HOME> ゲーム> ゲーム性のクオリティーアップが世界への没入感をより高める『アサシン クリードII』インプレッション
●アクションをこなし、中世のアサシンとシンクロしていくことで、その謎が明らかになっていく
『アサシン
クリード II』は中世を舞台に、暗殺者集団の一員となり大きな陰謀に立ち向かっていくアクションゲーム。練りこまれたステルスアクションと、謎解き要素溢れるストーリー展開が特徴だ。前作『アサシン
クリード』からひとまわりスケールアップした本作を、ファミ通Xbox 360を中心にレビューや攻略記事を担当してきた古株ライター、石井ぜんじがインプレッションする。
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▲主人公のエツィオは、中世イタリアで過ごしていた若者だ。数奇な運命に巻き込まれつつも、暗殺者としての腕を磨いて陰謀に立ち向かう。 |
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●誰もが楽しめる親切設計のアクションへと進化
前作の『アサシン
クリード』は、中世の町並みのすぐれた再現度と、自在に建物に上り、走り回ることのできるアクションの楽しさが特徴であった。だがその一方でゲーム部分への練りこみが甘く、単調になりがちだったことも否定できない。しかしシリーズの2作目となる本作では、前作の魅力を活かしながら、前作で物足りなかった部分をことごとくカバーし、発展させている。ユーザーの声を反映し、正統に進化させているのは見事だ。
それでは本作がどのように進化しているか、いくつか要素を抜き出して紹介していこう。
●メモリー形式で、ストーリーをスムーズに進行させる
本作は単純に敵を暗殺し、逃げるだけのアクションではない。主人公であるエツィオの運命をたどりながらシナリオは進んでいく。
ゲームの序盤では、必要なアクションやゲームのルールを、メモリーと呼ばれる形式で学習することになる。メモリーとは短いクエスト、ミッションのような形式と思ってよい。すぐれているのは、これらの要素を“いかにもチュートリアル”といった感じで覚えさせられるのではない、というところだ。シナリオ進行に従い、メモリーをクリアーする形で自然にマスターすることができる。
スタートした段階では、エツィオは血気盛んな若者でしかない。アサシンとなるまでには、さまざまな難題が主人公に降りかかることになる。暗殺するだけでなく、逃げることも必要だし、仲間を守る必要に迫られることもある。建物に忍び込み、情報やアイテムを得るのも大事な使命だ。主人公の運命の起伏そのものが、アクションを単調と感じさせない要因となっている。
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▲メモリーで求められる要求は、暗殺とは限らない。手紙を届けたり、恋人に会いに行くなどの行動もある。バラエティー豊かな行動を楽しめるのだ。 |
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●しっかり調整された戦闘と暗殺ミッション
主人公はアサシンなので、もちろん戦闘や暗殺をしなければならないこともある。本作では戦闘に使える武器、アクションが増えたため、多彩な戦いが可能となった。秀逸なのが、壁に上って敵に近づき、ジャンプで襲いかかって襲撃する暗殺術だ。これらの技を駆使すれば、めんどうな敵を一気に倒すことができる。また仲間を雇うことにより、複数入り乱れた乱戦の中で戦うシーンも加えられている。
戦闘はそれほど難しくなく、アクションゲームの得意な人ならある程度強引に戦っても敵を倒すことができる。だがそれでは時間がかかり、悪評が街に広まりやすい。余計な戦闘を避け、戦うべきところは暗殺術や仲間をうまく使っていく。そうすればより楽に、華麗に倒すことが可能なのだ。
つまり本作では、テクニックやギミックが戦闘にちゃんと役立ってくれる。これは当り前のことなのだが、アクションゲームにおいて“用意されたものがちゃんと役立つ”ように調整するのはそれほど簡単ではない。本作ではそのバランス調整がしっかり行われているのがすぐれたところだ。アクションが苦手な人でも、システムを利用すれば無難にストーリーを進めていけるだろう。
