HOME> ゲーム> 第3回 『Halo 3(ヘイロー3):ODST』 ストーリーの完成度はシリーズでも最高のデキ
●「プレイヤーに緊張感を与えたかった」
この秋マイクロソフトから発売される期待のXbox
360用タイトルを手がけるふたつの開発メーカー、『Halo 3(ヘイロー3):ODST』のバンジーと、『フォルツァ
モータースポーツ3』のTurn 10スタジオのプレスツアーに参加した。6回連続でその模様をお届けする。(第3回)
バンジー&Turn 10スタジオ、プレスツアー更新スケジュール |
第1回 『Halo(ヘイロー3):ODST』 シリーズの新機軸となるバンジーの新たな挑戦 |
“プレスツアー”の楽しみのひとつと言えば、開発者のナマの声が聞けること。そんなわけでここでは、『Halo(ヘイロー3):ODST』のデザイン・ディレクター、ポール・バートーン氏と、シネマティックス・ディレクターのCJ・カーワン氏にインタビューを行った。
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▲デザイン・ディレクターを担当したポール・バートーン氏(左)と、シネマティックス・ディレクターのCJ・カーワン氏(右)。ふたりに加えてバンジーに長く務めるジョー・ステイトン氏の3人でクリエイティブチームを構成し、『Halo(ヘイロー3):ODST』開発にあたっては中核を担った。ちなみにステイトン氏は、『Halo(ヘイロー)』三部作のシナリオライティングも担当している。 |
――前作である『Halo
3(ヘイロー3)』との大きな違いは何ですか?
ポール 『Halo 3(ヘイロー3)』と同じ世界観のゲームを作るにあたっては、僕と、CJ、そしてジョーの3人は、「三部作とは違ったテイストのものを作ろう」って決めたんだ。ストーリーに関しては、フィルム・ノワール(犯罪映画)的な乾いた会話を駆使しつつ、輪郭のはっきりしたキャラクター造型を目指した。ことに注力したのは、ムービーだけでストーリーを見せるのではなく、ゲームプレイを織り交ぜて物語を展開させるということ。ムービーとゲームプレイをどううまくブレンドさせるかについては、3人で長い時間をかけて話し合ったよ。ストーリーができる限りうまくゲームプレイの中に入っていき、ゲームプレイがストーリーに反映されるようにしたかったんだ。一例を上げると、ムービーシーンでも一人称視点をより多く使っているし、プレイヤーはムービーシーンのカメラコントロールも可能にしている。インタラクティブ性を高める仕掛けをたくさん盛り込んでいるんだね。
CJ 『Halo(ヘイロー3):ODST』ではプレイヤーがさまざまなキャラクターの視点でプレイすることになるので、ムービーを活用してストーリーを説明する必要があった。そういった意味でも、なるべく一方通行にならないために、ムービーとゲームプレイの融合は必須でもあったんだ。
――主人公にODSTの隊員を起用するアイデアはいつごろから?
ポール 最初から、主人公はマスターチーフでもなく、アービターでもないと決めていたんだ。とはいえ、海兵隊員だとふつうすぎる(笑)。そこで以前からODSTの隊員に注目していたので、「これで行こう!」と決めたんだ。一度ODSTの隊員で行くことを決めてからは、『Halo(ヘイロー)』シリーズの世界で、「マスターチーフではないキャラだとどうなるのか?」といったことを詰めて、時間をかけていろんなプロトタイプを作ったんだ。最初はシンプルに、“早く走れない”、“高く飛べない”といった感じにしていった。カメラの位置が低くなるので、敵がより威圧的に感じられるようになったというのも効果のひとつ。そのあと装備について、レーダー(モーショントラッカー)を使えないようにしようと決めたんだ。とにかくプレイヤーに緊張感を与えたかったんだ。
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▲インタビューに応じてくれた、ポール・バートーン氏(右)とCJ・カーワン氏(左)。 |
――本作の大きな特徴として、操作するキャラクターが変わっていきますが……。
ポール これも早くから決めていたこと。複数のキャラクターの視線を駆使することで、オープンワールドを探索してほしいと思ったんだ。ODSTの隊員を使おういうアイデアを出したのはジョーなんだけど、複数のキャラクターが登場して、“探索する”という要素を考えた場合、フラッシュバッグを使って複数の視点で語るのが有効ではないかと思ったんだ。最初に『Halo
3(ヘイロー3):ODST』では「いままでとは違ったテイストのゲームにしたい」って言ったけど、一方では『Halo(ヘイロー)』シリーズ独特の、緊張感溢れる激しいアクションを失うことがないようにしたかった。複数の視点を採用することで、そういった複数の要素を取り込むことができる。最初の“モンバサ市街”では、ルーキーが街でコヴナントに狙われて、夜ひとりで寂しく探索する感じになるけど、“ONI
アルファ サイト”では、シリーズおなじみのアクション性の高さが堪能できる……といった具合に。プレイヤーは、いろいろなメンバーの視点でゲームを体験することで、ODSTの隊員に何が起こったのかを知ることになるんだ。
CJ 『Halo
3(ヘイロー3):ODST』は壮大なスペースオペラというわけではなく、「ニューモンバサの街でODSTの隊員に何が起こったのか?」を探っていくという、ストーリーライン自体は極めてシンプルなもの。そんな謎の多いストーリーを、キャラのフラッシュバックを通じて解明していくことで、重層的な展開にしたかったんだ。
――マスターチーフに比べて、ODSTの隊員は能力値が落ちるとのことですが、『Halo
3(ヘイロー3)』と比較してエネミーは強くなっていたりするのですか?
