HOME> ゲーム> [海外ゲームニュース]海底都市の恐怖、ふたたび――『バイオショック2』プレスイベントリポート
●新要素もりだくさんで待望の続編登場
その秀逸な世界観とグラフィックが高く評価されたFPS(一人称シューティング)『バイオショック』に、いよいよ続編が登場する。2K Gamesは2009年4月28日に、カナダのロンドン市にあるDigital Extremesのスタジオにてプレイステーション3、Xbox 360向けに開発中の『バイオショック2』のプレスイベントを開催。こちらの記事ですでにお伝えしているように、本作では待望のマルチプレイ対戦も登場。記者が目撃したさらなる恐怖の世界をお伝えする。
まずはシングルプレイ部分から。時代設定は前作の10年後となり、プレイヤーはさらに混沌とした海底都市“ラプチャー”へと足を踏み入れることになる。10年後のラプチャーでは、前作にも登場した博士“テネンバウム”が予測しなかった事態が発生しており、プレイヤーはその解決のために探索していくことになるのだ。
主人公はなんと、“ビッグダディ”。前作でさんざん悩まされたタフなアイツになって、思う存分暴れまわろう。しかもダディのプロトタイプとして、右手に装着可能なドリルなどの強力な武器アタッチメント(リベットガンのほか、各種用意されているとのこと)に加えて、左手で特殊能力“プラスミド”まで使える。今回は複数のプラスミドを同時に使用して組み合わせることもでき、竜巻を発生させるプラスミドに向かって火炎を発生させるプラスミドを発射すれば、火の竜巻のトラップのできあがり。ダディにプラスミドは、鬼に金棒である。
また、ビッグダディであるプレイヤーは、前作同様、少女の姿をした本作のマスコット的存在“リトルシスター”と共生関係を構築できる。ビッグダディがいないリトルシスターを見つけたら、肩の上に乗せて一緒に移動できるようになり、その状態で未知のエネルギー“アダム”が残った死体を発見すれば、リトルシスターにアダムを収集してもらうことができる。アダムを集めれば、ただでさえ強力なダディの能力をさらにアップグレードできる。
強力なコンビの復活でなんだか向かうところ敵ナシな気もするが、そうもいかないのがツラいところ。キーとなるのは大量の敵と、新たな脅威。まずは前者。リトルシスターが死体からアダムを吸収するあいだ、イカれた住人“スプライサー”たちが大挙して襲撃してくるので、プレイヤーはリトルシスターがアダムを吸収完了するまでのあいだ、スプライサーに包囲されながら彼女を守り続けなければならない。圧倒的な数のスプライサーを次々と排除していくのは、いくらダディとはいえ至難の業。武器とプラスミドをフル稼働させて戦わなければならないだろう。
▲(左)もちろん例の2択も健在。リトルシスターを連れていきたくなければHarvest(刈り取る)こともできる。(中)貴重物資と化したアダムを死体から再利用できるのはリトルシスターだけ。アダム目当てに狙われがちな彼女(?)を守ってあげよう。(右)あわれなスプライサーから“ちゅ〜”っと体液を吸い取ります。相変わらずマッドな表現。
そして、もうひとつのプレイヤーにとって大きな障害となるのが、新たな脅威“ビッグシスター”。スプライサーからアダムを吸い取るなど、リトルシスターと共通の特徴を持っているが、その関係性は、リトルシスターを生み出したテネンバウムすらも解明できていない。ビッグシスターは非常に高い身体能力を持っており、性格も残忍。サイコキネシスのような特殊能力も兼ね備えており、ややスローモーなビッグダディが苦戦するのは間違いない。
▲高速にして残忍な“ビッグシスター”。あまりお相手したくないものだが、スタッフによると、どうやら向こうはダディとリトルシスターが一緒にいるのを快く思っていないらしい……。
本作でもその完成度が高く評価された美術レベルは高く、かつて夢の都市だったラプチャーとその後の退廃が美しく描かれる。ほとんどの領域は新たに足を踏み入れる場所になっているが、一部前作で見慣れた場所も登場するとのこと。そして、今回はラプチャーの外、海底へも冒険の舞台は広がる。探索メインで水中での戦闘はないとのことだが、スタッフによると「アダムの流出によって海底の生命体に影響が出ている」とのこと。幻想的な海底で思いがけぬものを見る展開もありそうだ。そのほか、タレットや監視カメラなどをハッキングするミニゲームは健在だが、「形を変えて登場する」との回答を得た。
まだまだ謎が多いシングルプレイ部分だが、より美しく幻想的で、同時に激しく過激な冒険が待っているのだけは保証できる。最後に、クリエイティブ・ディレクターのジョーダン・トーマスによる、記者が見たものとほぼ同じシングルプレイのデモ映像をご覧いただこう。英語での解説だが、その雰囲気は存分に感じ取ってもらえるはずだ。
▲海藻ゆらめく美しき海底。アダムが蓄積されて貯まっているのを見つければ、大きなメリットを受けられる。
●前日譚を描くマルチプレイは、スプライサーによる“狂宴”!