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▲住人にまぎれて近づき、暗殺する。娼婦で衛兵の気をそらせたり、仲間を雇うことも可能。さまざまなシステムが、しっかりとプレイヤーをフォローする。 |
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●探索要素、都市計画への参加などイベントは盛りだくさん
ミッション形式で進むシナリオ進行とは別に、探索要素も豊富に用意されている。羽根や宝箱、写本の断片、謎の紋章といったところがそれにあたる。これらの収集物は、建造物が立ち並ぶ、広大なマップの中に潜んでいる。集めやすさ、集める数、収集によって発揮される効果などはそれぞれ異なる。
またシナリオが進んでいけば、都市計画(改築)に参加することができる。そこでは収入を得たり、割引でアイテムを買ったりすることが可能。探索する街そのものを発展させていく楽しみもあるのだ。本筋から離れて、街を探索して収集物を捜すだけでも楽しい。そんな箱庭的なゲームが持つすぐれた部分を、本作は引き出しているといえる。
●ゲームの完成度の高さが生み出す、ぜいたくな悩み
このように本作はあらゆる工夫が加えられ、遊ぶ人間にいろいろな角度から愉しみを提供することができる。単なるステルスアクションではなく、中世の都市を舞台にした、箱庭系の大作ゲームとして仕上がっているのである。丁寧にアクションを教え、シナリオに誘導してくれるので、とまどうことはほとんどない。
本作は銃弾飛びかう激しいFPS(一人称視点シューティング)などに比べれば、アクションの密度がやや薄い。また丁寧に教えてくれるだけに、設定された枠の中で遊ばされているという感覚がないわけではない。自力で打開するというより、解決策はあらかじめプレイヤーの前に用意されている、といった印象もある。
だがそのぶん、アクションが苦手な人でも楽しめ、すんなりゲームに入っていくことができる。さまざまな要素の追加により、敵との戦闘だけでなく、より複雑な楽しみを得ることが可能だ。
このゲーム的なアレンジを長所と受け取るか、それとも短所と感じるかはプレイヤーの感性次第だろう。どちらがいいというように、結論が出せるたぐいのものではないと思う。確かに序盤はチュートリアル要素が強いため、物足りなく感じることもある。だが主人公が成長し、武器が強化されればアクションの幅が増えてくる。時間をかけてやりこめる要素は、十分に含んでいると思う。
前作が物足りなかった人も、シリーズ未体験の人も、完成度が増した『アサシン
クリードII』をぜひプレイしてほしい。そうすれば時代の最前線を走るゲームが、どれほどの域に到達しているか、ということがわかるだろう。
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▲親切設計なだけに、荒削りなゲームが好きなゲーマーには物足りないと思わせる部分も。しかし先に進むほど、歯ごたえのあるアクションが増えてくる。 |
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Text by 石井ぜんじ |
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筆者紹介 石井ぜんじ |
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『アサシン
クリード II』
■機種:プレイステーション3、Xbox 360
■発売元:ユービーアイソフト
■発売日:2009年12月3日発売
■価格:7329円[税込]
■テイスト:暗殺
■ジャンル:アクション
■プレイ人数:1人
■CERO:18歳以上のみ対象
※『アサシン
クリードII』の公式サイトはこちら
※ファミ通.comの特設サイトはこちら
(上記サイトの閲覧はいずれも18歳以上のみです)
[石井ぜんじの過去のレビュー記事]
※時間という禁断のテーマに挑んだ本格派ノベルゲーム『シュタインズ・ゲート』インプレッション
※じっくりと余韻を楽しみたい大人のギャルゲー『ドリームクラブ』インプレッション
※プレイヤーの腕がしっかり反映される『バイオニック コマンドー』インプレッション
※戦略性がほどよくアクションに融け込んだ絶妙のバランス『真・三國無双5
Empires』インプレッション
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