HOME> ゲーム> これまでにない新しいタイプのアドベンチャー『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』
●大人向けのシリアスな展開に新たな操作感覚で介入するサイコサスペンス
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンから今冬発売予定のプレイステーション3用ソフト『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』。このアドベンチャーゲームが、2009年9月24日〜2009年9月27日に開催される東京ゲームショウ2009に出展されるが、そこで体験できる内容を事前にキャッチした。開発元であるQuantic Dreamの代表を務めるギヨーム・ド・フォンドミエール氏のプレゼンテーションにより判明した同ソフトの情報と合わせてお届けする。
『HEAVY
RAIN -心の軋むとき-』は、死体の傍らに折り紙が置かれる“折り紙殺人”と呼ばれる連続殺人事件を、複数の主人公の視点で描くサイコサスペンス。主人公とは、“折り紙殺人鬼”に息子を誘拐されるイーサン・マーズ、イーサンに近づく駆け出し新聞記者マディソン・ペイジ、被害者家族の依頼で事件を追う私立探偵のスコット・シェルビー、事件解決のために派遣されるFBI捜査官のノーマン・ジェイデンの4人だ。東京ゲームショウ2009では、シェルビーとジェイデンのエピソードのひとつが体験できる。だが、その内容をお伝えするまえに、イーサンのエピソードを通じて、『HEAVY
RAIN -心の軋むとき-』の特徴に迫りたい。
イーサンの物語については、公式サイトのプロモーションムービーでいくつかの場面が公開されているが、その映像では“LOVE(愛)”、“GUILTY(罪)”、“REDEMPTION(救済)”というキーワードが示される。イーサンという人物の設定は、この3つの言葉に象徴されるようだ。なお、プロモーションムービーはゲームのプレイから取ったリアルタイムムービーで、プリレンダリングのいわゆる“ムービー”ではない。そのハイクオリティーな映像にプレイヤーが自由に介入していくことで、その結果がストーリーに反映されるわけだ。
かつてイーサンは有名な建築家として活躍しつつ、妻とふたりの息子とともに幸福な家庭生活を営んでいたが、悲劇的な事故によりそれが崩壊してしまう。事故から2年後の現在は、片方の息子とともに暮らしているが、その息子のショーンともうまくいっていない。過去の悲劇的な事故とは具体的に何なのかはここでは触れないが、それがイーサンに罪と息子への愛を強く意識させている。
ゲーム序盤では、イーサンとショーンとの関わりが描かれる。その一部をギヨーム・ド・フォンドミエール氏自らプレゼンテーションしていただいたが、すぐに『HEAVY
RAIN -心の軋むとき-』が新しいタイプのゲームであることに気づかされた。アドベンチャーゲームと聞くと、アニメーションか3Dグラフィックで進行するストーリーのあいだに選択肢が示され、それを選ぶことによってストーリーが分岐するゲームを思い浮かべる。しかし、この『HEAVY
RAIN -心の軋むとき-』は、そうしたアドベンチャーゲームとは少し異なる。
『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』では時間がリアルタイムに進行し、時間の経過とともに何かが発生することがある。その間にプレイヤーはさまざまな行動をとることができるし、何もしなくてもいい。たとえば、息子のショーンがくしゃみをしたとする。そのときに風邪薬を持ってきてあげてもいいし、何もしなくてもかまわない。しかし、何もしないと翌朝、ショーンは風をひくかもしれない。ショーンに宿題をするよう促してもいいし、放任してもいい。しかし、放任すると、ショーンが学校の先生に怒られるかもしれない。このように、とった行動、もしくはとらなかった行動の結果はその後のストーリーに影響を与え、ときには主人公が死に至ることもある。しかし、たとえ主人公が死んでもゲームはそのまま進行する。4人の主人公がすべて死んでしまったらさすがにエンディングを迎えるが、ギヨーム・ド・フォンドミエール氏は、それはゲームオーバーではないと語った。
「ゲームオーバーとは、開発側がプレイヤーに『失敗だからもういちどやりなさい』ということ。『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』では、自分の行動と責任を大切にしていますので、4人のキャラクターが死ぬのは悲しい結末ですが、それもプレイヤーがとってきた行動の果ての“エンディング”のひとつです。もちろん戻ってやり直すことはできますが、最初はそれをやってほしくないですね」(ギヨーム・ド・フォンドミエール氏)
時間の経過とともに発生する事柄に対して働きかけることとともに、そこにある何かに対して働きかけることもできる。庭にあるバスケットボールのゴールで遊ぶこともできるし、洗濯機を回すことも、ビデオを観ることもできる。働きかけた結果がのちに重要な影響を及ぼすものもあれば、それほどでないものもあるが、何かしら意味のあるものに対しては、すべて働きかけることができる。極めて自由度の高いシステムだ。
