その世界、そのシステムこそは王道 『ラスト レムナント』プレイ・インプレッション
【プレイ・インプレッション】
●発売から1ヵ月、いま再びお勧めする王道RPG
スクウェア・エニックスから世界同時リリースされた完全新作RPG『ラスト
レムナント』。Xbox 360で先行発売された同作は、軍勢と軍勢によるバトルや美しいグラフィックが目を引くが、何よりもコマンドバトルの奥深さと自由度の高いゲーム性で、骨太なRPGを好むゲームファンを魅了した。そんな『ラスト
レムナント』を元週刊ファミ通編集者・世界三大三代川がインプレッション。プレイしたからこそわかる『ラスト
レムナント』の本質とは?
●奥深い戦闘の果てに感じる、RPGの王道の楽しさ
古くは『ウィザードリィ』や『ウルティマ』、家庭用ゲーム機では『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』。これらの有名RPGはどれもファンタジーをベースにした王道の世界観を構築してきた。『ファイナルファンタジー』などは続編が出るに従って、SFの要素を取り込み始めたが、初期作のほとんどは王道のファンタジーである。一方、昨今のRPGでこういった王道のファンタジーRPGはあまり見かけなくなっている。その理由としては、従来のRPGとの差別化だったり、王道からの脱却を図ったものだったりと、さまざまなものがあるのだろう。確かにそういった新しいRPGもおもしろいのだが、逆に王道が少なくなると寂しく感じてしまうのも事実である。「剣と魔法を使って、未知のダンジョンを探索し、ドラゴンやゴブリンのような魔物と戦うRPGを遊びたい!」そんな王道好きの人に遊んでもらいたいのが、今回紹介する『ラスト
レムナント』である。なお、本作のXbox 360版は発売から1ヵ月以上が経っているため、もうクリアーしている人もいるだろう。このインプレッションは、本作を買おうかどうしようか悩んでいる人、気になっているけどまだ買っていない人たちへ向けたものなので、新情報などはゼロである。もし、すでに遊んでいる人ならば、「確かに、ここがおもしろいよね」などと自分の感想と比較しながら読んでもらえれば幸いだ。
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『ラスト レムナント』は数々の名作RPGを排出してきた、スクウェア・エニックスの完全新作RPG。レムナントが存在しない果ての島、ユラム島に住んでいた主人公ラッシュが、謎の組織にさらわれた妹のイリーナを捜すため、広大な世界へ冒険に出ていく。世界にある町の中には若干アジアンテイストが漂うものなどがあるが、そのどれにも巨大なお城があったり、さまざまな種族が暮らしていたりと、まさに王道と言えるファンタジーの世界が構築されている。だが、それらと大きく異なるのが、ゲームの特徴でもある、謎の物体“レムナント”が存在する点だ。レムナントは超巨大な剣のようなものから中型の大砲のようなものまでいろいろな形状がある謎の物体。レムナントと契約をした者は、レムナントを武器として扱えるが、その存在意義などは一切謎に秘められている。このレムナントは実際に戦闘でも使用できるのだが、この戦闘こそ本作の最大の特徴であり、魅力なのである。
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本作の戦闘はコマンドを選択して敵と戦う、オーソドックスなコマンドバトル……なのだが、戦闘に参加するのは個人のキャラクターではなく、複数の小隊(作中では“ユニオン”と呼ぶ)が入り乱れて戦う集団戦になる。コマンドで指示を与えるのは各ユニオンごとになるため、1ユニオンを1キャラクターとして捉えれば大枠は従来のRPGと変わらない。そのユニオンに組み込める人数は最大5人で、ユニオンを作れる数も最大5組なのだが、仲間にできる人数は最高で18人。すなわち、各ユニオンに5人を組み込もうとすると、5人組のユニオン3つと、3人組のユニオンひとつしかできなくなる。ならば、どう分配するか。この戦略こそ、このゲームで非常に重要なポイントなのだ。5人組のユニオンは1回の攻撃で5人が行動するため、1回に与えられるダメージは多くなる。だが、3〜4人組のユニオンを多く作ったほうが、1組の敵ユニオンに対し2〜3組以上のユニオンで攻撃を仕掛けることができるようになるうえ、複数で挑めばより大きなダメージを与えられる“サイドアタック”が発生するのだ。すでにこの時点でどっちのほうが有利と言えないのだが、さらに敵が使う術法などは複数のキャラクターにダメージが当たるため、3人組のユニオンよりも、人数が多い5人組のユニオンのほうが受けるダメージも増えてしまう。「じゃあ、少人数で分散したほうがいいじゃん」と思ったあなた。その発想は至極もっともである。……だが、このゲームはそんなに甘くない。人数が減れば、それだけユニオンごとに設定されたHPが減るため、敵から各個撃破をされやすくなってしまうのだ。じゃあ、どうすりゃいいのか? その答えは、各自ベストの方法を探ってくださいという曖昧な答えになる。確かにいくつか、よりよい方法という編成は見つかるのだが、そのユニオン編成をしていれば絶対に勝てるというものはない。ザコ敵用、ボス敵用と編成を変えるのがもっともいい方法であり、その編成を悩むのが、またたまらなくおもしろいのだ。そして、その万全の編成を作ったとしても、より悩ませるのが状況に応じて変化するコマンドである。
