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失敗を恐れることはないんです! 宮本茂氏が『Wii Music』を実演
【任天堂カンファレンス 2008.秋】

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●オススメは自作できるミュージッククリップ機能!
 

▲『Wii Music』をプレゼンしたのは、任天堂の専務取締役、宮本茂氏だ。


 2008年10月2日に行われた”任天堂カンファレンス 2008.秋”で、唯一長時間のプレゼンテーションが行われたのが『Wii Music』(2008年10月16日に発売予定)。Wiiリモコンを使って誰でも気軽に楽器を演奏できるソフトで、Wii本体の発売まえから期待を寄せられていた作品だ。

 

 任天堂の専務取締役、宮本茂氏は、「このタイトルは、Wiiにとって非常に重要なタイトルです」と紹介した。Wiiは家庭のリビングに置いてもらうことをコンセプトに作られており、リビングで家族をつなぐためには「スポーツ、健康、音楽は欠かせない」(宮本)と考えたのだそう。もちろん、スポーツを実践したのが『Wii Sports』、健康は『Wii Fit』、そして音楽をWiiに適した形にしたのが『Wii Music』なのだ。宮本氏は、『Wii Music』を開発した経緯をこんなふうに説明した。

 

 「音楽ゲームが誕生して10年以上が経ちますが、このジャンルにはひとつの傾向があります。画面に流れてくる音符に合わせて、正しくボタンを押す。それをゲームとして評価するというものです。音楽をゲームにするには優れたシステムですが、僕はふだんから楽器を弾くので、そうではなくて純粋に音楽の演奏を楽しみたかった。ビートの流れに乗って、自発的に音を出すゲームが作れないか、と思ったんですね。でも、僕は趣味でギターを弾くんですけど、趣味を聞かれるとギターの”練習”って答えます(笑)。人前や、人といっしょにギターを弾くのは、間違えたらどうしようという恐怖心もあって引いてしまう。その恐怖心を取り除くことができればと思いついたのが、『Wii Music』なんです」(宮本)

 

▲「『大合奏バンドブラザーズ』、『リズム天国』、そして『Wii Music』と、今年は音楽ゲームが充実していますね」と宮本氏。


 従来の音楽ゲームとは一風変わった音楽ゲーム。宮本氏は、みずから実演してみせながら『Wii Music』を紹介していった。まずは基本となる楽器演奏。ピアノを弾くには、Wiiリモコンとヌンチャクを両手に持ち、交互に振る。実際に楽器を演奏している振りをすることで音が鳴り、自分の好きなタイミングでWiiリモコンとヌンチャクを振っただけでそれが音楽になる。楽器は、ヴォーカルや犬など変わったものも含めて、60種類以上。それぞれの演奏法があり、シンプルに振る、ボタンを押すといっただけでも音を出せるが、ビブラートをかけるなどの演奏テクニックも用意されている。

 

▲それぞれの楽器を実際の弾く振りをすることで演奏する。この”楽器遊び”というモードでは、自由に音を奏でて音楽を作ることができ、さらには”テトリ”と呼ばれるキャラクターに音を合わせてもらって合奏も楽しめる。テトリの名前の由来は、”手取り足取り教えてくれる”からだそう!


 『Wii Music』は4人での合奏が可能で、ステージ上では宮本氏と戸高一生氏が合奏を披露した。合奏は、リードメロディとサブメロディ、コード、ベースにパーカッションがふたつという6人編成になっており、それぞれのパートで使用する楽器を自分で選ぶことができる。宮本氏がリードメロディのピアノ、戸高氏がサブメロディのヴィヴラフォンで『大きな古時計』を演奏したのだが、なんとも様になっていること! 弾いている振りをしているだけなのに、アドリブで原曲にかっこいいアレンジを加えているように聞こえた。戸高氏の説明によれば、どんなタイミングで弾いてもWiiが判断して適した音を作ってくれるので、間違った音が出ることはなく、アレンジとして成立するのだそうだ。

 

