HOME> ゲーム> クリアー後の新要素は“ザ・マーセナリーズ”! 『バイオハザード5』の竹内潤プロデューサーが語りつくす
●『バイオ5』発売を記念して竹内氏に直撃インタビュー!
カプコンが世界に誇る究極のサバイバルホラーアクション『バイオハザード』シリーズ。その最新作となるプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『バイオハザード5』が、2009年3月5日に発売開始となった。そこで今回、特別企画として、『バイオハザード5』のプロデューサーであるカプコンの竹内潤氏のインタビュー記事を掲載する。ついに発売日を迎えた感想や、開発時のさまざまなエピソードなどを語ってもらった。
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『バイオハザード5』プロデューサー |
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▲『バイオハザード5』のプロデューサー。そのほかの代表作は『ロスト プラネット』など。 |
----ついに発売日を迎えましたが、いまどんなお気持ちですか?
竹内 前作『バイオハザード4』がワールドワイドで高い評価を受けたタイトルなので、開発陣はものすごいプレッシャーの中で制作してきました。本当にようやくプレッシャーから解放される日が来たという感じです。プレッシャーはありましたが、それでも自信のあるタイトルになっていますので、ユーザーがどう感じてくれるのかワクワクしています。
----『バイオハザード5』を開発することになった経緯、動機は?
竹内 じつは『4』を開発している最中から、すでに『バイオハザード5』はクリスの物語にしようという構想を持っていました。『4』では、いきなりアンブレラが倒産していたものですから、ちょっと『バイオハザード』のストーリーを戻した形にしようと。『バイオハザード』の物語自体がどうなっていくのか? 起承転結の“結”を完結とすると、『バイオハザード5』は“転”に当たる大きなターニングポイントを迎えるストーリー、作品にしようと思いました。
----『バイオハザード5』のテーマについてお聞かせください。
竹内 今回は“光と闇”というひとつのテーマがありました。アフリカを舞台にして、いままでCGが苦手としていた明るい表現と、そこから生み出される影を使った“明るい世界で織り成すホラー”という新しい表現で作ってみようという。もうひとつは、オンラインCo-opをゲームデザインに採用しているので“絆”もテーマにしています。実際プレイしていただけるとわかると思いますが、このふたつのテーマがストーリー面やグラフィック面など、いろいろなところに散りばめられております。ぜひプレイして、それらのテーマを感じ取っていただきたいですね。
----プレイステーション3、Xbox 360というハイスペックのハードでの開発になりましたが、何か苦労した点は?
竹内 じつは両プラットフォームの開発は、まずPCベースで行いました。そこから両プラットフォームに落としたんです。こういった開発方式は、まだまだ日本のデベロッパーの中では珍しいと思います。今回は、『ロスト プラネット』や『デッドライジング』から培ってきたMTフレームワーク(カプコン独自の開発エンジン)を使いましたので、両プラットフォームに対応させることについては、皆様の想像よりは意外とイージーでした。まぁ、どちらのプラットフォームにも持っていくということで、スペックが落ちてしまっては意味がない。ご覧いただければわかるとおり、次世代機の中でもピカイチのグラフィックをマルチでお届けするという、新しいチャレンジでしたね。これはMTフレームワークだからこそできたことです。
----『バイオハザード5』にCo-opプレイを導入した理由は?
竹内 やはり次世代機ならではの、『バイオハザード4』を超える“何か”を作ろうじゃないかと思い、ふたりで遊べる『バイオハザード』というところをテーマに置きました。そしてCo-opプレイを作るにあたり、これまでのさまざまなオンラインゲームとは違ったものにしようと考えました。どちらか片方が死んでしまったらゲームオーバーみたいな。なんとなくきびしいシステムですが、あえて搭載しております。ただ、このシステムを搭載することで、いままでになかった“協力”という意味を、より濃く表現できるんじゃないかなと思いました。一方で、従来の協力ゲームとは違って、ふたりに無理矢理協力を強いる局面を極力減らしています。これは私の個人的な考えなのですが、『ロスト プラネット』を作っていたときに、オンラインゲームの作り方において、あまり作り手が「こうやって遊べ!」と指示してしまうのはよろしくないと思って。だから『バイオハザード5』のCo-opプレイは、“遊び場”として提供しています。ユーザーの皆様がCo-opプレイをする中で、さまざまなプレイの発見、遊びかたができるようなゆとりある設計になっています。このCo-opプレイが、いままでの『バイオハザード』になかった新しい楽しみかたを生み出してくれると思います。
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----『バイオハザード5』の開発にあたり、シリーズファンと新規ユーザーのどちらも意識したんですか?
