜に向けてアンサンブルを組むことになる。この場合は、指定された曲を練習することになるが、通常は楽器店で楽譜を購入した曲の中から大会で演奏する曲を選択する。曲には完成度というパラメーターがあり、3人以上で組んだアンサンブルがどの程度、その曲を弾きこなしているかを表す。この完成度は、アンサンブル練習により高めることができ、大会の結果に大きく作用する。練習はアンサンブルのメンバー全員で行う“アンサンブル練習”のほか、曲の習熟度や演奏Lvを上げやすい“1人練習”、練習相手との親密度を上げやすい“2人練習”が選択できる。曲の習熟度を上げると、アンサンブル練習で曲の完成度が上がりやすくなる。また、曲にはそれぞれ、相性のいい“表現”が存在する。“表現”には“切なく”や“決然と”、“静かに”といったものが存在するが、曲と相性のいい“表現”を選択すると、曲の完成度の上限が10アップする(通常の上限は100)。“表現”は“2人練習”で入手できることがあり、練習相手により異なる“表現”が手に入る。さらに、各曲には演奏するのに必要な演奏Lvが設定されており、ゲームが進むにつれ、大会で要求される曲の演奏Lvは高くなり、基本的には大会ごとにより難度が高い新たな曲を練習し直さなくてはならない。
 

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 細かい話になったが、要は曲の完成度を高めるためには、3種類の練習方法を満遍なく行ったほうがいいということ。ただし、先に1人練習を多めに行い、ある程度曲の習熟度を高めてからアンサンブル練習に取り組んだほうがいいようだ。筆者は最初、この仕組みがよく理解できなくて、いきなりアンサンブル練習を多用したところ、あるキャラクターに習熟度を上げないとダメなことを注意されてしまった。こうした部分も親切にできている。

 

 また、楽譜を買うにはBP(ブラボーポイント)というポイントが必要となる。BPは、練習したときに周囲にいるキャラクターからもらうことができ、いい演奏をしたときほど多くのBPが与えられる。逆に、完成度の低い曲を練習した場合、周囲のキャラクターが曲の途中で立ち去り、BPがまったくもらえないこともある。完成度が高い場合は、始めは周囲にいなかったキャラクターがいつの間にか近くに集まって来たりすることもある。周囲のキャラクターは、恋愛対象となるメインキャラクターでも、そのほかのキャラクターでもかまわない。いずれの場合でも近くで練習を聴かせることで親密度がアップすることがある。メインキャラクターの場合は親密度がアップすることにより、新たなイベントが発生するようになるが、それ以外のキャラクターの場合は、主人公のファンになり、プレゼントをくれるようになる。
 

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▲楽器店では楽譜のほか、練習効果がアップするアイテムも販売されている。可能な限り買っておきたい。


 こうして、通常は練習により曲の完成度を高めつつ、各キャラクターのイベントを発生させていくわけだが、決められた日には大会に参加することになる。この大会が、『金色のコルダ3』のひとつの見どころで、ゲームの区切りとなっている。最初の大会は、7月20日のメンバー選抜。先に述べたように、大会はライバルのアンサンブルとの対決となる。リズムアクションの要領で指定されたボタンを押していくのだが、うまくボタンを押していくと、ライバルを感動させることができる。これに成功すれば、大会終了後、感動したライバルが恋愛対象となる。また、充分に練習を積んだ状態で大会に臨むと、“マエストロフィールド”を発生させることもできる。“マエストロフィールド”とは、優れた演奏が聴く者に曲のイメージを視覚的に見せる映像のことで、発生させるとアニメーションシーンとなる。これがじつにかっこいいだけでなく、ライバルとの対決が有利に働くのだ。曲ごとに“マエストロフィールド”が使えるキャラクターが決まっており、選んだ曲によって異なるキャラクターの見せ場を堪能できるので、同じ大会に別の曲で挑んでみたくなる。

 

 メンバー選抜の翌日となる7月21日には、全国学生音楽コンクールの東日本大会の説明会が行われ、8月1日、2日の両日に神奈川県の地区大会が開催されることが知らされる。地区大会では課題曲と自由曲を演奏することになるが、これを10日足らずで仕上げなければならない。一方、アンサンブルのメンバーと恋愛対象も一気に増加し、忙しい日々を送ることとなる。さらに、地区大会が終了した翌々日の8月4日にはセミファイナルの説明会が開催。10日後から行われるセミファイナルでは昨年のヴァイオリンソロ優勝者、東金千秋を擁する神南が登場することがわかるが、かなでは偶然、東金たちの華やかな演奏を目撃し、感動してしまう。そして、その東金に演奏に“花”がないことを指摘され、その課題を克服するためにさらなる練習を重ねることになる。
 

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▲7月21日の説明会の場所は横浜みなとみらいホール。何と、小日向かなでは寝坊して、説明会に遅刻してしまうが、新たなキャラクターと出会う。


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▲かなでを“地味子”と呼ぶ東金(左)。そう言うだけあって、彼らの演奏は華麗だ。


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▲今後、かなでに必要なものとは?

 

 こうして『金色のコルダ3』の物語は全国学生音楽コンクールのファイナルに向けて続いていく。コンサートを突破するごとに、つぎの目標が示されるとともに、恋愛対象となるキャラクターが増えていく。このプレイリポートではキャラクターごとのイベントにはいっさい触れなかったが、それは発売後にぜひ、自身で体験してほしい。

 

 記事のタイトルには“がんばる女性たちに捧げる”と書いたが、すべての女性はもちろんのこと、男性のゲームユーザーにもぜひ触れてほしい。だまされたと思って遊んでみれば、そのゲームとしての完成度の高さがわかるはず。筆者のように女性ユーザーがうらやましくなるに違いない。 (Text by たぐちん)

 

※『金色のコルダ3』の公式サイトはこちら
 

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