ポール そこは変えていないね。『Halo
3(ヘイロー3)』の敵AIはとてもよくできているので、崩したくなかったんだ。AIと戦って“楽しい”と感じるための調整はとてもたいへんだからね。その代わりに、ゲームプレイで緊張感を出すにはどうすればいいかを検討した結果、レーダー(モーショントラッカー)をなくしたんだ。プレイヤーは、自分がどこにいるかわからずに、探索やカバー、背後を確認するといった行動が必要になる。敵AIを見失うということも往々にしてあるので、足跡を追ったり、音に耳を澄ませるといったことも大切になる。ある意味で、ゲームの基本に立ち返ることになるわけだね。ODSTの隊員は、マスターチーフに比べて動きも遅いので、よく考えてから行動しないと相当手こずることになるよ。
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▲モーショントラッカーのない恐怖がゲームプレイをさらに臨場感のあるものにする。 |
――レーダー(モーショントラッカー)をなくすことは最初から決めていたのですか?
ポール まず最初に決めたことだね。ゲームをプレイするときに、プレイヤーはグラフィックだったり音声だったり、画面からいろいろな刺激を受けるわけだけど、モーショントラッカーはそういった情報に注意を払わなくて済むようにさせてしまう。僕にとってこれは、大きな不満点だったんだ。本来ゲームを楽しむべき大切な要素を見ないで、モーショントラッカーばかりを見てゲームを進めることになりかねないわけだからね。『Halo
2(ヘイロー2)』と『Halo 3(ヘイロー3)』で“スカル”を導入したときに、モーショントラッカーをオフにしてプレイするという効果を入れたんだけど、僕はそれがいちばん気に入っていたよ。
CJ モーショントラッカーがなくなることで、より臨場感が高まることは間違いない。モーショントラッカーを見て周囲の状況を知るのではなくて、実際に自分の目で見て確認しないといけない。ゲームプレイにより深みをもたらすんだね。
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▲“バイザーデータベース”によって、自分の位置を確認できる。 |
――オープンワールドでなおかつモーショントラッカーがないので、最初はすごく不安になりました。
ポール そう! まさにその感覚が、私たちが意図したことだね。1本道を進んでいるだけだったら、都市にいるという感覚が得られないからね。一方で、『Halo
3(ヘイロー3):ODST』ではプレイヤーを投げっぱなしというわけでは決してない。“バイザーデータベース”によって自分の位置を特定することもできるし、敵が単体か集団なのかといったことも確認できるんだ。
――モンバサ市街でコンピューター端末に接続すると、本編とはまるで関係ないストーリーを見ることができましたが……。
ポール それは、『Halo
3(ヘイロー3):ODST』に隠されている“もうひとつのストーリー”で、ニューモンバサの各地で見つけることができる。詳細は話せないけど、このストーリーはODST隊員と深く結びついていて、これを知ることで特別なことが起こるようになっているんだ。
――“もうひとつのストーリー”を取り入れた理由は?
ポール プレイヤーに都市のあちこちを探索してもらいたかったというのがいちばんの理由。ニューモンバサの街はとても大きくて、アイテムなどのほかに、もっと“探索する”という要素を付け加えたかったんだ。そして、探索するプレイヤーが恩恵を受けるようにしたかった。また、この“もうひとつのストーリー”では、ODSTの隊員が訪れるまえの、ニューモンバサの都市や市民のストーリーを知ることができる。このへんは『Halo(ヘイロー)』ワールドでもあまり語られてないところで、ファンには興味深いんじゃないかな。
――では、最後に日本の『Halo(ヘイロー)』ファンにメッセージをお願いします。
ポール せっかくなので、取り入れたかったけど、できなかったことを言おうかな(笑)。三人称視点で最後までプレイできる“スカル”が入れられなかったこと。日本のファンからの要望が多くて、僕も実現したかったんだけど本当に残念。
CJ 日本のファンは『Halo(ヘイロー)』シリーズのストーリーを楽しんでくれているようだけど、『Halo
3(ヘイロー3):ODST』はいままでのシリーズ作品の中では、もっとも完成度の高いストーリーになっているという自信はある。魅力的なキャラクターや臨場感のある展開など、日本のファンにも喜んでもらえる内容になっているので、お楽しみに。
シリーズのすぐれた点を踏襲しつつ、いかに新しい要素を盛り込むかに注力したかがうかがえる『Halo
3(ヘイロー3):ODST』の開発。クリエーターの苦心によって導入された新機軸の数々は、本作を単なる“外伝”ではない独立した魅力的な作品へと昇華させることに間違いなく成功したようだ。バンジーのスタッフの『Halo(ヘイロー)』というブランドに賭ける並々ならぬこだわりと愛、そしてプライドを改めて実感しつつ、取材陣はバンジーのオフィスを後にした。
最後に、『Halo
3(ヘイロー3):ODST』の秘蔵コンセプトアートを特別に公開しよう。ゲームの世界観が想像されて、見ているだけでもワクワクするものばかりだ。
※『Halo 3(ヘイロー
3):ODST』の公式サイトはこちら
※ファミ通.com『Halo
3(ヘイロー 3):ODST』特設サイトはこちら
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