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PSP版は初心に返って作った2009年の『グランツーリスモ』――山内一典氏インタビュー
【E3 2009】

2009/6/8

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●“ドライビングの高揚感”はPSPでも充分味わえる

 

 E3 2009で、ついにそのベールを脱いだPSP(プレイステーション・ポータブル)版『グランツーリスモ』。今回、開発を手掛けるポリフォニー・デジタルの山内一典氏にインタビューする機会を得られた。シリーズ初のPSP版がどういったコンセプトのもと作られているのかなどについて聞いた。
 

▲E3 2009で公開されたPSP版『グランツーリスモ』の詳細を山内氏に聞いた。

――実際にゲーム画面を見させてもらいましたが、映像のクオリティーは据え置き機版に迫るものがありました。

山内一典氏(以下、山内) 据え置き機版を超える、とまで言う気はないのですが、やはり誰もが『グランツーリスモ』だとわかるクオリティーを達成しないことには出す意味がありませんからね。そういった意味で今回のPSP版は大きな賭けでした。PSPで出したら『グランツーリスモ』じゃなくなった……そうなったらどうしようと、とても不安でしたから。画面をパッと見て、スゴイと思ってもらえるのはいちばんうれしいことです。

 

――最近のPSPはひとつのタイトルを長く遊ぶという傾向が強いと思うのですが、PSP版『グランツーリスモ』にもそういった長く遊ぶための仕掛けはあるのでしょうか?

山内 『グランツーリスモ』シリーズはもともとプレイ時間の長いタイトルですが、加えて今回はアドホックモードを通じて、クルマのシェアやトレーディングができるようになっています。『モンスターハンターポータブル』シリーズもそうですけど、みんなで遊べるというのは、長く遊んでもらうための要素のひとつでしょう。800台用意されているクルマそれぞれの背景、歴史、ドライビング感覚などを友だちどうしで共有する、そういったコミュニケーションがPSP版『グランツーリスモ』から生まれてくれればと思います。
 

▲携帯ゲーム機向けタイトルとしては、驚異的なグラフィックを実現しているPSP版『グランツーリスモ』。

 

――800車種をひとりですべて集めるとしたらどれくらいの時間がかかりますか?

山内 想像もつかないですね(笑)。なのでそこはぜひ、友だちとシェアしながらコンプリートを目指してほしいですね。

 

――コースのボリュームはどれくらいになるのでしょうか?

山内 全体の数としては、シリーズ最大になるんじゃないでしょうか。ただ、新コースをどんどん追加しようという考えはあまりないです。これまでに制作したコースだけでもかなりの数になっていますからね。

 

――コースやクルマの追加配信は考えているのでしょうか?

山内 アイデアとしてはあったのですが、いまのところ予定していません。PSP版『グランツーリスモ』は、シリーズ10年の歴史を踏まえたうえで、2009年のいま、シリーズ第1作目を初心に返って作ったらどうなるのか? という気持ちで開発しました。なので、初めて遊ぶ人も充分満足できる内容にしたかったんです。だから、ソフトの構成もシンプル。ネットワーク配信といった別のビジネスが絡まないようにしました。


▲PSP版『グランツーリスモ』はシリーズ入門にも最適な作りとなっている。


――すべてがパッケージで完結するというわけですね。

山内 そうですね。ネットワーク配信などは、プレイステーション3で開発中の『グランツーリスモ 5』で本格的にやろうと考えています。PSP版はみんなで持ち寄ってもらい、とにかくプレイすること自体を楽しみ、みんなでクルマの話をする。そういった遊びかたをしてもらうのが理想的です。

 

――『グランツーリスモ』シリーズはこれまで、初心者には敷居が高いという感もありましたが、今回は敷居が下げられているのでしょうか?

山内 たしかにいままでの作品には、ライトなユーザーが一歩引いてしまうコアな部分があったと思います。これから出る『5』にしても、プレイステーション3本体が必要だし、ネットワークも必須。できればフルHDのテレビもほしいでしょう。これだけのセットアップを、ティーンエイジャーなど初めて『グランツーリスモ』に触れる人へ求めるのは正直きびしい。そういった意味でも、今回PSP版を出した意味は大きいと思います。具体的に初めて触った人でも楽しめるための仕組みとしては、ゲームの進行をとにかく早くしました。15分遊んだら何か変化があるような、そんな作りにしようと思っています。長時間集中するといった遊びかたもいいのですが、やはりポータブル機の特性を考えた場合、ちょっと時間ができたときとか、電車で移動しているときなどに遊びたいでしょう。分断された時間の中でもゲームの進捗がハッキリとわかるゲームデザイン、それを目指していますね。

 

▲シリーズ1作目を初心に返って作りなおした、と語る山内氏。

――『グランツーリスモ 5』との連携要素などはあるのでしょうか?

山内 PSP版で獲得したクルマは、自分のガレージに置かれているようなものですから、『5』でも乗れるようにできればと思います。ラジコンやミニチュアカーの世界といっしょで、1回手に入れたクルマはもう自分のもの。好きなように使いたいでしょう。そういう部分で、PSP版が『5』に向けてうまく機能してくれればいいと思いますね。

 

――今回発表された新型PSP“PSP go”との同梱版、限定カラー発売などは予定していますか?

山内 そこは僕が決められるところではないので、正直まだわかりません。ただ、個人的にはやりたいです。でも、もしPSP goと同梱にしたらディスクが必要ないですから……プリインストールという形になるんですね。

 

――最後にファンに向けてひとことお願いします。

山内 たいへん長いことお待たせしました。『グランツーリスモ』が、手軽に持ち運び可能なPSPで遊べるというのは、とても大きいことだと思っています。『グランツーリスモ』が持つ“ドライビングの高揚感”は、PSP版でも充分味わえるよう作っていますので、時間が空いたらいつでもどこでも好きなときに楽しんでください。

※グランツーリスモ・ドットコムはこちら
 

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