携帯電話の方はファミ通MAXをご覧ください。

HOME> ゲーム> 創立50周年を迎えた神戸電子専門学校で、ゲーム作品発表会“DigitalWorks2008-2009”を開催

創立50周年を迎えた神戸電子専門学校で、ゲーム作品発表会“DigitalWorks2008-2009”を開催

2009/2/21

  • はてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をつぶやく

●学生たちの1年間の成果を現役ゲームクリエイターが鋭く分析

 

 兵庫県神戸市に校舎をかまえる神戸電子専門学校。ゲームソフト、ゲームデザイン、サウンドなど7分野15学科を持つコンピュータ総合学園として昨年、創立50周年を迎えた同校では“ゲーム業界一直線”を合言葉に、即戦力となるゲームプログラマーを養成しており、これまでに数多くの卒業生をゲーム業界の最前線へ送り込んでいる。

 

 2009年2月20日、この学校のゲームソフト分野に在籍する学生達の作品発表会、表彰する催し”DigitalWorks2008-2009”が神戸市中央区の西山記念会館で開催された。
 

▲会場となった西山記念会館は、学生、来賓などでほぼ満員状態に。

 

 神戸電子専門学校のゲームソフト分野におけるカリキュラムは、プログラミング技術の教育に1本化されており、2〜3年という短い期間で深い知識と技術の習得ができる体制になっている。卒業生の就職先には大手パブリッシャーやデベロッパーも名を連ねるなど、この方針は確かな実績を残しており、業界関係者からの注目度も高いそうだ。それを証明するように、今回の発表会には“ゲームリパブリック”、“サイバーコネクトツー”、“プラチナゲームズ”、“ヘキサドライブ”など錚々たる企業が来賓として出席。将来のゲーム業界を担う才能を見つけ出そうと、作品ひとつひとつに目を光らせていた。
 

▲各企業の現役クリエーターたちが、全作品を厳正に審査した。

 

▲ゲームリパブリック代表取締役社長の岡本氏(左)も来賓として参加。


 DigitalWorksが開催されるのは、今年で9回目。発表会は1〜3学年ごとの優秀作品がノミネート作品として紹介され、その後来賓の投票を経て最優秀作品を決定するというスケジュールで行われた。1年生は初めてのゲーム制作ということで、緊張の中での発表になったが、各人ともしっかりとプレゼン。上級生に比べると技術的な不足は否めないものの、『BARRGE』など独創的な表現でそれを補う作品も見られ、来賓の講評では「もうひとつ何かを加えればもっと楽しくなる」と期待のコメントが寄せられていた。


▲独創的な世界観、表現が光ったチームLUPISの『BARRGE』。


 2、3年生の発表になるとプレゼンテーション能力の高さはもちろん、3DCGを駆使した本格的な作品が相次いで登場。若干のアレンジを加えれば製品として通用しそうな完成度の高い作品も見られた。
 

 2年生の作品では、チーム“may be”の『激闘!トップブレード』がトップに登場。昔のベーゴマを思い出させてくれるような作品だった。物理エンジンを使った戦車ゲーム『PHYSICAL COMBAT』にも「完成度が高い」、「プレイしてみたい」など来賓からの絶賛の声が複数聞かれた。


▲『激闘!トップブレード』は近未来の独楽対決をイメージしたような作品。

  

▲完成度の高いゲームとして評価された『PHYSICAL COMBAT』はチームUNIQUE’Sの作品。

 

 3年生の中には、すでにゲーム会社に就職内定している学生たちも含まれており、高い技術力にオリジナリティーが同居した作品がつぎつぎと登場。『麻雀面子養成ソフト麻雀やらないか』はその内容もさることながら、生徒たちのプレゼンも非常に巧みで、会場からはたびたび大きな笑いが起きていた。
 

▲会場全体を笑いの渦に包み込むプレゼンのうまさには驚かされるばかり。

 

 『Promenade』は先輩から引き継がれた技術を生かし、「自分の気持ちが落ち着くようなゲーム」をコンセプトに制作された作品。プレゼンの最後には先輩たちへの感謝の気持ちを表し、サウンド分野の学生とコラボして同校校歌が映像とともに流すという演出も挿入された。

 

 『電子勇者ウィンドゥザー』もサウンド分野とコラボして制作。“合体と変身のかっこよさ”を追求し「合体のときのアングル、カットにこだわった」という本作に、来賓は「自分のやりたいことが前面に出ている」とコメント。合わせてこのような人材を育成する神戸電子専門学校に対する賞賛の声も寄せられた。
 

▲「散歩を楽しんでほしい」という思いで制作された『プロムナード』。


『電子勇者ウィンドゥザー』では、合体のときに発する声などすべてチーム学生の声を録音して使用。


 エキシビジョンとして発表された『Cards for lonesome player』。“簡単操作でひとりでも遊べる”、“16種類のゲームをひとつのソフトに”がコンセプトの本作を制作したのは、昨年に引き続いての出場となる71歳の高橋武文さん。今春卒業予定ということもあり、プレゼン直後は会場から割れんばかりの拍手が。「先生のご指導によりここまで成長できました」とコメントした高橋さんには、来賓から「いろいろな人に遊んでもらいたいという気持ちが伝わりました」、「去年より格段にレベルが上がっていますね」といった賛辞が贈られた。

 

