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最高のアクションを作る! 『BAYONETTA(ベヨネッタ)』開発にかけるプラチナゲームズの飽くことなきこだわりぶりとは?
【CEDEC2009リポート】

2009/9/4

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●『BAYONETTA(ベヨネッタ)』制作手法の一端を披露

 CESAデベロッパーズカンファレンス(CEDEC)が、2009年9月1日〜2009年9月3日の3日間、神奈川県のパシフィコ横浜、国際会議センターで開催されている。このCEDECは、社団法人コンピュータエンタテインメント協会(CESA)により毎年開催されている、ゲーム開発者向けの講演会。11年目を迎える今回は、2008年の約1.5倍のセッション数が用意されるなど、大きく規模を拡大して行われている。この“新生CEDEC”の模様をリポートする。

 セガから2009年10月29日発売予定の“ノンストップクライマックスアクション”『BAYONETTA(ベヨネッタ)』。「最高のアクションゲームを!」との意気込みのもとに制作されている同作の開発の一端が披露された講演が、最終日に行われた“ベヨネッタにおけるアクションゲームの作り方”。登壇したのは、『BAYONETTA(ベヨネッタ)』の開発を手がけるプラチナゲームズの橋本祐介プロデューサー、キャラクターセクションのリーダー西村栄次郎氏、プログラムセクションのリーダー齋藤健治氏の3名だ。

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▲『BAYONETTA(ベヨネッタ)』のプロデューサー、橋本祐介氏。

 講演では、まずは橋本祐介氏が登壇。人知を超えたアクションを可能にすることなどを理由に、“現代に蘇った魔女”をモチーフにしたというベヨネッタだが、“黒”、“長髪”、“女性”というベヨネッタの基本3大要素がもともとアクションとは相性が悪く、「プロデューサーとしてしばらくは胃が痛かったです(笑)」などとコメントし、会場を笑わせた。そうした相性の悪さと、アクションを両立させるためのベヨネッタのデザインとして、“手袋を白く”、“手足を長く”、“金のライン”、“銃は大きめに”、“背中を露出”、“末端に記号的なもの”、“髪を肘からなびかせる”といった要素を最終的に付け加えたことを明らかにした。
 

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▲こちらがベヨネッタの最初のデザイン。現代に蘇った魔女がモチーフに。

▲“手袋を白く”、“手足を長く”、“金のライン”などの要素が加味されて、現在のデザインになった。


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▲キャラクターセクションのリーダー、西村栄次郎氏。

 おつぎに登壇したのがキャラクターセクションのリーダー、西村栄次郎氏。「髪は主人公を構築するうえで重要なテーマ」という思いでベヨネッタの造型に臨んだという西村氏だが、その際に目指したのが髪の毛に切れ目のないサラサラ感を演出すること。これまでのゲームだと、髪の毛を表現するにあたってポリゴンの短冊を何枚も重ねる方法を採用していたとのことだが、これだとポリゴンの分かれ目に裂け目ができたり、厚みがなかったりしてなかなか髪の毛にボリューム感がでない。そこで西村氏たちは髪の毛に“関節”を持たせて作成。さらには、“関節”の距離に応じて4種類の密度のテクスチャを使いわけ、それぞれに見合った髪の毛のアニメーション(動き)をコントロールすることで、サラサラな髪を実現することに成功したという。


 さらに重視したのがアニメーションのワークフロー(作業プロセスのこと)。西村氏は、アニメーションの一般的なワークフローと『BAYONETTA(ベヨネッタ)』制作におけるワークフローの違いを以下のとおりに説明した。

[一般的なアニメーションのワークフロー]
(1) ディレクターがコンセプト案を提案
(2) 企画担当がアニメーションリストを作成
(3) アニメーターがアニメを制作
(4) プログラマーが組み込み
(5)ゲームへの出力

[『BAYONETTA(ベヨネッタ)』におけるアニメーション制作のワークフロー]
(1) 各セクションの担当がディレクターの指示のもとに集団でコンセプト立案
 (アイデア出しを行い表現したいことを見極めるため)

