HOME> ゲーム> ゲームのアフレコでは群を抜いて難しかった!『プリンス・オブ・ペルシャ』の主役、プリンス役の浪川大輔に直撃インタビュー
●「成海璃子さんとは演技がマッチした」
2008年12月9日に行われた“『プリンス・オブ・ペルシャ』発売記念イベント”に合わせて、主役のプリンス役を演じる声優の浪川大輔にインタビューを敢行した。浪川に『プリンス・オブ・ペルシャ』のアフレコの苦労話などを聞く。
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▼『プリンス・オブ・ペルシャ』で主役のプリンス役を演じる浪川大輔。映画『ロード・オブ・ザ・リング』のフロド役や、『機動戦士ガンダム00』のミハエル・トリニティ役などでおなじみ。 |
――プリンスの第一印象を教えてください?
浪川 最初にイラストを見たときは、ぶっきらぼうなキャラだと思っていたのですが、実際に現場で開発の方と話してみると、まったく違う方向性のキャラでした。若くて、チャラくて、軽い感じ。だから声のトーンとかも、最初にイメージしたものとはかなり違いましたね。役柄はオーディションで決まったのですが、名前を伏せて、声だけを聴いて、僕が選ばれたみたいです。僕の声質がプリンスのイメージに合っていたみたいですね。
――役柄は現場に入って作り上げていったのですね?
浪川 そうです。僕は現場に行くまではあまり作り込まないタイプなんですね。アニメとかだと共演者によっても演技が影響されてくるので、事前には判断できないことも多い。自分では「こういう演技をしよう」と思っても、いざ相手が違う演技をしてきたら、演技のプランがガラガラと崩れていってしまうわけですし。そういう意味では、アフレコのときに感じた瞬間を一生懸命やるだけですね。
――『プリンス・オブ・ペルシャ』のアフレコはいかがでした? ゲームのアフレコは単独で収録する場合が多いので、けっこうたいへんだと思いますが。
浪川 やっぱり掛け合いの相手がいないので、たいへんでしたね。
――声優さんによっては、相手をイメージしながら演じる方もいらっしゃるようですが、今回は成海璃子さんをイメージして?
浪川 もちろんエリカ役を成海璃子さんが演じることは知っていたのですが、ゲームの収録は初めてとのことで、どんな演技になるかはわからなかったんですね。収録は僕のほうが先でしたし。で、なぜ成海さんが起用されたのか、ということを考えたときに、「声優らしくないナチュラルな演技が求められたからではないのか?」って思ったんですね。僕は年に1〜2回は顔出しの演技をしているのですが、ナチュラルな芝居が大好きなんです。僕自身子役上がりで、縁あってアニメの仕事をさせていただいているんですが、ずっとナチュラルな芝居を追求していて、最初はアニメのアフレコ現場で浮いている感じがしたくらいですから(笑)。だから、成海さんの演技がイメージしやすかったですね。
――浪川さんの資質とも合っていたんですね。
浪川 そうですね。なおかつ『プリンス・オブ・ペルシャ』は絵が奇麗でストーリーも素敵ということで、ナチュラルな演技をすればマッチするだろうという思いもありました。ちなみに今回は、さらにキャラを濃くしたいというのがあって、たまにキャラクターっぽいしゃべりを入れましたけどね。
――発表会では、「洋画の吹き替えとアニメの中間くらいの演技を目指した」とおっしゃっていましたね。
浪川 そうなんです。壁を伝ったり、剣をぶん回したりなんて、映画でもできないですよね。ジャッキー・チェンにも不可能だと思う(笑)。人間だとありえない動きに対しても、声を当てていかないといけない。人間の動きをしないという点ではアニメに近くて、ナチュラルな演技を求められるという点では洋画の吹き替えに似ている。使うところを両方使わないと成り立たない収録でしたね。
――いいところ取りですね(笑)。
浪川 それが僕の目指しているところでもありました。
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▲プリンスとエリカの冒険が描かれる『プリンス・オブ・ペルシャ』。 |
――これも発表会では、「自分の経験からイメージを膨らませて演技をする」とおっしゃっていたのですが、具体的にプリンスでは、ご自身のどのような経験からイメージを?
浪川 生身で空を飛んでいるときにしゃべることはイメージしづらいけど、物を食べながらしゃべるというのは誰でも経験しているのでイメージしやすいですよね。『プリンス・オブ・ペルシャ』の場合も似たような経験から膨らませていきました。たとえば、人間誰しも、見ず知らずの女の子とばったり出くわしていっしょに行動しないといけないシチュエーションってありますよね。「何を話せばいいんだろう?」とか思い悩んでみたり。そういう経験をあてはめたりしました。それにより、よりナチュラルな、リアルに近い演技ができるのかな……と。
――そうやってプリンスというキャラが形作られていったんですね。
浪川 あと、今回のアフレコでは、オリジナルバージョンの声優さんの声を聴いたあとで、自分の声を当てたのですが、それもたいへんでした。英語のセリフのニュアンスを参考にしつつ、日本語のセリフを当てていくということで、けっこう反射神経を求められたんです(笑)。ブレス(息つぎ)の位置も聞きとらないといけないし、尺(セリフの長さ)も全部合わせてしゃべれないといけない。「うわーっ!」というセリフもたいへんでしたね。あとは、喘ぎ声の回数もちゃんと数えて合わせたりとか。
――それはすごいなあ!
浪川 セリフ量も多かったですし、収録時間は30時間をゆうに超えているんですよ。いままで収録したゲームのアフレコでは群を抜いてたいへんでした。『プリンス・オブ・ペルシャ』はそういった苦労がいっぱい詰まっている作品ですね。
――そういえば、ゲームがお好きとのことですが。
浪川 大好きです! いまだに『ワールドサッカー
ウイニングイレブン2008』にハマっていて、マスターリーグを2017年までやっているくらいやり込んでいます(笑)。でもいまは、断固『プリンス・オブ・ペルシャ』ですね! イベントでプレイを披露するということで、事前にユービーアイソフトさんにサンプルロムを貸してもらったのですが、けっこう進んでいますよ!
――相当やり込んでいるみたいですね。
浪川 何でも聞いてください! 最初『プリンス・オブ・ペルシャ』は難しいと思ったんですよ。見た目もすごいし、壁を伝ったりするから、操作が難しそうな感じがして。だけど実際に遊んでみると、操作自体ものすごく簡単で、エリカが助けてくれるので死なないということは非常に心強いポイントになっていますね。「1分以内にクリアーせよ!」みたいな時間制限もないので、遊んでいればいつかはクリアーできる。「じっくり遊んでください」みたいな感じの作りなんですね。ストーリーもおススメで、ゲーム性とストーリーが高いところで調和した作品になっている。なんか、ユービーアイソフトさんの宣伝担当みたいですね(笑)。
――(笑)。自分の声を聴いて「かっこいいなあ」と思ったり?
浪川 さすがに自分の声でそれはないです(笑)。ただ、死なないので落ち着いてボイスを聴けますね。死なないから余裕ができるんですよ。だからちゃんとストーリーが追える。僕は緊迫したゲームも好きですが、ゆとりを持ってプレイできる『プリンス・オブ・ペルシャ』は本当におススメです。
――とくに印象的なシーンは?
浪川 とにかくストーリーがいいです。物語が進むにつれてふたりの中が親密になってくると、セリフのニュアンスが微妙に違ってくるんですね。僕と成海璃子さんの演技がうまく噛み合いました。そのへんは見どころであり、聴きどころでもあるのかなと。ぜひ楽しみにしていてくださいね。
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