▲エキシビジョンとして登場した、高橋さんの『Cards for lonesome player』


 そして、すべての学生作品が出揃ったところでいよいよ最優秀作品の発表に。プロが選ぶ今年度ナンバーワン作品の栄誉に輝いたのは、2年生のチーム“UNIQUE'S”が制作した『PHYSICAL COMBAT』。校長の福岡氏から表彰状、トロフィー、副賞を受け取った”UNIQUE'S”代表の尾上将之さんは、「協力していただいた先生がた、友人に感謝しています」と壇上で受賞のよろこびを語った。


▲『PHYSICAL COMBAT』は学生と企業、両方からの注目度が高く満場一致で最優秀賞となった。


▲心からよろこぶ尾上さん(左)と神戸さん(右)。


 発表会終了後には、来賓として出席したクリエイターと学生が作品指導を通じてコミュニケーションを取る場も用意。自分の作品を直接講評してもらえる機会とあって、学生たちは各自持参したPCでプレゼンを行い、積極的に意見交換を行ったり、作品指導を受けていた。ゲーム業界との連携を強化し、即戦力となるゲームプログラマーを輩出している神戸電子専門学校に、これからも期待していきたい。

 

▲ヘキサドライブ代表取締役CEOの松下氏(中央)に熱心に指導をうける学生。

 

▲こちらは、神戸電子専門学校でゲームソフト分野のリーダーを務める白石久雄氏。神戸電子では“業界連携強化”、“プログラミングに特化したカリキュラム構築”、“人間力と品位を有する職業人・専門職業人の育成”を柱に教育に取り組んでいるとのこと。そういったことを強化する理由について同氏は「メーカーなどへ就職した際活きてくるのは、なんでもかんでもよりもひとつのことに集中した知識、技術だと思います。加えて人間力が必須であると確信しています」と説明した。


※神戸電子専門学校の公式サイトはこちら

※ゲームソフト分野の公式ブログはこちら

 

この記事の個別URL

ソーシャルブックマーク

  • Yahoo!ブックマークに登録

評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー

※ ブログ・レビューの投稿はこちら!ブログの使い方

その他のニュース

アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』ミートくんは上坂すみれ、テリーマンは小野大輔。15名の声優が新PVで一挙解禁

2024年7月に放送されるアニメ『キン肉マン』完璧超人始祖編の第2弾PVが公開。声優情報が追加発表。

『ダンジョン飯』イヅツミ(声:神戸光歩)、マイヅル(声:日笠陽子)など第2シーズンの登場キャラクター&声優情報が公開

アニメ『ダンジョン飯』より第2シーズンのキービジュアル第2弾が公開。新キャラクターや各声優情報なども明らかになった。

【アケアカ】4月のアーケードアーカイブスはナムコ月間。抽選で記念品がもらえるタイトル予想キャンペーンも実施中

2024年3月28日、ハムスターの公式配信“アーケードアーカイバー”にて、4月のアーケードアーカイブスが4作品すべてナムコタイトルになることが発表された。抽選で記念品がもらえるタイトル予想キャンペーンも実施中。

『聖剣伝説 ヴィジョンズ オブ マナ』小山田Pインタビュー。誰が見ても『聖剣伝説』であると感じられるよう、まずはビジュアル面からアプローチ。開発はネットイース・桜花スタジオとの初タッグ

スクウェア・エニックスより、2024年夏発売予定の『聖剣伝説 ヴィジョンズ オブ マナ』について、小山田 将プロデューサーにインタビュー。

『聖剣伝説 ヴィジョンズ オブ マナ』先行レビュー。セミオープンフィールドの広大な冒険や、いつでもクラスチェンジできるバトルシステムが味わえた

スクウェア・エニックスより2024年夏発売予定の『聖剣伝説 ヴィジョンズ オブ マナ』。2024年3月に行われたメディア向け試遊会にて体験できたゲーム内容をリポート。

【ソフト&ハード週間販売数】『プリンセスピーチ』が首位スタート! 『ドラゴンズドグマ 2』『Rise of the Ronin』などの新作もトップ10入り【3/18〜3/24】

ファミ通発表の売上ランキング。今回は2024年3月18日〜3月24日のゲームソフト&ハード週間推定販売数まとめをお届け。

『コープスパーティーII Darkness Distortion』2024年秋に発売決定。新作の舞台はいわくつきの“廃病院”

MAGES.は、ホラーアドベンチャー『コープスパーティー』シリーズの完全新作『コープスパーティーII Darkness Distortion』を2024年秋に発売決定。作品概要やあらすじ、登場キャラクター、ティザーPVなどの新情報を公開した。

『モンハン』デフォルメされたリオレウスなどモンスターのアクキーやマグネット、ティッシュケースなどが登場。20周年コラボカフェのグッズ情報が公開

カプコンは、2024年4月12日(金)〜7月4日(木)にカプコンカフェ池袋店・梅田店で開催する『モンスターハンター』コラボカフェのオリジナルグッズを公開した。

【最大90%オフ】『デスペラドロップス』初セールで5980円(20%オフ)、『サムライメイデン』4950円(50%オフ)などのD3P“SPRING SALE”がニンテンドーeショップで開催

ディースリー・パブリッシャーは、ニンテンドーeショップで販売中のダウンロードソフトを対象とした“SPRING SALE”を開催。期間は2024年4月17日(水)まで。

Switch『マブラヴ 20th Odyssey Box』本日(3/28)発売。『マブラヴ』『オルタネイティヴ』『TDA00〜03』やメカ設定資料集などがセットに

aNCHORとfuzzは、Nintendo Switch用ソフト『Muv-Luv 20th Odyssey Box』を発売。パウル・ラダビノッド司令(声:若本規夫さん)に名前を呼んでもらえる“マブラヴ20th任官式イベント(仮)”の参加申し込みフォームも公開した。