HOME> ゲーム> “OGC 2009”基調講演でNHN Japanの森川社長がハンゲームの成長の秘密と今後の方向性を語った
●2890万IDの登録者数を誇る巨大ポータルサイトの目指す方向とは?
ブロードバンド推進協議会は2009年2月5日、東京都千代田区のベルサール神田にて“オンラインゲーム&コミュニティサービス
カンファレンス(OGC) 2009”を開催した。これはオンラインゲームとオンラインコミュニティサービスを扱ったさまざまな講演会が実施されるイベント。
このOGC 2009の基調講演を行ったのは、巨大ポータルサイト、ハンゲームを運営するNHN
Japanの代表取締役社長、森川亮氏。“-ハンゲーム- ビジネスモデルと今後の方向性”というお題で持論を展開した(事前の発表では“日本最大級のオンラインゲームポータル「ハンゲーム」について。NHN Japanが目指すもの”)。
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まず森川氏は、NHN
Japanとハンゲームの現状を説明。その驚くべき数字が明らかにされた。2008年12月期の決算で、NHN
Japanの1年間の売上は115億1000万円。ハンゲームとハンゲ.jpという携帯サイトなどがおもな事業で、スタッフ数は約700人。ここ数年、毎年30パーセントという、まさに右肩上がりの成長を続けている。
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▲2003年の売上は約4億5000万円。5年で20倍以上の成長を遂げたことになる。 |
ハンゲームは、もともと韓国で花札の対戦版としてスタートしたサイトで、2000年10月に日本語版のサイトがオープン。2003年10月に日本でNHN
Japanが設立され、現在に至っている。当初は麻雀やトランプゲームなどのカジュアルゲームを中心に自社コンテンツを展開しつつ、他社が運営しているオンラインゲームの窓口にもなって(チャネリングサービス)、取り扱いタイトルを充実させていった。現在、カジュアルゲームは“かんたんゲーム”、他社のMMORPGなどは“じっくりゲーム”とカテゴライズされ、いずれも成功している。最近では“かんたんゲーム”の『麻雀3』が毎月約30万人のユーザー、『ハッピージグソー』が毎月約11万人のユーザーを集め、『わくわくフィッシング』が同時接続者数10000人を記録するヒットとなっている。“じっくりゲーム”では、2008年にカプコンの『モンスターハンター
フロンティア オンライン』、コーエーの『信長の野望 Online』、『大航海時代 Online』、ガンホー・オンライン・エンターテインメントの『ラグナロクオンライン』、『エミル・クロニクル・オンライン』、ハンビットユビキタスエンターテインメントの『グラナド・エスパダ
プラス』などの他社が運営している国内有数タイトルのサービスがスタート。2009年に入っても、JC
Globalの『Heroes in the Sky』、ゲームポットの『ペーパーマン』のサービスが始まっている。さらに『Legend
of Luna』などの自社タイトルも提供しており、2009年2月1日現在の遊べるゲームはなんと、187タイトル。巨大ポータルサイトとしての立場はすでに確固たるものなった感がある。なお、ユーザーは10代、20代の若い層が中心で、全体の約6割を占めるという。
他社が運営しているタイトルには月額課金のタイトルもあるが、森川氏によると、基本的にハンゲームのタイトルは「無料で誰でも気軽に遊べる」(森川氏)が中心。そのため、ハンゲーム内でユーザーの分身となるアバターのアイテムに課金するという特異な課金システムをとっている。具体的には、アバターが着る服を売っているのだが、森川氏は現実の服と違い、デジタルの服には古くならないので、購入意欲を刺激する工夫が必要だと言う。例えば、季節のイベントに合わせて期間限定で販売し、レア性を高めるなどの工夫をしているのだ。その一環で、2009年1月28日、それまでのデフォルメされたアバターから一変し、スタイリッシュでモデルのような等身を備えた“アバターCool”が実装された。この“アバターCool”向けにバーチャルなブランドが設定され、各ブランドから“ストリート”や“フェミニン”といったテーマに沿ったアバターアイテムが販売された。森川氏によると、余裕のある人向けに作ったが、発売してみるとプレゼントとして購入する人が多く、新たな需要が掘り起こされたという。また、“アバターCool”では「見られても恥ずかしくない」(森川氏)スタイリッシュな外見が追求されており、「重要なのはリアルとの接点」(森川氏)。この“リアルとの接点”という視点は、今後のハンゲームでも重視されるという。
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▲“アバターCool”の導入に当たっては、当初、ユーザーからの反発もあったことも明らかにされた。しかし、森川氏はユーザーの選択肢を増やすことが重要だと考え、導入に踏み切ったという。ユーザーの選択肢を増やすことが重要という考えは、他社タイトルの提供の根底にもあるともこと。ユーザーにはNHN Japanのタイトルだろうが、他社のタイトルだろうが関係ないという考えだ。 |
森川氏が「ゲームとコミュニケーションを結びつけたサービスは世界でも我々が初めて」(森川氏)と自負するとおり、ハンゲームではブログやSNSといったコミュニケーションサービスも重視されている。こうしたコミュニケーションサービスで通じて形成された人間関係が、「出会った人によく見られたい」(森川氏)という思いを生み、アバターアイテムの販売を加速させるというのが、ハンゲームの狙いでもある。
また一般的に、韓国では対戦が人気で、ゲームの勝ち負けが重視されるのに対し、日本では人と人とが楽しめることが重視される。そのため、勝負の結果をはっきりさせないことが好まれるとも森川氏は語った。例えば、『プロ野球 ファミスタ オンライン3』では、もとになった『ファミリースタジアム』シリーズよりも運の要素を多く取り入れ、実力による勝ち負けが明確になることを回避しているのだ。初心者でも勝つことがある程度に、運の要素を取り入れるというバランスに仕上げられている。
また、「最近のチャレンジ」(森川氏)として、ハンゲームでは大人向けのサービスも重視されている。具体的にはパチンコ、パチスロ、麻雀などのコンテンツで、森川氏は「大人が楽しく、ゆったりと遊べる場所も必要」という考え。カードゲームやボードゲームも増やしていく計画もあるそうだ。この“大人向けのコンテンツ”は、カジュアルゲーム、ゲーマー向けのゲームとともにハンゲームの3本柱となり、さらに幅広いターゲットに訴求する切り札と考えられている。
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最後に今後の方向性が語られた。森川氏は近い将来のメディアとインターネットに関して、「PCや携帯電話、テレビなどがシームレスにつながっていく」(森川氏)と展望。遊びのためのさまざまな場所を提供していくことが重要であることを指摘した。その将来像に沿ってすでに携帯サイトの“ハンゲ.jp”が運営されているが、今後はハンゲームとの連動も増やしていく計画もあるという。森川氏は「重要なのはリアルとの接点」(森川氏)と語ったとおり、メディア間の境界の消滅は現実世界にも波及していくと考えており、ハンゲームが「リアルな世界ともつながっていく」(森川氏)構想があることも明らかにされた。
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