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超注目のサウンドノベルシリーズ最新作『428 〜封鎖された渋谷で〜』 プレイ・インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2008/12/10

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「ファミ通チョイス」とはファミ通グループが、とくにおすすめするゲームタイトルです。

●『428 〜封鎖された渋谷で〜』で体感できるものとは?

 

 “サウンドノベル”という新たなジャンルを生み出したチュンソフト。『弟切草』から始まった同シリーズは、その後もさまざまな進化を遂げながら、数多くのハードでリリースされている。そんなサウンドノベルシリーズの最新作が『428 〜封鎖された渋谷で〜』だ。この作品を元週刊ファミ通編集者であり、本誌週刊ファミ通にて同作の攻略記事の作成にも携わっている世界三大三代川がプレイ。その魅力を綴ってもらった。Wii用ソフトとしてリリースされた同作。Wiiを持っていない人も、持っているけど最近遊んでいないという人も注目だ。



●『428』からもらったのは、一生に一度しか味わえないサプライズ


 『428 〜封鎖された渋谷で〜』(以下、『428』)は終始「やられた!」と思わされる、サプライズに満ちた作品だった。
 

 ゲームでも映画でも、とにかく「やられた!」と驚く要素、いわゆるサプライズがあるものが大好きである。そのため観る映画はサスペンスものが多い傾向にあるのだが、過去に観た映画にはラストのどんでん返しのあまりのスゴさに、観終わったあとしばらく茫然としてしまうものがいくつもあった。だが、それ以上の“やられた”感が味わえ、なおかつ絶対にゲームでしかできないサプライズを持ち込んだ作品こそ『428』なのである。

 『428』は、『弟切草』や『かまいたちの夜』といった文章を読んでいくタイプのアドベンチャーゲーム、“サウンドノベル”シリーズの最新作。渋谷を舞台に、5人の主人公の物語が描かれる。同じサウンドノベルシリーズの中に、セガサターン用ソフトとして、いまから10年まえに発売された『街』という作品があるのだが、その『街』も渋谷を舞台にした8人の主人公の物語を描いており、シリーズの中でもとくにカルトなファンを多く持つ作品になっている。『428』は『街』と同じ渋谷を舞台にしているだけでなく、5人の主人公の物語が密接に絡み合い、それぞれのシナリオをJUMPしていく点など、『街』と同じ要素を多く含んだ作りが特徴だ。

 

428 〜封鎖された渋谷で〜



 『428』の主人公は新米刑事の加納慎也、渋谷のチームの元ヘッド・遠藤亜智、熱血フリーライターの御法川実、ウイルス研究第一人者の大沢賢治、そしてネコの着ぐるみをかぶった謎の女性・タマという非常にバリエーション豊かな5人。また、ヒロインとして大沢ひとみという女子大生がいるのだが、彼女はおもに遠藤亜智のシナリオに絡むことになる。シナリオの内容を語ってしまうと、どうしてもネタバレを含んでしまうため、大枠の概要だけをぼんやりと書くと……、このバリエーション豊かな主人公たちが、200X年4月28日の渋谷で発生する事件に巻き込まれていく。ただ、その巻き込まれかたがとにかく秀逸なのだ。彼らはそれぞれの目的のために行動をしているうちに、いつしか同じ事件に絡むことになるのだが、プレイヤーにとっては、物語が進むにつれて「ココでアノ人のアレが絡んでくるの!?」と、ワクワクせずにいられないサプライズがどんどん出てくるのである。いくら「ぼんやり書く」と宣言したとはいえ、ここまでぼんやりかよと思われるかもしれないが、とにかくまあ遊んだが最後、数々のサプライズが発生し、「この先どうなっちゃうの!?」と先の読めない展開に夢中になるどころか、やめどきを見失うこと間違いなしだ。

 ちなみに、この複数の主人公の物語が1本に収束していくところが『街』と大きく異なる点だったりする。『街』は8人の主人公それぞれの物語が、時折絡むことはあるものの、ほとんど各個人の物語として進んでいく。それだけにサスペンス、コメディーなど異なるジャンルのシナリオを楽しめるのだが、1本に収束していくことはない。どちらがおもしろいと比べるものではなく、どちらもおもしろいと楽しむほうが健全だろう。
 