竹内 シリーズユーザーの方々は熟練されたプレイヤーですし、新しく入ってくるユーザーももちろんいます。双方に満足していただくために、Co-opプレイは有効に作用すると思います。どちらかが熟練されたプレイヤーであれば、初心者を引っ張りつつ、シリーズの魅力を伝えてくれると思いますから。あとは、ゲームシステムも難易度設定を細かくさせていただいています。難易度が高くなればなるほどうまく協力しなければクリアーできないような調整方法になっていますので、初心者から上級者まで満足していただけると思います。
----開発時、何かおもしろいエピソードはありましたか?
竹内 おもしろいエピソード(笑)。まぁ〜いろいろあるんですが……シェバですかね。キャラクター設定自体は早い段階で決まっていたんですが、なかなかかわいく作ることができなかったんですよ。一時期、デザイナーも迷走しまして、顔が関西で有名な女性芸人さんに似ちゃって、「これはまずいんじゃない!?」と(笑)。最終的には、シェバというキャラクターの目、目力がうまく表現できて、非常に魅力的なキャラクターに仕上がりましたね。開発スタッフからは、「竹内さんは女性キャラクターにうるさい!」と言われるくらい厳しいチェックをさせていただきました(笑)。
----『バイオハザード5』では、まだ公開していない情報もあるそうですが、そちらをぜひ教えていただければ!
竹内 じつは、今作にはファンからの要望が多かった“ザ・マーセナリーズ”というモードを搭載して、クリアー後に楽しめるようになっています。加えて、ダウンロードコンテンツで“ザ・マーセナリーズ”をふたり協力プレイで遊べる“ザ・マーセナリーズ デュオ”を提供させていただきました。とくに“ザ・マーセナリーズ デュオ”のほうは、いままでの“ザ・マーセナリーズ”と違ってふたり協力プレイなので、さらに遊び込み要素が多いんじゃないかなと考えております。こちらのダウンロードコンテンツは、プレイステーション3、Xbox 360両ハードで提供しています……もちろん無料です! ほかにもあるんですが、それは追々発表するということで(笑)。ダウンロードコンテンツというのは、最近のゲームビジネスの中で大きなポジションを占めているので、そういった“何か”を提供できればと思っています。衣装だけじゃ寂しいので、楽しんでもらえるものをいろいろ考えております。
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クリアー後のお楽しみ要素“ザ・マーセナリーズ” |
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▲こちらが“ザ・マーセナリーズ”の画面。さまざまなキャラクターを操作して、群がるマジニなどの敵を倒して得点を競うスコアアタック形式のゲームになっている。このモードは、ひとりでプレイする“SOLO”と、画面を分割してふたりプレイが楽しめる“SPLIT SCREEN”が用意されている。また、クリスやシェバ以外に選択できるキャラクターやステージもあるとのことなので、やり込んで見つけてみよう。 |
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『バイオハザード5』アップデート情報 |
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▲『バイオハザード5』本編クリアー後のエクストラゲーム“ザ・マーセナリーズ”に、インターネットを介してふたりプレイが可能になる“DUOモード”が無料アップデートできる。ランキングで世界一を目指そう。 |
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〜集まった報道陣の竹内氏に対する質問はまだまだ続く〜 |
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Q. 『バイオハザード5』では、Co-opプレイをゲームデザインの軸に置いてますが、ほかにも入れ込みたかったけど、今回は見送った要素、システムはあったんですか?
