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死なないアクションゲームの魅力とは!? 『プリンス・オブ・ペルシャ』インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2009/1/23

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●爽快なアクションを支えるゲームの骨格

 世界中で絶賛された『アサシン クリード』のスタッフが手掛ける最新アクションゲーム『プリンス・オブ・ペルシャ』。主人公のプリンスと、パートナーのエリカが手を取り合って協力しながら冒険をくり広げる同作は、独特なタッチで描かれるグラフィックと、アクロバティックなアクションの数々が魅力的な作品だ。この豪快なアクションを支えているのは、作り手のある情熱と言えるかもしれない。今回は、週刊ファミ通編集部出身のフリーライター、世界三大三代川が実際にプレイして読み取った『プリンス・オブ・ペルシャ』の魅力と、その支柱をお伝えしていく。


●遊びやすさの追求が生んだ、ゲームオーバーのないアクションゲーム

 ゲームオーバーを回避するためにうまくプレイする中で快感を得る。アクションゲームの基本的な構成と言えばそういうものだろう。ミスをすればゲームオーバーになってしまうスリルが隣り合わせになっているからこそ、無事にクリアーしたときの達成感が味わえる。これまで長いあいだゲームをやってきたが、アクションゲームの魅力と言えば、そういうものだと思ってきた。だが、今回取り上げるゲームに限って言えば、その考えは通用しないようだ。なぜなら、今回遊んだ『プリンス・オブ・ペルシャ』は、ゲームオーバーのないアクションゲームなのである。

 

 『プリンス・オブ・ペルシャ』は、2008年12月18日にXbox 360で発売され、プレイステーション3で2009年1月22日に発売されたアクションアドベンチャーゲーム。シリーズ第1作は、PCやスーパーファミコンなどで発売され、2Dグラフィックと思えない滑らかなアニメーションとストイックなアクションが話題となった。『ゲームセンターCX』で有野課長が挑戦した姿を見た人もいるのではないだろうか。その第1作から20年近いあいだに本シリーズは3Dのアクションアドベンチャーに進化。シリーズ最新作となる本作でも広大な世界を駆け回る3Dアクションが楽しめる。だが、3Dの奥行きがあるアクションゲームというと、やけに難度の高いゲームを想像し、プレイするまえから敬遠してしまう人も少なくない。ましてや、シリーズ第1作の『プリンス・オブ・ペルシャ』はひとつのミスが即ゲームオーバーとなる非常に難度の高い作品だった。だが、この作品ではそうそう挫折することはないはず。それは冒頭に書いたとおり、このゲームにゲームオーバーというシステムがない、極めて稀なアクションゲームだからだ。

 

プリンス・オブ・ペルシャ


 本作の主人公は、盗賊のような身なりをしたチョイ悪な“プリンス”。彼はひょんなことから、不思議な力を持った少女“エリカ”と出会い、ふたりで各地の神殿や遺跡をめぐることになる。だが、彼らの行く手は巨大な崖があったり、橋が途切れていたりと、道ならぬ道を進まねばならない。通常のゲームであれば、そういった崖に何度も落ちてダメージをくらいながら進む、いわゆる“トライ&エラー”が求められる。だが、本作では崖などから落ちそうになると、エリカが未知のパワーで救い、落ちるまえの状態に戻してくれるのだ。しかも、回数制限なし! なんとも懐の広いゲームである。じゃあ、本作は何度もやり直しの効くやり応えのないゲームかと言えば、そんなことはない。崩れた遺跡などでどういうルートを通って進むか、その探索に頭を悩ませることになるのだ。目の前に見えている目標地点へ行くために、どう進むか、そのルート選びが重要となる。……とはいえ、じつはそのルートさえもメインストーリーを進むためだけならば、道筋をエリカが示してくれる。進む道に迷ったらボタンを押すだけで、エリカがどう進めばいいのかを教えてくれるのだ。これまた回数制限はなし。何たるサービス精神。困難を乗り越えていくゲームとは思えない内容である。ちなみに、ゲームを進めるために途中でフィールドに散らばった“光の種”というアイテムを集める必要が出てくるのだが、ここだけはエリカもルートを教えてくれることはない。そのため、光の種を集めるルート捜しは自分の力が頼りになることを書き加えておく。