(2) アニメーターが行動ネタやアニメーションリストを作成。アニメーションを制作
 (アニメーターにキャラクターに責任を持たせるため)

(3) プログラマーが組み込みや修正を行なう
 (ゲームとして使いやすいように調整する)
(4) ゲームへの出力
(5) プログラマーがアニメーションを調整
 (再生フレームの調整や余剰フレームのカットなどを行なう)

(6) アニメーターが再度モーションを調整

 『BAYONETTA(ベヨネッタ)』では、ゲームとしての爽快さとキャラクターの魅力を両立させるため、アニメーターとプログラマーとのやり取りを、時間の許す限り延々とくり返すのだという。当然「スケジュール的には相性が悪く、エライ人は渋い顔をします(笑)」(西村)ということになるのだが、それもこれもクオリティー重視のためだ。「アニメ(動き)はキャラのひとつの要素。緊張感のあるアクションができているかなども含め、トータルなキャラの魅力を『BAYONETTA(ベヨネッタ)』では徹頭徹尾意識しました」(西村)とのことだ。

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▲髪の毛をポリゴンの短冊を何枚も重ねる方法で制作すると、ボリューム感が出ない。

▲髪の毛に”関節”を持たせるとボリューム感はでるが、サラサラ感はでない。

▲そこで“関節”の距離に応じて4種類の密度のテクスチャを使いわけることでサラサラ感を出すこことに。

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▲こうしてできあがったベヨネッタ。髪の毛はサラサラと流れている。

▲『BAYONETTA(ベヨネッタ)』制作におけるワークフロー。アニメーターとプログラマーとのやり取りをとにかくくり返す。

▲クオリティー重視のワークフローであると、西村氏は明言する。

 

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▲プログラムセクションリーダーの齋藤健治氏。

 最後に登壇したプログラムセクションリーダーの齋藤健治氏がテーマにしたのは“IBLによる画作り”。IBLとはイメージベースドライティングの略で、ライト(光源)がなくてもあたかも光が当たっているかのようなグラフィック処理を施せる技術のことだ。『BAYONETTA(ベヨネッタ)』は、秒間60フレームが厳守。ところが、衣装などが特殊な質感を持っており、リアルタイムの光源処理だけでは処理が重くなって理想とするグラフィック描写ができなくなってしまう。そこで、IBLを利用したライティングを行なうことで、存在感のある衣装などを表現することが可能になったのだ。

 そのつぎに齋藤氏が取り上げたのが、エフェクトツール。『BAYONETTA(ベヨネッタ)』では、プログラムを実機上ですぐに確認できる、自社製作によるエフェクトツールを活用しているのだが、「処理の確認が容易で、高いクオリティーを保つことができます。ギリギリの状態で処理落ちをさせないように……といったことも可能です」(齋藤)と説明。プラチナゲームズのエフェクトツールでは、カットシーン(いわゆるムービー)のデータをエフェクトツールに読み込んで、エフェクトをつけることも可能なのだという。「デザイナで完結するフローの構築を目指しました。多い仕様変更にも対応できますし、少人数でクオリティーの高いものが作れます」と、クオリティーの高いゲーム作りをするためには、エフェクトツールがとても有用であることを齋藤氏は強調した。

 この講演で披露されたのは、『BAYONETTA(ベヨネッタ)』制作手法のあくまで一部。とはいえ、「最高のアクションゲームを作る!」というプラチナゲームズの飽くことなきこだわりが充分に実感できる内容だった。

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▲衣装が特殊な質感を持つ『BAYONETTA(ベヨネッタ)』では、リアルタイムライトだけでは望みどおりの表現が困難。

▲4種類のIBLを用意して使い分けることに。

▲“IBLによる画作り”では、デザイナーとプログラマーの認識を共有するために、目で見えるものを使って確認と調整をくり返す。

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▲プラチナゲームズ独自制作によるエフェクトツールは、実機上で動作する。

▲処理の確認が簡単で、高いクオリティーを保つことができるというエフェクトツール。ムービーのデータを読み込んで、エフェクトをつけることも可能だ。


※CEDEC2009の公式サイトはこちら
※『BAYONETTA(ベヨネッタ)』の公式サイトはこちら
 

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