「発禁ギリギリをめざしました」――プレス体験会でわかった、自由過ぎるRPG『フォールアウト 3』が持つオトナの魅力
●いろんな意味でフリーダム。プレイヤーの選択こそが物語を描く
ベセスダ・ソフトワークスよりXbox 360で2008年12月4日に(プレイステーション3でも2009年1月15日に)発売予定の『Fallout 3』(フォールアウト 3)は、CEROによるレーティングがZ区分で発売される、いろんな意味でオトナのオープンワールドRPG。
『ザ エルダースクロールズIV: オブリビオン』(以下、『オブリビオン』)のスタッフによる本作は、ゲームプレイだけでなく、描写や倫理面でも高い自由度を誇る。マイクロソフトが11月8日に行なった“『Fallout 3』プレス体験会”でも、その魅力はいかんなく伝わってきた。
体験プレイは永年居住が可能な巨大シェルター“Vault 101”でプレイヤーキャラクターが誕生するシーンからスタート。ここはチュートリアル部分となっており、キャラクターメイキングを行ないながら、自身の成長を追っていくパートとなる。とある事件によってプレイヤーがついに外界に脱出し、世界が既に終焉を迎えているのを目撃したとき、プレイヤーが綴る物語本編がいよいよ始まることになる。
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▲“Vault 101”での生活は比較的平和なもの。どこかレトロな独特の文化の生活が営まれている。 |
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▲顔は『オブリビオン』同様、細かくパーツを指定して作り込むことができる。性別や髪の色などもここで選択可能だ。 |
外界に出た瞬間、目もくらむような光に目が慣れると、超広大な荒廃した世界にぽつんと自分がひとりいるのに気がつく。目に見えるのはゴミ、廃墟、壊れた建物や高速道路などのライフライン。ここから先、どこに行くのも自由となる。一応の最初のクエストは設定されているが、まったく無視して進んでもオーケー。世界には110種類以上もの、クリーチャーが住み着いた廃墟、人々が集まって生活している街などのポイントがあり、それらを巡っていくだけでも十分に楽しめるし、そこで出会う強烈に味のある人々からサブクエストや、メインストーリーに繋がるクエストが発生することもある。
ただし『オブリビオン』と異なり、クリーチャーなどの強さがプレイヤーのレベルに合わせて調節されないので、強力な敵がいるエリアにいきなり向かうのはオススメしない。
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▲外界に脱出して程なく、突然変異した巨大なネズミ“モールラット”と野良犬が戦っているのに遭遇。後述するように、敵NPCは必ずしもプレイヤーキャラクターとのみ戦闘するわけではない。 |
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▲街の中でスリをしようとしたのが見つかり、住人総出で追われるハメに。 |
プレス体験会の後に行なわれたユーザー向け体験会を見ていても、プレイの進行は千差万別。リニア(直線的)に進む一般的なRPGの場合、あちらで見たシーンが少し後にこちらでも見られるというように、プレイを進めるスピードの差が生まれるだけで、基本的には同じような画面を見ることができる。しかし本作では、あるプレイヤーが忠実にストーリーを進めようとするあいだに、あるプレイヤーはキャラバン隊を問答無用で襲撃する極悪非道な悪党となり、さらに別のプレイヤーは廃墟でのトレジャーハントに挑んでいるといった超カオスな状況が見られた。プレイヤーの判断ひとつで救世主にも極悪人にもなれる。これこそが本作の自由度のキーとなる部分。秩序が崩壊した世界で、まさに自分なりのもうひとつの人生をロールプレイできるのだ。
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▲ユーザー体験会の様子。どれひとつとして同じ展開がなく、プレイヤーの個性によってプレイも大きく違ってくる。 |
それだけに、テキスト・ボイス両面のフルローカライズの魅力も増してくる。以下、あくまで個人的な感想だが、じつは記者は英語版で若干プレイを確認していた。しかし、細かい部分まで日本語で伝わってくると世界のリアリティが格段に違う(ヒアリングはギリギリ雰囲気はなんとなくわかる程度という、記者の英語レベルもあろうが)。単にクリエーターによって作られたストーリーを追うような通常のRPGではなく、自ら“ロールプレイ”できるからこそ、日本語化によりさらにプレイに没頭してしまう中毒性が増していると感じられた。
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▲日本語化はテキストのみならず、ボイスも含めて完全ローカライズ。本筋以外のちょっとした部分もきちんと翻訳されており、コンピューターの中に残されたテキストログ、残された録音データや、垂れ流されているラジオなども日本語化済み。 |
●戦闘は銃を使った『オブリビオン』方式+“V.A.T.S.”
