HOME> ゲーム> 洗練されたドライビングアクションがここに 『RACE DRIVER GRID(レースドライバー グリッド)』プレイ・インプレッション
●実績に裏打ちされた確かな遊び応え
英国に本社をかまえるコードマスターズが日本展開第一弾としてリリースする『RACE
DRIVER GRID(レースドライバー グリッド)』。プレイステーション3とXbox 360で同時リリースされる同作は、10数年ドライブゲーム開発を手掛ける同社が培った技術を組み込んだ次世代エンジン“EGOエンジン”によって実現した美麗なグラフィックとクルマの挙動、予想外のレース展開が持ち味のレースゲームだ。さらに、ヨーロッパ、アメリカ、日本を舞台にくり広げられるレース、そして最大12人での対戦が可能なオンラインモードなど、遊び応え十分な内容も注目したいところだ。そんな『RACE
DRIVER GRID(レースドライバー グリッド)』を、週刊ファミ通編集部出身のフリーライター、齋藤モゲがいち早くプレイ。そのプレイ・インプレッションをファミ通.comにて掲載する。
●骨太なレースシミュレーターと間口の広いレースアクションのどちらも楽しめる
ここ数年、レースゲームというジャンルに個人的には多少の不安感を持っていた。2007年と2008年に発売されたレースゲームのタイトル数が決して多くはなかったのだ。もちろん、その中には人気シリーズが数多く存在するため、遊ぶゲームに困るという事態に陥るほどの危機的な状況ではない。さらに言えば、箱庭系アクションゲームにおいてのひとつのファクターとして、クルマでのレースが盛り込まれているモノも存在する。これで満足するという手段もあるのだが、いちレースゲームファンとしては少々物足りなかったというのもまた事実だ。
個人的に抱えていたそんなレースゲームの逼塞感や不安感を打破してくれそうだと、以前から期待を寄せていたのが本作である。なぜまったく新規のタイトルに筆者が確信を持てるほど期待していたのか。それは、本作の制作を手がける“コードマスターズ”というイギリスの制作会社が、長らく『コリン・マクレー・ラリー』などを作っていたからである。趣旨がズレてしまうので詳細な説明は省くが、長年レースゲームを記事などで担当することも多かった筆者にとって、この制作会社のタイトルは別格と位置づけていた。極力ニュートラルな立場では書いていこうと思うが、本作のインプレッションをこのまま読み進められる皆様には、そんな筆者の状況を把握していただき、もう少々お付き合いいただければ幸いだ。
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のっけからレース以外の話をしてしまって恐縮だが、本作には少しユニークなポイントがある。それは、“読ませる”というファクターを極力排除しているということだ。本作のメインモード“GRID WORLD”には各種のレースに勝って評価である“グローバルポイント”を高め、資金を稼ぎ、最終的にはル・マン24時間耐久レースにみずからのチームで出場するという目的がある。そういったストーリーであったり、出場する各レースについての説明などを、本作では基本的に音声とムービーで説明するという演出方法で行っているのだ。これがなかなか小気味よく、レースに挑むテンションがグッと上がっていくのを体感できる。レースゲームにおいて、こういった“プレイヤーのモチベーションの向上”という要素にまで気を配っている作品は少ないため、ここは素直に感嘆した部分である。また、コースとその空気感、マシンとクラッシュ表現などのビジュアル面もかなり高いレベルで仕上げられている。見た目に関しては、ここでその凄みを切々と語るよりも、公式サイトのムービーや下記の写真などを見ていただき、そこで皆さんが感じたものがほぼすべてだと思うので、ここでは割愛する。
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さて、実際にマシンを走らせてみて、最初に驚くポイントが圧倒的なスピード感だ。レースゲームには大別して、走りの爽快感やスピード感を重視したタイプと、リアリティーやシミュレート性を重視したふたつのタイプがある。まあ、わかりやすく言えば『リッジレーサー』系統か『グランツーリスモ』系統か、である。正直言って、本作で最初に数レースを走らせただけのときには、前者の爽快感重視の作品のように感じられた。とはいえ、たとえば近未来を舞台にしたレースゲームのような、常軌を逸したスピード感がある訳ではない。ここで違和感を持った。「あの『コリン・マクレー・ラリー』のときのリアリティーはどうした?」と。極端ではなく、常識レベルで“ゲーム”な手触り。そしてたっぷりのスピード感。確かにおもしろいが……らしくない。
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その感覚がひっくり返ったのは、ホイルスピンの防止をするトラクションコントロールやタイヤロックを防ぐアンチロックブレーキングシステムなど、各種ドライビングアシスト類をオフにしてみたときである。本作では前述のようにレースに出場してみずからの評価を高めることが序盤の目標になるのだが、挑戦するレースの難易度を上げたり、ドライビングアシストをオフにすることで、ひとつのレースで獲得できるグローバルポイントが上がる。「シミュレーター系のレースゲームもどちらかと言えば得意だし、どうせならオフでやってみるか……」。そこで本作のイメージが大きく変わったのだ。正直に言う。「クルマの挙動を理解していない人はお断りですか?」。こう思えるほど、シミュレーター色が一気に強くなるのである。ブレーキを強くかければタイヤがロック。コーナリング中ならほぼスピン間違いなし。コーナーの脱出中でも、アクセルを乱暴に開ければすぐにホイルスピンで挙動が乱れる。当然、そこでカウンターを当てる量を間違えれば即スピン。マシンの挙動が不安定なときに、ライバルマシンにテールをつつかれてもスピン……。つまり繊細なアクセル&ブレーキワーク、加重移動を考えながら行うコーナリングなど、シミュレーター系レースゲームで必要となるドライビングテクニックが要るのである。しかも、それを「爽快感抜群」なんて気軽に言っていたスピード感の中で、油断すればすぐにテールを突き回すライバルカーとの激しいバトルの中で行わなければならないのだ。派手なクラッシュをすれば即リタイヤ。マシンにもダメージがどんどん蓄積されていくという、比較的シビアめなシステムなのに。やりやがった! これはコードマスターズからの挑戦状だ!
