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『MASS EFFECT』のBioWareが贈る大作ファンタジーRPG『Dragon Age: Origins』最新映像&ショートインタビュー
【GDC09】

2009/4/4

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●圧倒的ボリュームで描かれるダークファンタジー巨編

 

 2009年3月23日〜27日(現地時間)の5日間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターにて開催されたゲームクリエーターのための国際会議、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)09。会期中にお届けしきれなかったユニークな講演、新作情報などをひき続きお届けする。

 

 古くは『バルダーズ・ゲート』や『ネヴァーウィンター・ナイツ』、『Star Wars: Knights of the Old Republic』など、最近では、日本でも2009年5月21日にXbox 360版がマイクロソフトより発売予定の『MASS EFFECT』など、骨太な大作RPGを作ってきた海外デベロッパー、BioWare(バイオウェア)。GDC会期中に、圧倒的なボリュームで正統派西洋ファンタジー世界を描く最新作、『Dragon Age: Origins』(以下、『DA: O』)のプレゼンテーションを受けてきたので、最新映像とともにご紹介する。

 

 

 PC版のデモを実際に操作してもらいながら説明を受けたのだが、大型モニターに映し出されたグラフィックのスケール感と美しさはなかなかのもの。キャラクターたちの装備なども、材質が手に取るように伝わってくるほどだった。それは、カットシーンや発言を選択して展開していく会話シーンなどでも同様。通訳がいないと英語のヒアリングが苦手な記者でも、なんとなくどんな場面なのかがなんとなくわかるぐらい、その表情やリアクションも丁寧に描かれる。

 本作では、単純に世界を救えるような安直なストーリーではなく、大人がプレイするのに耐えうるダークなファンタジーを目指しているとのことで、デモにも早速、一筋縄ではいかないNPCが登場していた。何度も交渉しないとドアすら開けてくれないのだが、話始めるとこれがまた絶妙にいい味! “歓迎されていない感”まで体感させられてしまった。

 

Incoming
Final Stand

 

 また、戦闘部分も見ることができた。4人編成のパーティーメンバーを切り替えながら、絶え間なく襲ってくるモンスター集団を倒していくのだが、特徴的だったのは、コンボと戦術要素。

 前者は魔法使いが氷系の魔法で凍らせてから別の魔法で吹き飛ばしたり、あるいは魔法で動きを止めてから戦士が叩いたりといった、スキルベースのRPGでおなじみのもの。……と聞くと『ディアブロ』以降のリアルタイムRPGでよく見かけるようにせわしなく操作し続けなければいけなさそうだが、本作ではいつでも戦闘中に一時停止して、操作するプレイヤーを変更したり、アングルを弄ったりすることができる。このため、慣れてくれば慌てずに爽快なコンボを決められるだろう。

 

HeatofBattle
GotyourBack

 

 後者の戦術要素には、“タクティクスシステム”と“アプルーバル(承認)システム”と呼ばれている、ふたつのシステムが深く影響する。タクティクスシステムとは、ある程度戦術行動を自動化できるシステム。特定プレイヤーの体力が一定以下になったら回復行動を実行するなど、設定した特定のトリガーが満たされるとそれに応じた行動を取るというもので、こういった局面ではこの行動を取りたい……という、プレイヤーの戦術指向を組み込むことができるのだ。

 しかし、ある程度戦術を自動化できるとはいっても、気は抜けない。リアルタイムの戦闘でありながら、一時停止や自動化を取り込むことで自由度の高い戦闘が楽しめるようになっているぶん、アプルーバルシステムでパーティーの正しいコントロールが求められ、バランスが取られている。パーティーメンバーは、その戦闘能力や周囲の状況に対してプレイヤーのコマンドが適していないと、従わないこともあるのだ。自由過ぎないように制約を設けておくというこの辺りはさすが、アクションRPGの制作に慣れたBioWareらしいところと言えそうだ。

 

knight2_bmp_jpgcopy
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 本作は日本では残念ながら未発表だが、北米ではPCで2009年第4四半期(10月から12月)ごろ、その後Xbox 360、プレイステーション3でも発売が予定されている。意気込みについて、BioWareのCEOであるRay Muzykaと、ジェネラルマネージャーであるGreg Zeschuk氏に語ってもらった。


ray_and_greg

――『DA: O』を開発するにあたり、目指したことは?

 

Ray Muzyka(以下、Ray) 我々はビッグで強力なもの……ハイファンタジーでもロウファンタジーでもない、新しいファンタジー作品を創りたかったんだ。ダークで、ヒロイックで、タフで大人向けの作品だ。リアルな結末を伴った選択が豊富に用意されていて、メインゲームが終わっても余韻が残るような、ね。プレイヤーたちがダークヒロイックファンタジーの記念碑として見てくれるような作品にしたかった。

 

Greg Zeschuk(以下、Greg) ちょっと質問された作品のテーマとは外れるけど、『バルダーズ・ゲート』と『ネヴァーウィンター・ナイツ』のふたつのシリーズ作品では、すべてをコントロールしたくとも、あまりにも多くの人が関わっていて状況がそれをよしとしなかったんだ。そこでの経験によって、我々はすべてを自分たちで作りだしたいと思ったんだ。

 

――ストーリーが枝分かれしていくので、プレイヤーが経験しきれないコンテンツも大量にありそうですね。

 

Ray ほとんどのゲームではまず難しいぐらいのレベルで、ユニークなゲームプレイを体験できる。プレイヤーは何時間ぶんもの、ほかのプレイヤーが経験するのとは異なった経験をできるよ。

 

Greg 登場する会話は、生まれを選択した時点でもう異なっているんだ。それだけでなく、ゲーム中での選択によってさらに変化が生じてくる。その順列はものすごい数だったハズだ……確か作業中に数えたときには何百万だか、あるいは何億とかだったか、プレイしていくにつれてそれだけの違いが存在する。究極に個人化された体験ができるんだ。これはいつもゲームを作るときに念頭に置いていることのひとつなんだけど、たとえば仕事の合間にウォータークーラーの周りで、それぞれの異なったプレイ体験を語り合ってもらえるようなものを考えているんだ。

 

――ゲーム世界はどのように扱われるのですか?