戦闘部分だが、ありえないぐらいに成長した動物系クリーチャーと、『マッドマックス』か『北斗の拳』にでも出てきそうな凶悪な盗賊が勝手にこちらと無関係に戦っていたりするように、戦闘と通常の旅部分がほぼ完全に融合している。銃を使った戦闘画面からFPS(一人称シューティング)と勘違いされることもあるという本作だが、あくまで『オブリビオン』のような3DRPGのなかの戦闘が銃を使ったものになっているだけだと理解してほしい。もちろん『オブリビオン』のように、延々と戦いから逃げ続けることも可能だ。
シューティングの腕を信じて戦ってもいいが、ベセスダ・ソフトワークスの高橋氏によれば、時には「戦わない選択をするのも必要」という。では、アクションシューティングがヘタなゲーマーは弱者として逃げ回るしかないのだろうか。そこで活躍するのが“V.A.T.S.”システムだ。
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▲非戦闘時も一人称視点と三人称視点の切り替えは可能。これぐらいの距離なら一人称視点に切り替えてリアルタイムに攻撃してもそれなりに戦えるだろう。 |
“V.A.T.S.”とはリアルタイムの戦闘を一時停止し、認識した敵の部位を指定して攻撃できるというもので、たとえば頭部を狙った連続攻撃や、あるいはコチラの敵の足を止めてから、別の敵の武器を破壊……といったような、アクションシューティングが得意でなければ難しい攻撃も誰もが簡単にこなせる。
とはいっても限りはあり、“V.A.T.S.”での攻撃時にはAP(アクションポイント)を消費し、一旦尽きてしまうと、また回復するまではリアルタイムに銃撃するか、再び“V.A.T.S.”で攻撃できるようになるまで逃げ回るハメになるのは注意。
ちなみに、いくらシューティングが得意でも“V.A.T.S.”なしにつねにリアルタイムの攻撃だけで戦っていると「いずれ弾切れに困るようになる」(高橋氏)とのこと。これは“V.A.T.S.”システムではクリティカルヒットが出やすくなっているのが第1の理由。第2には“V.A.T.S.”システムでは発動時に表示されるパーセンテージに従って攻撃でき、シューティングの腕前で差が出ないのに対して、作品世界には壊れた銃が多いため(同型の銃を用意して修理を行うことはできる)、弾がまっすぐに飛ばないことも多く、銃の腕前が忠実に反映されないからだ。
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▲これだけ標的が大きければ、必ずしも“V.A.T.S.”を使う必要はない。APが切れても落ち着いて攻撃を叩きこめばヨシ。しかし近距離で強力な攻撃を持っていたり、動きの素早い敵などにはなかなか狙いを定め辛いので、“V.A.T.S.”のお世話になったほうがいい。APには限りがあるので、状況に応じて戦い方を変えるのが重要なのだ。 |
●「CERO Zになるのが決まった瞬間から、その天井、発禁ギリギリをめざしました」
戦闘時にクリティカルヒットで敵を倒した際などには、部位が吹き飛ぶという過激な表現が入る。高橋氏は質問でローカライズについて問われ「日本語化はするが“日本化”はしない」という、過去の講演で語っていた持論を再度述べ、極力プレイヤーの期待に近づけ、海外版に近いものを提供するよう努力した旨を語った。
当初はCERO Dでの発売を考えていたが、早々に無理というのがわかり、CERO Zレーティングとなるのが決まったときから、その最上限の部分、「発禁ギリギリ」(高橋氏)をめざすことに決めたのだとか。その結果、残念ながら核爆弾が絡んだあるクエストと、人間相手での部位欠損表現については「発売できなくなっちゃうので」(高橋氏)泣く泣く修正対応したものの、それ以外はほぼ海外バージョンと同等。海外で発表されている、Xbox 360版に配信予定のダウンロードコンテンツについても日本での対応を改めて明言し、可能な限り同発に近いタイミングでの配信を約束していた。
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▲ユーザー代表からはシビアな部分に大胆に切り込むものが次々と投げかけられるなか、高橋氏が誠実に答えていたのが印象的だった。 |
オトナだけに許された、Zレーティングならではのいろんな意味で自由なプレイが実現されている本作。単に過激なだけではないその魅力を体験してみてほしい。
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