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『キングダム ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)』プレイインプレッション
【プレイ・インプレッション】

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「ファミ通チョイス」とはファミ通グループが、とくにおすすめするゲームタイトルです。

●ニンテンドーDSで描かれる『キングダム ハーツ』シリーズ最新作

 ディズニー作品をモチーフにした世界で主人公のソラが冒険をくり広げる『キングダム ハーツ』シリーズ。その魅力的な世界設定と、複雑に絡み合う物語、そして迫力のアクションなどが国内外問わず、多くのユーザーを魅了してやまない作品だ。
 その外伝的な作品として、2009年5月30日にニンテンドーDSでリリースされたのが『キングダム ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)』。同作では、『キングダム ハーツII』において、陰の主役とも言われていた少年・ロクサスが“XIII機関”と呼ばれる組織に所属していた約1年間の物語が描かれる。この作品を、元週刊ファミ通編集者であり、『キングダム ハーツ』シリーズの記事の多くをいまなお担当している世界三大三代川がプレイ。その印象を綴ってもらった。



●切ない少年が織り成す、もっと切ないストーリー

 

 「俺の夏休み――終わっちゃった」。
 切ない。切なすぎる。なんとも切ないセリフである。ご存知ない方に説明すると、このセリフは『キングダム ハーツII』の冒頭で、ロクサスという少年が話すもので、『キングダム ハーツII』をプレイした人にとっては、非常に印象に残るセリフになっている。だが、たとえプレイしていないという人でも、そのセリフの意味から切なさは感じ取ってもらえるのではないだろうか。そんな切なさ全開の少年・ロクサスが主人公となるのが、『キングダム ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)』(以下、『358/2 Days』)である。

 

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 『キングダム ハーツ』シリーズはディズニーと、『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターが夢の共演をするアクションRPG。キーブレード(カギ型の剣)に選ばれた少年ソラが、さまざまなディズニー作品をモチーフにした世界を渡り歩く物語である。今回の『358/2 Days』では、シリーズで初めて主人公がソラではない作品になるのだが、前述のロクサスはソラとは縁浅からぬ仲であり、その関係性もあって『キングダム ハーツII』では“陰の主人公”などと呼ばれ、高い人気を集めたキャラクターだったりする。本作は、そのロクサスが謎の組織“XIII機関”に入ってからの約1年間を描いた物語。シリーズの時系列で言うと、初代『キングダム ハーツ』と『キングダム ハーツII』のあいだをつなぐものになっている。
 と書くと、なんだかシリーズを遊んでいないと楽しめないような雰囲気がしてしまうが、そんなことはない。と言うのも、ロクサスはとある原因で記憶をなくしているうえ、XIII機関に入ったばかりのあらゆる物事がわからない状況からゲームがスタートする。そこで、XIII機関に所属する先輩メンバーがいろいろと教えてくれる(“ツンデレ”の“デレ”がない感じで教えてくれる人多数)ため、シリーズを知らない人にとっても非常に入りやすい導入となっているのだ。

 

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●爽快感抜群のバトルと、ゲーム感覚の能力カスタマイズ

 

 ゲームシステムは、武器を使った連続攻撃や、魔法などのアビリティ(特技)を駆使して戦うアクションRPG。ゲームスタート時には3種類から難易度を選べるため、アクションが苦手な人にも楽しめる。『キングダム ハーツ』シリーズはストーリーの評判もいいのだが、個人的にはこの爽快なバトルがとても気に入っている。くり返しになるが、アクションが苦手な人でもボタンを連打するだけで多彩なコンボ技が出せるうえ、上級者ならば各種アビリティを駆使して、敵の攻撃を跳ね返したり、敵の背後を取ったりといった魅せるプレイも可能だ。プレイステーション2版には機種の性能上、グラフィック、演出的にかなわない部分は出てくるが、バトルの基本的な爽快感は遜色なく再現されているところもポイントである。
 

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 本作ならではのシステムとして、キャラクターの成長システムが一新されている。従来は通常のRPGのようにレベルの上昇や、ストーリーの進行に応じてアビリティを覚えていくものだったが、今回は魔法やアビリティなどのパネルをセットして、キャラクターの能力をカスタマイズしていくようになった。このパネルが特徴的で、一定のマス目にパネルをセットしていくのだが、たとえばファイアのパネルを3つセットするとファイアが3つ使えるようになるといった方法以外に、大きな枠を持った“魔法LV2プラス”というパネルにファイアをセットすれば、より威力の高い“ファイア LV2”が使えるようなパネルの組み合わせができるのだ。
 しかし、パネルをセットできる範囲が決まっているほか、パネルはL字型や、妙に出っ張った形をしたものもあるため、どうしてもうまく収まらない。そこで、出現する敵に合わせて必要な魔法、アビリティをセットしつつ、どこまで自分の思いどおりのカスタマイズができるか、パズルゲームのようにセット方法を考えるのも、これまた醍醐味のひとつなのである。しかも、このパネルシステムのスゴいところはこれだけに留まらない。このシステムは、つぎに説明するマルチプレイでも大きな意味を持つのだ。

 