ここで効いてくるのが、本作ならではの要素である“フラッシュバック機能”だ。その名からもうっすら推察できるとは思うが、この機能はスピンやクラッシュをしてしまう数秒まえに戻り、そこからレースを続行できるというもの。己のミスはもちろん、ライバルマシンが接触したときにも役に立つが、1レースで使えるのは最大5回。リトライを選ぶか、このフラッシュバック機能を使うか……これまでに走ってきたレース展開を考慮して、決めなければいけない。当然、このフラッシュバック機能をオフにしてレースを行うことも可能。この場合もレースで獲得できるグローバルポイントがドライビングアシスト機能をオフにしたとき同様に上がる。だが、フラッシュバックとドライビングアシストのすべてをオフにすれば、とてつもなく難易度は上がるので、挑戦する際は覚悟していただきたい。
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本作にはいわゆる決められたコースを周回する、レース然としたレース以外にも、鮮やかなドリフトを決めることで得点を稼ぎ、ライバルとその得点を競う“DRIFT GP”。峠を舞台に、ダウンヒルとヒルクライムという2本を走り、そのタイムの合計でライバルと決着をつける某マンガのような“PRO TOUGE”。ライバルにクルマをぶつけるなど、妨害を駆使しながらダーティーな(!?)レースを行う“STOCK CAR”など、多彩なレースがグローバルポイントと資金を稼ぐ手段として用意されている。レースの種類が豊富なのは、このご時勢では特筆すべき点にはならないものの、レースのひとつひとつが高いレベルで作り込まれている点は素晴らしい。また、各レースを行うための必然性にムリが生じておらず、飽きのこない程度の変化が与えられるものの、最終目的を目指すプレイヤーのモチベーションが低下するほど鼻先が変えられない――そんなバランス感覚も見事である。
少し本作の硬派な手応えを強調してしまったが、誤解しないでいただきたい。あくまでもこれはドライビングアシスト類なしという条件でプレイした場合でのこと。アシスト類をつければ、コアなレースゲームファン以外でも、気軽にスピード感溢れるレースを堪能できる良作なのだ。冒頭に述べたように、いちレースゲームファンとして一抹の不安を感じていた中で“門戸は広く作りつつも中身は骨太”という、こういったタイトルがリリースされるということが非常に喜ばしいのである。本作が昨今のレースゲームの状況を変革する一石となってくれることに期待しつつ、駄文を締めさせていただく。
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著者紹介 |
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週刊ファミ通出身のフリーライター。編集部在籍時はレースゲームの記事を多く担当していたこともあり、本作のインプレッション担当に。ふだんは真面目な文章なんざ滅多に書かねぇロクデナシなんですが、今回ばかりはレースゲームの置かれた状況なんかを考え、ちょいとマジになっちゃいました。 |
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RACE DRIVER GRID(レースドライバー グリッド) | |
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対応機種 |
プレイステーション3/Xbox 360 |
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メーカー |
コードマスターズ |
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発売日 |
発売中 |
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価格 |
各7140円[税込] |
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テイスト/ジャンル |
レース / アクション |
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備考 |
プレイステーション3版はPLAYSTATION Network対応、G25 Racing Wheel対応、GT FORCE Pro対応、GT FORCE RX対応、Xbox 360版はXbox LIVE対応、Xbox 360 ワイヤレス レーシング ホイール対応 |
※『RACE
DRIVER GRID(レースドライバー グリッド)』公式サイトはこちら
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