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ハドソン高橋名人が、東京大学で“ファミコンブーム”を熱く語る!

2009/3/7

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●当時の熱気あふれるエピソードを多数披露!

NY1_01322 2009年3月6日、日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)主催による公開講座“名人の目からみたファミコンブーム”が、東京大学にて行われた。当日は、“名人”としておなじみのハドソン高橋利幸氏がゲストとして登壇。楽しいエピソードを交え、ファミコンブーム時の盛り上がりぶりが語られたのだ。

 講演は、高橋名人がハドソンに入社したいきさつからスタート。大学を「おもしろくないから」という理由から3ヵ月で辞めたという高橋名人は、その後スーパーマーケットで野菜の仕入れ担当などを4年間勤め、仕入れ時の作業の煩わしさから解放されるために当時大金をはたいてPCを入手。それがPCに触れるきっかけとなり、当時パソコンソフトの制作などをしていたハドソンに入社することにつながったという。そして、’84年7月にサードパーティー初の作品としてファミコンソフト『ナッツ&ミルク』と『ロードランナー』を発売。当時10000本売れればヒットと言われていたPCソフトに対し、ファミコン市場は30万本の売り上げが見込めたので、ファミコンに参入するのは「経営陣としては当然の決断」(高橋)だったものの、PCゲームをリリースしていた同業者からは「なんでおもちゃに行っちゃうの?」と訝しがられたという。なんとも当時の雰囲気を伺わせるエピソードだ。とはいえ、以降時代の波は雪崩を打ってファミコンに押し寄せ、ファミコンは一大ブームに。とくに’85年〜’86年はその絶頂で、高橋名人いわく「スパゲッティーのようにぐるぐるに絡まってブームが巻き起こった」状態だったという。ちなみにハドソンは36タイトルのファミコン向けソフトをリリース。『ロードランナー』、『忍者ハットリくん』、『高橋名人の冒険島』、『ドラえもん』と4タイトルのミリオン突破タイトルを輩出している。ときには、3ヵ月間に毎日2時間しか睡眠時間が取れないこともあったという。

 ファミコン市場に参入し、雑誌との協力やテレビ番組への出演など、さまざまなプロモーション展開をしていったハドソンだが、外すわけにいかないのはやっぱりイベント展開だろう。ハドソンでは’85年から順次イベントを展開、当時来場したちびっ子たちの熱狂ぶりから手応えを感じたという。その過程で生まれたのが、全国規模で開催されたイベント、いわゆる“全国キャラバン”だ。’85年はファミコン用ソフト『スターフォース』のハイスコアを競うという形で行われた全国キャラバン“チビッコ大集合!夏休み ファミコンプラザ 全国キャラバン”は、夏休み期間中に全国59ヵ所(!)で開催され、各地で大人気を博す。翌’86年はさらに盛り上がり、『スターソルジャー』を対象タイトルとした“全国キャラバン”は、70000人の動員を記録する。全国キャラバンに“名人”として参加していた高橋名人は、マスコミから注目を集め、“子どもたちのあこがれ”の存在となる。当時の忙しさは想像を絶したようで、「“全国キャラバン”以外にもイベントは毎週のように開催されていたのですが、土日はずっとイベントでした。1日に4〜5店ゲームショップを巡って、それを1年続けていましたね」(高橋)という状態だったという。

 興味深かったのが、高橋名人の名言「ゲームは一日一時間」が生まれたときのエピソード。ある日イベントで、同伴の父兄(とくにお母さん)がたくさん訪れていることに気付いた高橋名人は、「お母さんが財布の紐を緩くしてくれないと(ソフトを)買ってくれない」ということに思い至り、そのお母さんへの印象をよくするために、「テレビゲームがうまくなりたいなら、“ゲームは一日一時間”集中すべし!」と発言したのだという。ところが、それを一部の流通関係者が「ゲームを売る立場の人間が、ゲームを遊ばなくていいという趣旨の発言をするとは何事が!」と聞き咎めたことから事態は紛糾。ハドソンで役員会が開かれ、高橋名人の発言の是非が問われるほどの状況になったのだという。そこで出されたハドソン役員会の結論が驚きで、「ハドソンでは、ゲームのイメージアップのために“標語”として展開していく」というもの。そこで世に“ゲームは一日一時間”という言葉が生まれたのだ。

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▲新聞に“スーパーヒーロー出現”と取り上げられ、一躍時代の寵児となる。

▲“ゲームは一日一時間”というユーザーへのメッセージを発したと高橋名人。「でも、大人の人は自己責任でゲームを楽しんでください」とのこと。


 公開講座ということで、会場にはゲームクリエーターやクリエーターの卵たちも多数詰め掛けていたのだが、それらの来場者に対して高橋名人は、「これからゲーム業界を担うであろう人たちに言いたいのは、何か驚きのあるものを与えたいと考えるのはわかりますが、いま一度“遊び”というものの本質に立ち返ってもらいたいということ。何が楽しみにつながるのかを真摯に考えてほしい。それを突き詰めることで、ファミコン時に負けないブームを起こせるのでは」と熱いエールを贈り、講演の幕を閉じた。

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▲ときに真面目に、ときに熱く語る高橋名人。「ヒットしたゲームは、枝葉末節を取り除いても、面白い要素が残る」といった発言も。

 

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▲全国キャラバンには“ファミコン体操”なども折りませ、イベントとしての幅を広げていったという。「当時の子どもは、やればファミコンがうまくなるよ!」と言えば、目を輝かせて取り組んでくれましたね」と、ファミコンへの熱狂ぶりを伝えるエピソードも紹介。


 

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