 

Greg ワールドマップは、『バルダーズ・ゲート』とは大きく異なる。全体はいくつかの巨大な地域に分かれており、ゲームが進むにつれて次のエリアをアンロックして、新たな冒険の地へと旅立つことになる。

 

Ray どれぐらいこの世界を開拓したのかがわかるようにデータを取っている。伝統的なRPGでファンが好む要素だ。とくに日本のファンは自分の冒険がどんなものだったのか、関連するデータを眺めるのが好きだよね。

 

――マルチプレイの可能性はありますか? それともシングルプレイのみなのでしょうか。

 

Greg 我々は『DA: O』のストーリーを重要視しているが、本作にマルチプレイ用のストーリーを用意するのは大変だと思う。ただ動くようにすればいいと思うのかもしれないが、そうもいかない。それとは引き換えに、本作には濃密なシングルプレイのゲーム体験と、それと密接に結びついたツールセットとコミュニティとがある。もしひとりだけでプレイしようとするのならば、ほかのプレイヤーによるMODを使ってみたり、あるいはキミのコンテンツをほかのプレイヤーと共有してみたりも試してほしい。世界中のプレイヤーと経験を共有してほしいんだ。

 

――PC版と家庭用機版の違いはなんですか?

 

Ray まず、我々はいずれのバージョンも同じ考え、システムのもとに作られるべきだと考えている。もちろん、実際には複雑でたくさんの技術的な問題や操作系の違いが存在する。しかしながら、『MASS EFFECT』のPC版(北米市場ではXbox 360版の6ヶ月後にリリースされた)では、インターフェースのちょっとした変更以外には、移植ではなくまるで最初からPC用に開発されたように制作できた。『DA: O』でも、同じように家庭用版とPC版ではちょっとした変更を加えただけのようにしか見えないだろう。これは『MASS EFFECT 2』でも同様だ。

 

Greg 願わくはプレイヤーには、「どのバージョンをBioWareが重要視していて、より洗練されたものを作るのだろうか」なんて心配はしてほしくないな。

 

――『DA: O』のような大きな開発規模を維持できるデベロッパーはそう多くはありませんが、最近のゲーム業界についてどうお考えですか?

 

Greg ゲーム開発は次第に2極化してきているように見える。『DA: O』では150人以上のスタッフが関わっているが、さらにそのうえ外注も頼んでいる。これはとても大きなプロジェクトなんだ。同様に『ファイナルファンタジー』や『グランド・セフト・オート』、『バイオハザード5』などでは非常に多くのスタッフが開発に従事する。一方で、たった3人でiPhone向けのゲームを作っている連中もいる! その中間だってもちろんあるわけだけど、どんどん両極に分かれてきている気がするよ。

 

――小規模開発に興味を抱かれることは?

 

Greg もちろんある。小規模で軽量なゲームのアイデアには興味をそそられていて、実際にいくつかおもしろいアイデアもある。まだ話すことはできないが、聞いたらびっくりすると思うよ。

 

――『MASS EFFECT 2』についてなにか話せることはありますか?

 

Ray 『MASS EFFECT 2』で取り扱っているテーマはより大きい。時代から時代へ、そして大規模で、タイトなストーリーがある。副次的なコンテンツもたくさんあって、それによりメインストーリーが強化されるんだ。そのほかにも新たな冒険要素など多くの新コンテンツがあるが、すべてはファンやゲームメディア、そして内部からのフィードバックの反映に努めた結果となっている。ゲームのすみずみまでできる限り、直されるべきところは直し、継続して伸ばすべきところは伸ばそうとするのがBioWareのスタンスだ。絶対におもしろい作品になるよ。

 

――日本では5月に初代『MASS EFFECT』が発売されます。

 

Ray 最高だ! ごく初期段階ではあまり各パブリッシャーに興味を示されなかったのに、出て来てみれば成功し、さらに興味を持ってもらえるようになってここまで来たんだからね(笑)

 

Greg 我々はゲームを制作するときに日本や各国の言語に対応するために技術的に考慮するようにしている。日本市場の西洋のゲームへの反応は良くなってきているようだし、『MASS EFFECT』がどう受け止められるか興味深い。ファミ通のクロスレビューにも期待しているよ(笑)

 

――では最後に日本のゲーマーにメッセージを!

 

Ray 我々は自分たちのゲームを、重要で意味のあるものにしようとしてきた。もちろん日本のプレイヤーにも。だからもしみんなが……

 

Greg チェックしてくれたら?(笑)

 

Ray ……そうしたら光栄だ。どう感じたか教えてほしい。だって日本は、ストーリーが重要視される、RPGの重要な市場だからね。BioWareの使命は、ベストなストーリーのRPGを世界に届けること。日本には偉大なゲーム会社がたくさんあるが、我々もそこに加わりたいな。

 

 

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