竹内 Co-opプレイを作っていく中で、やっぱりボツになったアイデアはありました。最初にCo-opプレイをデザインしたときに、プランナーのほうから「ふたりのコンビネーション技をやろう」という話があったんです。うちの『私立ジャスティス学園』よろしくみたいな感じで、ひとりがひとりを抱えて放り投げるプロレスのツープラトンのような技とか(笑)、『ロスト プラネット』をやっていたので手榴弾を撃つを広範囲の敵を倒せるとか。あとはフォーメーションを組めるようにしたり。ただ、実際にやってみたらあまりゲームとしておもしろくならなかったんですよ。話だけ聞くと楽しそうだとは思うんですけどね(笑)。やはりこちらから協力を積極的にさせようとしてしまうと、遊びかたがすごく固定されてしまって。そうすると設計者の意図どおりの遊びしかできなくなってしまったので、その要素はどっと削って、アイテムの受け渡しなど、ゲームに採用された要素だけを残し、ユーザーに遊びかたを委ねようと。
Q.前作はハンドガンの種類がかなり豊富でしたが、『バイオハザード5』の武器はどれくらいのバリエーションがあるんですか? またオススメの武器は?
竹内 今回、銃の種類は『4』以上に出てきます。数十種類くらい。同じタイプの武器でもかなり細かい違いが出てくると思います。“ザ・マーセナリーズ”でしか使えない武器も用意しているので、かなりプレイバリューが多いゲームになっていると思います。オススメの武器なんですが、ちょっと隠し武器なので詳しくは言えません。でも、シリーズのファンなら「あ〜」と言ってもらえる武器ですよ。
Q.ゾンビを操作したいという意見をよく聞くんですが、Co-opプレイとはまたべつで、人間vsゾンビの対戦プレイというアイデアはなかったんですか?
竹内 『バイオハザード』ではかならず出る話なんですよ(笑)。ゾンビを使いたい人もいると思うんですが、プレイヤーがゾンビや敵を操作しちゃうと、ゲームの根本にある“恐怖”というテーマが薄れてしまうんですね。ですので、そういった遊びに関してはカプコンのほかのタイトルで楽しんでいただければなと。『バイオハザード』シリーズでは、今後もゾンビを操作することはないと思います。
Q.体験版をプレイしたユーザーの意見を、製品版にフィードバックしたんですか?
竹内 若干ですが、調整はさせていただきました。エイミングの部分などは体験版の声をもとに反映させていただきました。だから体験版をプレイされた方が製品版をプレイしたときに、細かい違いを感じることができます。
Q.Co-opプレイについてなんですが、協力ができる作品は、誰かに「手伝って」とお願いされたら、何回も同じステージをプレイしなければいけないこともあると思うんですが、そういったユーザーが何回プレイしても楽しめる工夫のようなものは?
竹内 今回は実績解除やアイテムコンプリートなど、細かい要素をご用意させていただいています。そういう部分を意識すれば、何回プレイしても楽しんでいただけると考えております。あと、難易度にも工夫があって、ノーマルから順に高い難易度になると、うまく協力しないと進めないようになっているので、異なるレベルで楽しんでいただきたいですね。
Q.『4』が発売されてからかなり経ちましたが、『5』は構想を含めて発売までにどれくらいの期間がかかりましたか? それから制作に携わった人数も教えてください。
竹内 構想段階から計算すると4年くらい経っちゃいましたね。かつては「北京オリンピックまでに出す!」と言っていたんですが、北京オリンピックはとうの昔に終わってしまって……本当にお待たせして申し訳ありません(笑)。開発人数は、けっこう変動が激しくて、ある程度の部分が終わると人が抜けたり入ったりしていたんです。最大時でカプコンの開発だけで120人弱まで膨れ上がりました。非常に大きなプロジェクトでしたので。
Q.『バイオハザード5』をプレイする初心者に向けてなにかアドバイスを!
竹内 これは『バイオハザード』シリーズの伝統なんですが、いっぱいやられてください! これがアドバイスです(笑)。やられてしまってもペナルティーはないので、やられることをくり返すことで学んで上達していただければ。もうひとつ言わせていただくと、『バイオハザード』シリーズは敵との距離感が重要なんです。間合いをどうとるか? やられながらその距離感をつかんでいただければと思います。
Q.海外でもすごく期待されているタイトルですが、日本と海外の市場で発売するにあたって、意識したことや苦労したことは?