 

プリンス・オブ・ペルシャ

プリンス・オブ・ペルシャ

 

 このプレイヤーをいつでも助けてくれるエリカの万能パワーは、救助だけに使われるのではない。プリンスだけでは届かない場所へジャンプする際などに、空中でエリカのパワーを使って二段ジャンプを行うのだ。また、敵との戦闘でもプリンスの剣攻撃とエリカのパワーを組み合わせ、宙に舞いながら攻撃するといった応用も可能。プリンスとエリカが協力して行うアクションはどれも小気味よく、プレイしながら「オレ、うまい!」と自画自賛してしまうほど、非常に気持ちいい気分が味わえる。こういった小気味いいアクションは、つねにエリカと行動をともにする本作ならではのシステムが生んだ爽快感だろう。その最たる例が、敵との戦闘だ。剣攻撃、プリンスの持っているカギ爪による攻撃、そしてエリカのパワー、この3種を組み合わせたコンボは多彩なバリエーションがあるばかりか、どれもカッコいいアクロバティックな動きが楽しめるため、ついついさまざまな攻撃方法を試したくなってしまう。さらに崖際で敵と戦うと、敵を崖底に突き落としたり、逆に崖際でピンチな場合には反転して敵と位置を入れ替えるといった特殊なアクションが発動。これらのアクションはどれも特別なカメラワークで映されるため、いちいちカッコいい! 敵にトドメを刺す際には、こっちが崖際まで寄ってわざと追い詰められるところから逆転するという演出を組みたくなるほどだ。惜しむらくは、敵との戦闘が頻繁には発生しない点。このアクションをもっと試したいのに敵がいない! というジレンマに陥るのだが、これはある意味ゲームを進めさせるための作戦なのかもしれない。

 

プリンス・オブ・ペルシャ

プリンス・オブ・ペルシャ

 

 アクロバティックで爽快なアクション。ゲームオーバーがなく、いつでもエリカのヘルプが仰げるゲームシステム。これまで紹介してきた本作の大きな魅力は、徹底的に追及された遊びやすさがベースとなっている。昨今は、海外製のゲーム、いわゆる“洋ゲー”も遊びやすくなっているが、本作の丁寧な作りはその中でもトップクラスだろう。操作の快適さはもちろんのこと、プリンスとエリカのセリフはすべて、俳優の浪川大輔と成海璃子が吹き替えを行っているのもポイントだ。プリンスとエリカのふたりは、ことあるごとに会話をするのだが、それらがすべて翻訳されたフルボイスで聞けるのは非常にうれしい。また、3Dで描かれたゲームながら、キャラクターはアニメーションのセル画で描かれたような“トゥーンシェード”という技術が使われているところも、日本人向けと言えるかもしれない。本作には、いかにも洋ゲーと言えるような強烈な個性はない。人によってはその点に不満を持つかもしれないが、本作で初めて洋ゲーを遊んだ人は違和感なくこの世界に入り込めるだろう。まだ洋ゲーをあまり遊んだことがないという人には、ぜひ本作を入門用として遊ぶことをオススメする。最後に。本作のプリンスとエリカが協力をしながら進むシステムには、もっともっといろいろなことができる可能性を感じる。このシステムをさらに進化させた続編が出ることを願いつつ、本作を遊んでいようと思う。

 

text by 世界三大三代川

著者紹介
世界三大三代川

プリンス・オブ・ペルシャ

週刊ファミ通編集部出身のフリーライター。シリーズ第1作の初代『プリンス・オブ・ペルシャ』では、何度も串刺しになった苦い思い出を持つ。自力でエンディングを観ることはできず、エンディングを観たのは『ゲームセンターCX』の中で。


プリンス・オブ・ペルシャ

対応機種

プレイステーション3、Xbox 360

メーカー

ユービーアイソフト

発売日

発売中

価格

各7329円[税込]

テイスト/ジャンル

ファンタジー / アクション

備考

 



※『プリンス・オブ・ペルシャ』公式サイトはこちら
 

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