2K Marinによって開発されているシングルプレイ部分とは異なり、本作のマルチプレイはDigital Extremesによって開発が行われている。Digital Extremesは『Unreal Tournament 2003』や『Dark Sector』シリーズなどの一人称/三人称視点シューティングの開発を数多く手掛けているデベロッパー(開発会社)。PS3版『BioShock』の開発作業もやっており、『Bioshock』を知っていて、かつマルチプレイの開発経験が豊富であることからパートナーとして選ばれた。
シングルプレイとは異なり、マルチプレイの舞台は前作の1年前にあたる1959年のラプチャーが舞台となる。ラプチャーの混乱はまだ始まったばかりで、企業体なども機能している。プレイヤーはラプチャーの混乱を利益につなげようと新たなプラスミド、トニック、武器などを開発している企業“シンクレア・ソリューション”のテスターにひとりとして、商品テストのためと称した戦いに参加していくことになる。武器とプラスミドを使って互いを襲う住人……そう、プレイヤーはつまり、スプライサーの原型として市民戦争を戦うのだ。
プレイヤーキャラクターは8人のなかから選択することができる。それぞれ初期能力は同じだが、アクションのたびに発するメッセージや打撃武器などが異なっている。イベントで説明されたのは以下の3人。
・ジェイコブ・ノーリス:ラプチャーの建設にも参加した溶接工。打撃武器はレンチ。
・バーバラ・ジョンソン:1950年代のやさしい主婦。打撃武器はフライパン。
・名前不明:ビジネスマン。打撃武器は杖。
ゲームモードは全員敵のいわゆる“フリー・フォー・オール”とチームデスマッチのほか、いくつかある。同時プレイは10人までで、Coop(協力)プレイ要素はあるか不明。気になるのは、シングルプレイのところで言及した、リトルシスターがアダムを抽出する際に発生する、スプライサーによる包囲戦。近年の海外ゲームで、こういった大量の敵に対して仲間と防衛戦を戦うCoopプレイは人気のゲームモードのひとつ。記者が「本作に『Left 4 Dead』のサバイバルモードや『Call of Duty: World at War』のナチゾンビモードのようなものは?」と質問したところ、「シングルプレイでプレイヤーが仲間と協力するようなCoopはないが……まだ待ってほしい」と答えを濁されてしまった。
プレイヤーキャラクターを選択すると、画面は自分のアパートに移動する。残念ながらアパートにほかのキャラクターを呼ぶことはできないが、ラプチャー崩壊前の姿を見ることができる貴重な場面だ。最初のプレイ時は、ここで初期武器(ピストル、ショットガン)と最初のプラスミドを受け取ることになる。アパートでは武器やプラスミドを変更したり、リーダーボード(オンラインランキング)を見ることができる。そして前作でおなじみの潜水球に入り、レバーを引くとマッチング画面へ。同スキルレベルやランクのプレイヤーを優先的にマッチングするようになっている。ちなみに、5人のチームをフレンド同士で組んで、マッチからマッチへと転戦していくこともできる。
さて、肝心の戦闘部分は、スタッフ同士の生の戦いを5〜6戦ほど見ることができた。プラスミドと武器を切り替えながら高速に展開される戦いは、リアル系FPSが多かった近年にはあまりない、スポーツFPSライク(『Unreal Tournament』や『Quake III』など)な印象。ロケットジャンプこそないが、一定時間高速移動する“エアロダッシュ”や、敵を吹き飛ばしたり、自分が高く跳んだりする衝撃波“ガイザー”などの新登場のプラスミドを利用すれば、空間を活かした戦いが展開できるだろう。
武器やプラスミドはマルチプレイ用に能力が調整されており、たとえば、これまでは当たれば相手を凍らせる能力だった“ウィンターブラスト”は、相手を一定時間スローにさせる能力になっている。そして、これは『バイオショック』のマッドさに魅せられた者として注記しておきたいのだが、戦闘中のプレイヤーキャラクターはアブない感じに喋りまくりで、それぞれ個性的でおもしろい。
マップは前作のテイストを活かしつつ、すべて新たに作られたもの。市民戦争が始まった場所“カシミア・レストラン”など現在10種類が用意されている。マップ上にはEVEのディスペンサーやタレット(自動機銃)なども用意されており、EVEを補給したり、タレットをハッキングして自分のものにすることができる。ちなみに、タレットのハッキングは、一定時間ボタンを押せばオーケー。ミニゲームをプレイする必要はない。また、ディスペンサーからEVEを補給すると一定時間復活しないので、プラスミドの使いどころには注意。
そして、マップ上には複数の位置からランダムに、ビッグダディのスーツがひとつだけ置かれる。取ればもちろんビッグダディの強力な能力を手に入れることができる。ただしスピードは遅く、プラスミドは使えない(シングルプレイに出てくるプロトタイプとは異なる、普通のビッグダディだからだ)。ビッグダディになったプレイヤーが倒されると、また一定時間後にスーツがランダムに置かれる。
マッチ終了後はキル数、アシスト回数、スポーン回数、ビッグダディを倒した回数などの成績により、シンクレアのテスター内でのランクが上がり、マシンガン(武器)やエアロダッシュ(プラスミド)が手に入るようになる。また、一定の条件をクリアーしていくことで解除されていく“トライアル”でもボーナスを受けられる。プレイヤーのアップグレードとしては、新たな武器やプラスミド以外にも、トニックで自分を強化したり、武器のカスタマイズが可能。ただし、威力を上げればリロードの時間がかかるようになったり、ショット間隔を早くしたらリコイルが増えたりと、バランスを取るようになっている。
メインの開発チームとは別会社が制作するということで一抹の不安もあったが、こちらも『バイオショック』らしい、オリジナリティー高く、印象的なものに仕上がっていた。
※『バイオショック2』のティザーサイト(英語)はこちら
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