428 〜封鎖された渋谷で〜


 また、『428』で欠かせない要素のひとつが“TIP”だ。TIPとはゲーム中に出てくる用語を解説したもの。解説されるものは“管理官”、“白血球”といった一般的な用語に加え、『428』専用の用語もある。そこには主人公以外の脇役がどんな人物なのかを補足するものや、TIPを読んでいくだけで物語になる連作もの、そして10年まえの渋谷で起こった出来事などが記されている。これが『428』の世界観を増幅させるだけでなく、TIPの中で書かれていた人物がそのあとに本編のシナリオにも登場したりするため、ただの用語解説と侮れない。ちなみにTIPの数は全部で428個。これまたニヤリとさせる演出である。

 

428 〜封鎖された渋谷で〜


 

 そんないろいろなネタの多い『428』には、クリアー後に楽しめるボーナスシナリオが存在する。いわゆる本編のサイドストーリーのようなものなのだが、2本収録されたボーナスシナリオは、ひとつがミステリー作家であり、『かまいたちの夜』シリーズの脚本を手掛けた我孫子武丸氏、もうひとつがPCやプレイステーション2で発売されたアドベンチャーゲーム『Fate/stay night』のシナリオを手掛けた奈須きのこ氏が担当している。これまた詳細は書かないが、とにかくプレイ後には号泣してしまうような感動のシナリオがあるのが見逃せない。これは本編にも言えるのだが、音楽の演出が非常に効果的で、緊迫感を生んだり、感動を呼び起こしたりと、まさにサウンドノベルの名にふさわしい音楽の使い方はシリーズ随一と言える。
 

 ドキドキしながら遊び、ときおり挿入されるギャグに笑い、そして感動して涙する。激しい感情の起伏を生む『428』だが、いちばんの感情は前述のとおり驚愕・サプライズだ。プレイ中に驚いた部分を挙げていたらキリがないほどなのだが、とにかく「やられた!」と思ったのはラストである。シナリオとゲームシステムをうまく絡めたその仕掛けが判明したときには、冒頭に書いた映画を観終わったときのように、呆気に取られしばらく茫然としてしまったものだ。だが、それはゲーム終盤ではあるもののまだエンディングまえである。そこから続く怒涛のラスト、本音で言えばこの驚きを書いてしまいたいが、そこはぜひ自分の手で遊び、自分の力で解き、みずからサプライズを味わってほしい。ちなみに、1度クリアーしたら、同じくクリアーした周囲の友人や知人と感想を話し合うことをオススメする。きっとその中でまたとある仕掛けに気づき、そして驚愕したまま再度ゲームをプレイするだろう。恥ずかしながら、そう書いている自分がまったく同じ経験をしたのだから、そうなることは間違いないと思う。と言うか、そうなってほしい(希望)。
 

 終始あいまいに表現する書きかたになってしまったが、それはアドベンチャーゲームの宿命でもあるのでお許し願いたい。ここまでのサプライズを味わい、楽しめる良作はそうそうないのだから、ぜひこの作品を手に取って、あいまいに書いてきたことの答えを自分の力で知ってほしい。そのときこそ、人にサプライズを伝えたいんだけど、自分で味わう喜びもわかってほしい! という複雑な想いをわかっていただけるはずだ。

 

text by 世界三大三代川

 

著者プロフィール
世界三大三代川

428 〜封鎖された渋谷で〜

週刊ファミ通編集部出身のフリーライター。週刊ファミ通誌上で『428』の攻略記事も担当している。初めて本作をプレイしたときには本当にやめどきを見失い、クリアーまで没頭して遊び続けた。好きな主人公は御法川実。


 

428 〜封鎖された渋谷で〜

対応機種

Wii

メーカー

セガ

発売日

発売中

価格

7140円[税込]

テイスト/ジャンル

サウンドノベル / アドベンチャー

備考

プロデューサー:中村光一、総監督:イシイジロウ、開発:チュンソフト



※『428 〜封鎖された渋谷で〜』公式サイトはこちら
 

 

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