竹内 『ロスト プラネット』に関わったときは、すごく海外市場を意識して開発していたので、日本と海外の市場の違いをいろいろ考えました。ただ、『バイオハザード』に関しては、シリーズを通して海外でずっと評価されていますので、極端に海外を意識した作りかたをしてしまうと、『バイオハザード』シリーズの本質から外れてしまうと思います。だから極端に意識せずに、これまで培ってきたものを踏まえて開発しました。ただ、キャラクターがしゃべる英語のボイスや、ローカライズの部分はきちっとしました。スワヒリのネイティブの方に来ていただいて、ボイスを収録したり。シェバのしゃべりかたに関しても、スワヒリなまりというものがあったので、そこも再現してあります。
Q.意味深なお墓の広告以来、まったく触れられていないキャラクター“ジル”は、『バイオハザード5』で触れられることはあるんでしょうか?
竹内 ん!? まぁ(笑)、お墓が出ているということは、ゲームの中で重要なポジションであることに変わりのないキャラクターだと思います。キーウーマンですよ(笑)。
Q.『バイオハザード5』の操作体系は、昨今のゾンビものゲームやいわゆるTPSとは異なる操作体系だと思うのですが。
竹内 開発陣がいちばん意識しているのが『バイオハザード』を作るということなんです。たとえば『ロスト プラネット』はTPSを作るイメージ、『ストリートファイターIV』であれば対戦格闘ゲームを作るというイメージがあり、それに沿った操作体系があって、そのジャンルのファンがいます。『バイオハザード』には、ほかのジャンルではない『バイオ』のファンがいますので、『バイオ』として楽しめる操作体系を提供しようと思いました。これについては、とくにTPSライクの操作体系にしようと悩むこともなかったですね。ただ、今回は『バイオハザード』シリーズでは珍しく、操作タイプを選択できるようにしてあります。これは、次世代機なので、いままでと違うお客様や、海外では映画を観てゲームに入ってきたお客様もいると思ったので導入したんです。
Q.ゴア表現(残酷な表現)について、作り手の表現したいことと、各所からの自粛要請など、せめぎ合いがあったと思いますが、いかがですか?
竹内 開発を始める段階から、首がすっ飛ぶとか、体がバランバランになる表現は避けようと思っていました。怖さとゴアはかならずしも結びつくわけではないと思います。だから今作では、クリスがチェーンソーで斬られてやられるときはクリスの足元しか映さないでパタンと倒れたり、最初におっさんが殺されるシーンも恐らく首とか切断されているんでしょうけど、あえてクリスとシェバのアップを見せる。こういった表現のほうが、かえって恐怖が増すんじゃないかなと思います。皆さんの想像力で。 |
最後に竹内プロデューサーは、『バイオハザード』シリーズのファンに向けてこんなメッセージを送った。
「クリスとウェスカーという、『1』から因縁のあるふたりが何らかの結末を迎えるストーリーになっていますので、シリーズファンの方は楽しみにしていただきたいです。新しく『バイオ』をプレイされるファンは、“絆”という重いテーマがあります。クリスとシェバ、ウェスカーとエクセラなど、キャラクター間でさまざまなテーマが秘められておりますので、ストーリーを追いかけるだけでも楽しんでいただけるかと思います。それから今作はオンライン対応ということですが、オンラインがなくても2画面でプレイできます。まさに全方位、隙なし『バイオ』として皆様の期待に応えられるものになっていますので、ぜひ手にとっていただければ! 『バイオハザード5』で次世代機のすごさを感じてもらいたいなと思います」(竹内)
ちなみに、週刊ファミ通3月20・27日合併号(2009年3月6日発売)の巻頭特集(12〜14ページ)では、プレイステーション3用ソフト『バイオハザード5』と、PlayStation Home(ソニー・コンピュータエンタテインメントが“新しい遊び場”として展開するプレイステーション3のオンラインサービス)によるコラボレーションについて掲載している。ぜひ、そちらもチェックしてもらいたい!
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