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●協力! 対戦!? 初めてのマルチプレイ

 

 さらりと説明したが、『358/2 Days』ではシリーズで初めて最大4人同時によるマルチプレイが遊べるようになっている。4人で巨大なボスを倒したり、一定数以上の敵を倒したりといった、協力プレイでゲームを進めていくものだ。
 そんなマルチプレイでは、ロクサスを含めたXIII機関メンバーを自分の操作するキャラクターとして使用できる。XIII機関メンバーは、それぞれ扱う武器が異なり、力タイプの者や遠距離攻撃の者など、ひとり用とは違ったプレイ感覚で楽しめるのが特徴だ。ここでポイントになるのがキャラクターのカスタマイズ。たとえロクサス以外のキャラクターを選んでも、ひとり用でセットしたデータをロードすればセットしたパネルがそのまま使えてしまうのだ。しかも、持っているパネルを流用できるだけでなく、マルチプレイで獲得したパネルを今度はひとり用に持っていくこともできる。そのため、友人とのマルチプレイで集めたパネルを持ち帰り、ひとり用では成長したデータを使って戦うといったこともできるというわけだ。

 マルチプレイと言えば、友人とプレイ時間に差がついてしまい、同じレベルで遊べないということにもなりやすい。つねにいっしょに遊んでいるわけではないのだからしょうがないのだが、寂しい部分でもある。しかし、本作のパネルシステムではレベルさえもパネルをセットして上昇させる仕組み。そのため、レベルの低い友人に合わせてパネルをセットすれば、どれだけプレイ時間に差があっても同じレベルで楽しめるのだ。逆にレベルを高くして、友人をサポートして楽しむということもできる。こんな気遣いができるのも、パネルシステムを使ったマルチプレイのうれしいところだ。

 

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 また、おまけと言うにはあまりに大きな要素なのだが、マルチプレイではさまざまな設定を変更できる。敵に与えるダメージ量などのほか、アイテムや魔法の使用可否、地面に着地しているあいだにダメージを受けるようにするかといったものだ。
 そんな中にある設定項目として、“仲間への攻撃可否”がある。これをオンにすれば敵を攻撃している最中に、思わず仲間を攻撃してしまい、「あ、ごめん」といったことになる……だけではなく、これをオンにすること、イコール、友人どうしの対戦モードに移行するということでもある。本作のマルチプレイでは、敵を倒したときなどに得られる“ミッションプライズ”というアイテムを集めた数で、ミッション終了時の順位が決定する。その順位がいいほどいいアイテムが入手できるのだが、仲間への攻撃を許可すれば、このアイテムの奪い合いになることは言うまでもない。敵を討伐するという本来の目的を忘れ、仲間どうしで攻撃し合い、気づけば規定回数以上にダウン(体力がなくなってしまうこと)して、ミッション失敗……ということもしばしばだ。だが、その目的を遂行しながら、ときおり仲間とバトルするのが非常に楽しい! 協力をベースにしたミッションだからこそ、最終的には対戦から協力へと移り、仲よく終われるというわけだ。もちろん、仲間どうしで攻撃をしすぎれば、険悪なムードのまま終わることも多々あるのだが……。


 

●切ないストーリーの果てに

 

 ここまで、本作の魅力をシステムベースで書き連ねていった。だが、CMや公式サイトなどを見ればわかるとおり、本作の最大の魅力は奥深いストーリーである。これまでシリーズ作が積み重なっていたため、遊んだことがない人には手を出しづらい部分があったかもしれない。だが、冒頭に書いたとおり、本作は新たな主人公の物語のため、これまでの作品よりグッと入りやすくなっている。シリーズ経験者はもちろんのこと、未経験者もこの機会に切ない物語をぜひ体験してほしい。ネタバレになるため詳細は書けないが、プレイすれば確実に『キングダム ハーツII』を遊びたくなるはずだ。『キングダム ハーツII』をクリアーしている筆者も「もう1回『II』やろうかな……」という気分になったのは、言わずもがなである。

 

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text by 世界三大三代川

 

著者紹介
世界三大三代川

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週刊ファミ通などで『キングダム ハーツ』シリーズの記事を担当するフリーライター。元々の涙もろさに拍車がかかり、ロクサスが何か切ないことを言うたびに涙腺が緩むほどに。マルチプレイではザルディンを使いたがるが、周囲を巻き込むので自重気味。


 


キングダム ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)

対応機種

ニンテンドーDS

メーカー

スクウェア・エニックス

発売日

発売中

価格

5980円[税込]

テイスト/ジャンル

冒険・ファンタジー/アクション・RPG

備考

DSワイヤレスプレイ対応、“キングダム ハーツ 358/2 Days キングダム ハーツ エディション”は24880円[税込]、ニンテンドーDSi同梱、ディレクター:野村哲也、Co.ディレクター:長谷川朋広、プロデューサー:パトリック・チェン、エグゼクティブプロデューサー:橋本真司、制作:ハ・ン・ド(h.a.n.d. Inc)



※『キングダム ハーツ 358/2 Days(スリー ファイブ エイト デイズ オーバー ツー)』公式サイトはこちら
 

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