HOME> ゲーム> アイドル視点で描かれるシリーズ最新作『アイドルマスター ディアリースターズ』
●初心者向けの敷居の低さに、新たな可能性を盛り込んだ意欲作
新人アイドルたちが、トップアイドルを目指す姿を描くアドベンチャーゲーム『アイドルマスター
ディアリースターズ』。いまなお根強い人気を誇る『アイドルマスター』シリーズの最新作として、ニンテンドーDSで登場する作品だ。同作は、これまでのシリーズとは違い、アイドル自身の視点で物語が展開していく。つまり、アイドル=プレイヤーという、いままでにない構成となっているわけだ。この作品を、『アイドルマスターSP』で初めて『アイドルマスター』という作品に触れ、ドップリとその世界に浸かってしまったフリーライター、世界三大三代川がいち早くプレイ。その印象をアツく語ってもらった。
●プレイ感覚はあくまで『アイマス』
2009年5月30日。その日、筆者は東京のJCBホールにいた。熱心なファンの方なら、日付と場所ですぐにわかるだろう。そこでは、『アイドルマスター』のライブツアー東京公演が行われていた。そのライブの終盤、突如発表されたのが、『アイドルマスター ディアリースターズ』(以下、『アイマスDS』)である。新たなアイドルが登場するだけでなく、876プロという事務所からという、一新された発表に、多くのファンから喜びの声と同時に、驚き、戸惑いの声も漏れていた。2階の取材席にいながら、そのあまりの反響の大きさに非常に驚いたものである。それから3ヵ月半。ついに『アイマスDS』が発売となった。
『アイマスDS』は、ニンテンドーDSで初めて登場する『アイドルマスター』シリーズの作品。従来作は、自身がプロデューサーとなってアイドルを育てる育成シミュレーションだったが、今回はプレイヤー自身がアイドルとなって、トップアイドルを目指すアドベンチャーゲームになっている。選べるアイドルは超有名アイドルの娘である日高愛、ネットアイドルから現実に飛び出してきた水谷絵理、大きな秘密を抱えた秋月涼の3人。ご存じの方も多いかもしれないが、中でも秋月涼は性別を隠し、女の子アイドルとしてデビューする男の子(!)。男性プレイヤーが女性アイドルになりきってプレイする違和感をなくすために用意されたキャラクターだと言うが、実際にプレイしてみると、コミカルな展開の多さに違和感を感じるヒマもなく、自然と物語に入ってしまう。そんな秋月涼のイベントはのちほど説明するとして、まずはゲームの流れを説明しよう。
プレイヤー=アイドルは、月曜日から土曜日の毎日にその日のスケジュールを決め、レッスンか営業、オーディション、休みのいずれかを選択する。日曜日は休日となり、ほかのアイドルのライブ見学や、ファンからのプレゼントの受け取りなどが可能だ。そして、いくつかの営業をこなすとオーディションが開催される。そのオーディションの結果を受けて、つぎのストーリーへと進んでいく。これをくり返し、最終的にトップアイドルを目指すのだが、このオーディション結果によってエンディングが変化するマルチエンディングシステムとなっている。
●初心者向けになったゲーム性
従来のシリーズ作をプレイしている人ならばお気づきかと思うが、ジャンルが変わったわりにゲームの流れはさほど変わっていない。週ベースで決めていたスケジュールが日付になったり、オーディションが物語の区切り的な役目を担っていたりと、細部は変わっているものの、プレイ感覚はいたって従来と同じ『アイドルマスター』だ。では、もっとも変わった部分はどこかと言うと、活動期限である。
本作には一切の活動期限がなく、オーディションを受けるまで、いくらでもレッスンが受けられるのだ。能力上昇値に限界があるため、どれだけレッスンをしてもパラメーターが伸びなくなることはあるが、限界値に近いほどオーディションに合格しやすくなるため、慣れていない人は限界までレッスンをすればほとんど合格できるだろう。ちなみに、本作ではレッスンは3種類になったほか、オーディションは右から流れてくるバー(いわゆる思い出ボム)の中でGOODの位置をタッチするだけという単純なものになっている。これは、どんなユーザーでもプレイを継続すれば必ずエンディングにたどり着けるようにという狙いから作られたシステムであり、事実、オーディションに不合格だったとしても、物語が途切れず進むようになっている。
●初心者もシリーズファンも楽しい営業パート
ゲーム性が従来よりも単純明快になった分、力を入れられたのが、自身がアイドルとなって挑む営業である。従来作の営業は、担当アイドルの性格を考えながら、最適な選択肢を選ぶものだったが、本作では自身の行動を選ぶものが多い。もちろん相手との受け答えで登場する選択肢では相手の性格などを考える必要があるが、たとえば秋月涼の営業の中には、テレビ局でトイレに行きたくなり、どこのトイレに行くかという選択肢や、胸パットの位置を直すべく、下画面に表示される秋月涼をタッチするといった、自身に関わる選択肢が登場する。
そのほか、下画面にアイドルの顔が表示され、タッチする方向へ顔を向けるミニゲームのようなものもあり、ニンテンドーDSの特色を活かした営業が盛り込まれているのも特徴のひとつである。また、3人のアイドルの物語はときおりリンクすることがあり、日高愛でプレイしているときに登場した物語が秋月涼の物語でも登場し、それぞれの視点で物語が語られることになるのだ。これは従来作になかった、まさにアイドルになるシステムだからこそ生まれた楽しみである。