▲実際に楽器を演奏しながらプレゼンを行ったふたり、左が宮本氏で右が戸高氏だ。戸高氏は、『どうぶつの森』の名物キャラクター、とたけけのモデルで知られ、『Wii Music』のディレクターを務めた人物。


▲6つのパートの中から、自分の担当を選ぶ。各パートを消すことも可能で、ひとつずつパートを増やしていくと見事に音楽が作り上げられていく様子を聴くことができた。


 実際に誰でも手軽に演奏できることを示すため、来場者がチャレンジするという演出も行われた。参加者は恐る恐るといった表情でWiiリモコンを手にしていたが、お世辞抜きにしっかりと個性のある演奏に。宮本氏が何度も、「恐れることはないんですよ」と力強く呼びかけているのも印象的だった。

 

 『Wii Music』は、こうした合奏をビデオクリップとして映像に残すことができる。このクリップ機能がじつに凝っていて、6つのパートをすべてひとりで演奏して編集し、作品に仕上げることも可能だ。音楽だけではなく、ジャケットをデザインするという任天堂らしい遊び要素も。クリップは友だちにプレゼントでき、もらったクリップの1パートを自分の手で録り直すなんてこともできる。

 

 収録される楽曲は約50曲。『大きな古時計』のほか、『猫ふんじゃった』や『新世界より』など誰もがよく知っている曲が確認できた。宮本氏によれば、「最近のヒット曲は入っていませんが、セッションはみんなが知っているほうが楽しめるんですね。それに、コード進行がシンプルなほうがいいということもあって、選曲をさせてもらいました」とのこと。また、60種類以上の楽器演奏のほかに、オーケストラの指揮を楽しめる”なりきりオーケストラ”、Wiiリモコンをハンドベルに見立てた”合わせてハンドベル”、バランスWiiボードを使って本格的なドラムを叩ける”ドラムレッスン”などのモードも収録。幅広く、音楽と親しむことができるソフトになっている。

 

 「この『Wii Music』を作っているうちに、ひとつの疑問が浮かんできたんです」と宮本氏。それは、子供がこのソフトを遊んだらどうなるんだろう、というもの。宮本氏は実際に幼稚園に『Wii Music』を持っていったそうで、その際の映像が上映された。映像の中で、子供たちは元気いっぱいにWiiリモコンを振り、自由に音楽を楽しんでいた様子。

 

▲この映像収録は3時間に及んだそうだが、その間子供たちは飽きることなく『Wii Music』を楽しんでいたとか。最後に宮本氏らが合奏を披露したときには、アンコールまでしてくれたのだそうだ。


 これを見て、宮本氏は「『Wii Music』はゲームなんだろうか、楽器なんだろうか」と、さらなる疑問が沸いたそう。今度は、指揮者の佐渡裕氏のもとを訪ねた映像が流された。佐渡氏は興味津々で『Wii Music』を遊んだあと、以下のように語った。

 

 「『Wii Music』はふたつのことを飛び越えさせてくれる。ひとつは楽器に触れられるということ。60種類もの楽器に、失敗を恐れず触ることができる機会はそうないでしょう。楽器に触れるファーストコンタクトとして、これは非常にいいと思います。もうひとつは、合奏に参加できること。世代を超えて、おじいちゃんと楽しむこともできるわけです。このふたつは、実際にはとても勇気が要ることですが、『Wii Music』はそこを乗り越えて音楽の喜びに触れることができます。これは非常に大きな意味があると思います」(佐渡)

 

▲佐渡氏のコメントに対して、「少しは期待していましたけど、ここまで共感してくれるとは思ってませんでした」と宮本氏。


 このふたつの映像をうれしそうに眺めていた宮本氏は、「『Wii Music』は、ゲームというより音楽遊び」と表現。思い描くとおりの自信作ができ、手応えを感じている様子だった。『Wii Sports』、『Wii Fit』に続くWiiのコンセプトを実現する作品、『Wii Music』に期待大だ。


※任天堂の公式サイトはこちら
※『Wii Music』の公式サイトはこちら
 

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