CESAがゲームソフト産業の国内経済波及効果は約1兆円と発表
●今後の課題としてグローバル化への対応などを提言
2008年10月1日、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が、『ゲーム産業の分析と波及効果調査(速報版)』というリポートの説明会を行った。これはCESAが、日本総合研究所に依頼して作成したゲーム産業の経済波及効果と、ほかの産業との比較、ゲーム業界全体で取り組むべき課題に関するリポート。今回発表されたのは速報版で、詳細は2008年10月〜2008年11月に改めて発表される。
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▲リポートはCESAの事務局内で行われた。会場には報道関係者のほか、ソフトメーカーから多数の参加者が訪れた。リポートの内容は、日本総合研究所のスタッフが発表した。 |
発表内容の要点は、ソフトや関連書籍、アニメーション、キャラクターグッズなどの周辺投資を含めた日本国内での経済波及効果は約1兆円であること。また、ゲーム産業をほかの産業と比較すると、成長性、収益性、国際性の3点が強みであること、さらなる発展のためにはグローバル化への対応、プロデューサーの人材育成が課題であること。
まず、経済波及効果についてだが、これは水面に投げた石が波紋を広げるように、ある産業が成り立つことにより生まれるさまざまな経済活動を包括的に推定した数値。ゲームソフトの場合、ソフトの売上はもちろん、書籍やアニメーション、キャラクターグッズなどの関連商品の売上やソフト制作に関わるスタッフが得る賃金で営む経済活動までもが含まれる。ただし、今回の調査ではゲームのハードに関することを除外したとのことで、大作ソフトが発売されることでハードの販売が伸びるといった現象は考慮されていない。
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算出方法は、ゲームソフトを据え置き機向けと、携帯機向けに分け、さらにそれぞれを50万本以上の大ヒットクラス、10万本以上50万本未満の通常ヒットクラス、10万本未満のその他に分類。合計6つのカテゴリに分けた上で、各カテゴリの売上高に、カテゴリ別に決定した乗数をかけている。大ヒットクラス、通常ヒットクラス、その他の順で乗数は小さくなる。これは、大作ソフトほど関連商品が作られることが多く、経済波及効果が高いためだ。こうして割り出されたカテゴリごとの経済波及効果を合計したものが、ゲームソフトの国内経済波及効果。1兆261億円と算出された。
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2007年の国内ゲームソフト市場規模は、CESAの発表によると3823億円。経済波及効果の1兆261億円は3823億円の約2.3倍となる。この数値は自動車産業などの一部の製造業以外では高い水準にあるという。
続いて、ゲーム産業とほかの産業との比較について。比較の対象とされたのは、世界シェアが高い産業としてのデジタルカメラ産業(デジタルカメラを内蔵する製品を含む)、アジアでのブランド力を高めている化粧品産業、同じエンターテインメント産業で市場規模が同程度の映画産業、国際競争力が高い日本の代表産業である自動車産業の4つ。成長率や収益性、輸出割合から見る国際性などが比較された。
ここ5年間の成長率、収益率はゲーム産業がトップ。輸出割合ではデジタルカメラ産業に次いで2位となったが、ここ5年間の輸出割合の成長率ではゲーム産業がトップとなっており、日本を代表する産業の中でもとりわけ優秀な産業であることが証明された。リポートではこのことから「成長率、収益性、国際性のいずれも5産業のなかでトップクラスの優良さを持っている」と結論づけた。
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最後の課題と提言は、ゲーム産業に関わる企業へのアンケートと各種の統計をもとにまとめたもの。
まず、ここ5年間、ゲーム業界全体は輸出の増加により成長しているが、国内出荷額は横ばいであるというデータが提出され、さらなるグローバル化への対応が必要であることが提言された。具体的には、海外ユーザーの好みを理解した人材の育成、現地開発体制の整備、マルチプラットフォームへの対応、販路の開拓、異なる商習慣への理解が必要であるという。
続いて、開発費が高騰していることが指摘され、開発生産性の向上と海外での現地開発の必要性が指摘された。開発生産性の向上の手段は、ゲーム業界全体で共通のミドルウェア(ゲームソフトを開発するための開発ツール)を作ることであるという。
最後に提言されたのは、さらなるクロスメディア展開のための人材育成。ゲームを基点として、映画やアニメーション、グッズなどの周辺産業に展開していく必要があるという。そのために必要なのが、資金力の強化と幅広い知識とセンスを有するプロデューサーの育成。会社の枠にとらわれず、ゲーム業界を上げて取り組むべき課題としている。
※社団法人コンピュータエンタテインメント協会(CESA)の公式サイトはこちら
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