笑顔と涙のタイトー接客コンテスト開催
●スタッフが客を呼ぶアミューズメント施設を目指す異色のコンテスト
2009年10月14日、タイトーが“第3回接客スタァ誕生!!コンテスト”を開催した。これは同社のアミューズメント施設のスタッフが接客術を競うコンテスト。約2000人の頂点に立ったのは、タイトーステーション秋葉原から出場したふたりだった。
“接客スタァ誕生!!コンテスト”は、2007年から行われており、今回で3回目。店舗の代表者2名を決める1次予選(2009年8月4日〜2009年8月20日)、営業ブロックの代表を選出する2次予選(2009年8月21日〜2009年9月24日)を勝ち抜いた9組18人のスタッフが本戦に駒を進めた。
コンテストで問われるのは、身だしなみや基本姿勢、言葉使い、笑顔といったタイトーの基準を満たしているかということに加え、来店者といい関係が作れるか。さらに、プロのスタッフとしての知識も重要な選考基準となる。なお、審査員を務めたのは、代表取締役社長の和田洋一氏、執行役員オペレーション事業本部長の菊地保氏、同じく執行役員オペレーション事業本部長の石井光一氏、マナー講師の西出博子氏、ミリアルリゾートホテルズの嵩下千秋氏の5人。菊地氏は開会の挨拶として、「我々は何を売っているのでしょうか? 物を売っていると思っている人がまだいますが、安全や安心をベースにした笑顔やサービスを売っているのです。このコンテストの開催が全国約2000人のスタッフへの刺激になっています。今日は緊張しないで、いつもお店でやっていることを出してください」と語った。
菊地保氏 |
ステージには“UFOキャッチャー”スタイルのプライズゲームと、カジノにあるようなメダルゲームの筐体がそれぞれ2台ずつ設置され、実際のアミューズメント施設の小型版が作られ、そこに現れる来店者にどのように接するかが競われた。時間はひとり4分。シチュエーションはすべて異なり、たとえば、プライズゲームの操作方法がわからない来店者(に扮したスタッフ)や、付属物が欠品していたプライズゲームの景品の交換を求める来店者、プレイ料金が100円の筐体に50円玉2枚を入れようとする来店者、ひどいのになると、筐体を叩く人まで現れた。
出場者は、これらのさまざまな来店者に驚くべき的確さで対応していた。たとえば、操作に不慣れな人にはプレイ料金無料の体験プレイをさせて操作に慣れてもらい、しかも景品を取りやすい位置に置き直してあげていた。筐体を叩く人には当然、止めてもらうようにお願いするわけだが、その際に、店の都合で説明するのではなく、「お客様が危ないので」という言い方で注意を促していた。カップルで来店した場合には、男性を立てて「お上手ですね」などと言うと、来店者とコミュニケーションが取りやすいそうだ。多くの出場者がプライズゲームのサービスとして、商品を取りやすい位置に置き直していたが、記者はこのようなサービスが受けられること自体、寡聞にして知らなかったので、正直、驚いたし、手練手管と言うと言葉が悪いが、その接客スキルの高さに感嘆させられた。
印象に残ったのは出場者の笑顔。にっこり微笑んで朗らかな言葉で話しかけられると、気分よく楽しめる気がする。プライズゲームでいったんアームがつかんだ景品が落ちれば来店者といっしょになって「あー、惜しい!!」と残念がり、うまく景品がゲットできれば「やりましたね! おめでとうございます!!」と喜ぶ姿も目についた。本戦に残った出場者は、接客スキルとともに、来店者に喜んでもらおうとする心も持ち合わせているようだった。
また、応援に駆けつけた店舗のスタッフの印象的だった。手作りの応援ポップを掲げ、たとえば上越の店舗なら直江兼続、長崎だったら龍踊り、秋葉原はメイド服といった、地方色を出した衣装に身を包んで、仲間の晴れ舞台に華を添えていた。それを見て、涙ぐんでしまった出場者もいたほどだ。
コンテストの結果は和田洋一氏から発表。審査員特別賞に選ばれたのは、タイトーステーション マリノアの上野聡子さんで、「出場するのは今回が3回目ですが、1回目、2回目にできなかったことがたくさんありました。今回は、お店のスタッフとお客様に応援していただいて、ここまでたどり着きました」とコメントしていた。その店舗に足を運んだ菊地氏は、「今回出した実力をお店でも発揮していることがわかりました」と評価。その菊地氏に、今後の方向性を問われた上野さんは「大切な人と来たときにハッピーになれるような店舗にしていきたい」と語った。
優勝に輝いたのは、タイトーステーション秋葉原の坂本智子さんと、渡辺大介さん。和田氏の口から優勝チームが告げられると、坂本さんは号泣。昨年も出場はしたものの悔し涙にくれたそうだが、今回はそれがうれし涙になった。渡辺さんは「心臓に悪いです」と、とにかく驚いたとのことだった。
ステージに上がるまえにお辞儀をしない出場者を厳しい口調でとがめた、辛口のマナー講師、西出博子氏も「3年連続でお邪魔して、みなさんがレベルアップしていることがわかりました」と、笑顔で評価。接客の基本は、来店者と自分をともにハッピーにしたい気持ちだとして、「心があるから、それを言葉と行動に表せます」と述べた。
総評として、和田洋一氏は以下のように語り、コンテストを締めくくった。
「私たちの店舗運営の価値とは何でしょうか? 要するに、お客様がアミューズメント施設に何をしに来るのかというと、人に会いに来るのだと思います。これまでは機械に頼りすぎでした。だから、いま、アミューズメント業界全体がつけを払っています。しかし、もういちど、来たい、会いたいという店舗運営が徹底的にできれば、もっともっとお客様は来てくれるはずです。優勝した秋葉原には、たとえ明日地球が滅亡するとしても来てくれる。みなさんががんばって、店が個性を出せられれば、ロケーションなどは関係なく売上は伸びていくと思います。また来年に向けてともに研鑽していきましょう」(和田氏)
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