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RPGのコマンドと言えば、“戦う”、“魔法”、“アイテム”などが一般的だろう。だが、そのどれもがこのゲームには存在しない。では、どんなコマンドがあるのかと言えば、その戦闘の状況ごとに自動的に変化していくのである。武器を使った攻撃、必殺技を使った攻撃、術法を使った回復など種類は大きく分けられるのだが、これらの出現するコマンドは味方のHPや編成、敵の数、味方と敵の距離などによって毎回変化するため、その中からベストのコマンドを選んでいくしかない。たとえば「HPを回復したい」と思っても、そういったコマンドが出なければ、そのターンで回復できないのだ(とはいえ、味方がピンチのときにはほぼ確実に回復系のコマンドは出現するようになっている)。ぶっちゃけ不便である。強敵を相手にしているときに、近寄りたくないから待機をしようと思ったのに、攻撃系のコマンドしか出なくてしかたなく攻撃させたら返り討ちされた……なんてことはザラなのである。だが、そういったシステムなのだと理解をして戦闘に挑んでみれば、不便という発想は180度転換され、毎回のコマンドに恐ろしいほどの緊張感が生まれてくる。確実に敵を殲滅するにはどうするのがベストか、HPはまだ半分以上あるけど現時点で回復しておいたほうがいいか、味方と敵の状況から戦況を先読みしたうえで、表示されるコマンドから最適な行動を探る。その行動がうまくハマったときの喜び、その行動で味方が大ピンチに陥ったときの絶望感と、ピンチから脱出するために考え直す焦燥感、これだけ戦闘のコマンドに悩むことが楽しいRPGはそうそうない。しかも、「もう負ける……」と絶望の淵に立ったときに限って、強力なレムナントを使うコマンドが表示され、それで一発逆転というドラマのような状況になりえるのだ。
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ここまでほとんど戦闘のことばかり綴ってきたが、これ以外にもフィールドの探索、武器の作成などいろいろと魅力はある。しかし、本作の魅力を語るうえではやはりこの戦闘がいちばんだろう。王道の世界観に王道のコマンドRPGかと思いきや、フィールドにはときおりネットワークRPGのようにレアモンスターが発生したり、コマンドは前述のように思い通りにならなかったりと、いろいろと規格外の内容になっている。だが、敵との戦闘に若干の恐怖を抱きながら未知のフィールドを探索する気持ち。これこそRPGの基本中の基本であり、もっとも楽しい王道の魅力なのではないだろうか。いざ、ゲームを始めれば、その手強さと奥深さ、そしてどこか懐かしい感覚のする楽しさに、きっと虜になるだろう。自分で試行錯誤して、その過程と結果が楽しむ。ゲームって、この悩んで敵を倒すのが楽しいんだよなと、ゲームの楽しさの原点を見つめ直すいいきっかけになるはずだ。……ただし、難度の低いRPGばっかり遊んできた人や、自分で試行錯誤をすることが苦手な人には、あまりオススメできないかもしれない。
text by 世界三大三代川
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著者プロフィール |
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週刊ファミ通編集部出身のフリーライター。RPGはセーブポイントで毎回セーブする慎重派なのだが、なぜか『ラスト レムナント』ではセーブをし忘れることが多く、戦闘で全滅してはそのことを後悔する日々。 |
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ラスト レムナント | |
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対応機種 |
プレイステーション3、Xbox 360、PC |
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メーカー |
スクウェア・エニックス |
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発売日 |
プレイステーション3版:発売日未定 |
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価格 |
プレイステーション3版:価格未定 |
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テイスト/ジャンル |
冒険・ファンタジー / RPG |
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備考 |
『Xbox 360 ラスト レムナント プレミアムパック』は34800円[税込]、『ラスト レムナント』特製オリジナルフェイスプレート、『ラスト レムナント』メドレーバージョン プレミアムサウンドトラックCD、Xbox 360本体、Xbox 360 ハードディスク(60GB)、Xbox 360 ワイヤレスコントローラー、Xbox 360 メディア リモコン、Xbox 360 D端子 HD AVケーブル、LANケーブル、ACアダプター同梱、ディレクター:高井浩、プロデューサー:上田信之、アートプロデューサー:直良有祐 |
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