操作方法も独特で、たとえば冷蔵庫に近づくと、矢印が描かれたアイコンが示される。このときに右スティックで描かれた矢印のとおりの操作を行うと、冷蔵庫のドアが開くといった仕組みになっている。たとえば、瞬時に操作しなければならないケースや、逆にゆっくり操作しなければならないケースもあるが、その場合は右スティックを速く、もしくはゆっくりと操作することになる。各エピソードでシチュエーションや行動が異なるため、○ボタンは“会話”で、□ボタンは“捜す”といった特定のボタンに決まった行動が割り当てられている操作方法とも、ときおり表示される選択肢を選ぶ操作方法とも異なる、新しいタイプのシステムで、新鮮な感覚でプレイできる。また、会話をする際には、対象に近づくと円を描いて回転する選択肢が示されるが、主人公の精神状態により選択肢が明瞭に示されない場合がある。その場合、まともな精神状態では採らないはずの選択をしてしまう可能性が高くなるわけだ。
ストーリーに話を戻すと、その後、イーサンの息子、ショーンは行方不明になる。“折り紙殺人鬼”に誘拐されたらしく、イーサンに許された時間はたった4日しかない。その期間内に息子を取り戻すことができるのかが、イーサンの物語の焦点となる。このようなシリアスな物語展開について、ギヨーム・ド・フォンドミエール氏はこのゲームが大人向けであると明言した。大人向けであることは、ターゲットを狭めているようにも思われるが、ギヨーム・ド・フォンドミエール氏は逆に、シリアスな内容のゲームでターゲットを拡大したいと語った。
「ゲームはまだエンターテイメントのメインストリームになっていません。欧米では30歳を越えるとゲームを遊ばなくなる人が多いですが、みんなゲームは子どものものと思っているのではないでしょうか。『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』は、そのような大人に向けて作っています。いま、みなさんが興味を持っている海外ドラマのように楽しんでいただきたいと思っています」(ギヨーム・ド・フォンドミエール氏)
なお、プレゼンテーションではそのほかの主人公のパートも見せてもらったが、とくにマディソンのパートで、シリアスとは違う意味で大人が楽しめるシーンも盛り込まれている。そうした意味でも楽しめるゲームとなっている。
さて、東京ゲームショウ2009で体験できる場面についてお伝えしたい。スコット・シェルビーは元警官の私立探偵で、ストリートでの調査をいとわないタフさと、思慮深さを併せ持つ男だ。体験できるのは、“折り紙殺人鬼”に子どもを殺された商店主ハッサンにシェルビーが会いに行く場面だ。シェルビーの目的はハッサンから“折り紙殺人鬼”の情報を引き出すこと。当然、ハッサンに話しかけることになるが、ハッサンはつらい思い出を話したくないのか、あまり会話に応じてくれない。しかたなくシェルビーがぜん息の薬を買って帰ろうとすると、そこに強盗が押し入ってくる。この強盗に対して何も働きかけないと、ハッサンは殺されてしまう。店にあるビンを手にして強盗の後ろから襲いかかることもできるし、強盗に銃を突きつけられてホールドアップしながら、強盗への説得を試みてもいい。どちらの場合も行動の過程で失敗する可能性があり、その場合は自分の命が危険にさらされる。成功すれば、ハッサンとの本格的な会話になるというわけだ。
もうひとつの場面は、ノーマン・ジェイデンが主人公となるゲーム終盤のシーン。地元警察と折り合いがつかないジェイデンは、“折り紙殺人鬼”の捜査を独自に進め、あるジャンクヤード(中古車廃棄場)にたどり着く。ここでは、ジェイデンが持つ特殊能力“ARI”が使用できる。“ARI”とは、周囲をスキャンすることで、さまざまな痕跡を発見できる捜査ツール。この場面の舞台となるジャンクヤードでは、タイヤの痕跡や血痕などが発見できる。これらの痕跡をもとにジャンクヤードにいる人物と対峙することになるが、1歩間違うとジェイデンの命が危険にさらされる。かなり緊張感が漂う場面だ。
『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』には、こうしたエピソードが68シーン用意される。各シーンは始めと終わりが物語を逸脱しないような配慮で安定しつつ、中間部分がストーリーの際限ない分岐により大きく膨らむように作られており、「輪ゴムのような作り」(ギヨーム・ド・フォンドミエール氏)になっているという。東京ゲームショウ2009で体験できるのはごく一部に過ぎないが、体験すれば、その完成が待ち遠しくなるに違いない。なお、会場でゲームを体験すると、公式サイトにある期間限定の隠し要素が観られるヒントが記された折り紙がプレゼントされる。
※『HEAVY
RAIN -心の軋むとき-』の公式サイトはこちら
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