ちなみに、各アイドルの物語には、ときおり765プロのアイドルが登場することがある。本作の物語での765プロアイドルは誰もが知名度を得て、有名になったあとの姿。従来作のアイドルランクで言うとB以上はあると思われる。星井美希にスーパーアイドルといった枕言葉がついたり、如月千早に「あの如月千早!?」という表現がされるのは、とくに古くからシリーズを追いかけているファンの方には非常に感慨深いのではないだろうか。なお、天海春香に“歌がうまい”という形容詞がついたときには、いろいろ複雑な感情がよぎったのはあくまで余談である。閑話休題。
そんな765プロのアイドルとは、たまにレッスン場で出会い、レッスンを見てアドバイスをくれる場合がある。先輩のスーパーアイドルが見ている前でレッスンをうまくこなすと、さらに効果が得られるのだが、無難な結果、つまらない結果になってしまうと、水瀬伊織あたりからは、非常に冷たい言葉を投げかけられるので要注意だ。
●新たな可能性を感じさせるライブシーン
『アイドルマスター』の欠かせない要素と言えば、やはりライブシーンだろう。ニンテンドーDSのグラフィックでは、Xbox
360、PSPと比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまうが、実際に動いているシーンは、想像以上によく動き、ついつい見入ってしまう。また、これまでになかったアイドル後方からの視点では、客席できらめくサイリウムを見ることができる。これは、アイドルになりきるゲームならではの視点だが、ぜひほかのシリーズ作にも入れてほしいと思える演出だ。
そして、ライブパート最大の特徴は、各パートごとに“振付パネル”を使って、自在に振りつけができるところ。たとえば『キラメキラリ』に『shiny
smile』のコケそうなモーションをあてはめるといったこともできるのだが、モーションとモーションをキレイにつなげるのは至難の業。これをうまくつなぎ合わせ、曲ともシンクロさせれば、それこそ動画サイトで高い人気を誇れるかもしれないという代物だ。難度は高いが、ネット中に散らばる猛者には使いこなす上級者も現れるはず。今後のシリーズ作にも導入すれば、また新たな展開が生まれる気配すら感じさせるものだ。
●“PROJECT IM@S 2nd VISION”の第一歩として
ストーリー部分はどうしてもネタバレになってしまうため、システム部分での紹介をメインに書いてきたが、本作の魅力は新人アイドルとしての成長物語。それぞれ未熟ながら可能性を秘めた3人が、周囲のスタッフや765プロの諸先輩方の協力とともに成長していく物語は、ときに感動的で、ときにコミカルで、非常に表情豊かな物語となっている。また、本作のテーマ曲『“HELLO!!”』をはじめ、本作の新曲がどれもすばらしい。ぜひ765プロのアイドルにも歌ってほしい曲に仕上がっている。アドベンチャーにジャンルを変え、敷居を大きく下げた本作は、シリーズ初心者に遊んでもらいたい作品だ。一方で、従来作のファンならば、本作の中で765プロ所属アイドルの成長を感じ、ひいては『アイドルマスター』シリーズの成長すらも感じるかもしれない。そんな『アイマス』シリーズが刻む、新たなる第一歩。シリーズファン、初心者問わず体験すれば、新たな魅力に気づくことは間違いない。……秋月涼の秘密のような魅力ではなく。
text by 世界三大三代川
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著者紹介 |
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週刊ファミ通編集部出身のフリーライター。某動画サイトで『アイマス』を知ってからは、のめり込むいっぽう。本作で好きなキャラクターは、……いろいろ悩んだりもしたけれど、そっちの世界に興味はないけれど、秋月涼。 |
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アイドルマスター ディアリースターズ | |
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対応機種 |
ニンテンドーDS |
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メーカー |
バンダイナムコゲームス |
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発売日 |
発売中 |
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価格 |
6279円[税込] |
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テイスト/ジャンル |
アイドル・育成/アドベンチャー |
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備考 |
ニンテンドーWi-Fiコネクション対応、DSワイヤレスプレイ対応、DSダウンロードプレイ対応、プロデューサー:坂上陽三、ディレクター:梶岡俊彦、Project IM@Sディレクター:石原章弘、キャラクターデザイン:田宮清高(876プロダクション)、窪岡俊之(765プロダクション) |
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