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“市場は日本と欧米だけじゃない”――サイバーステップが提案する世界進出
【CEDEC 2008】

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●世界10ヵ国以上にゲームを提供するサイバーステップの、もうひとつの海外進出

 

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の主催で、毎年開催されている国内最大級のゲーム開発者向けカンファレンス“CEDEC”。今年の“CEDEC 2008”は、東京都世田谷区にある昭和女子大学を会場に、2008年9月9日〜11日にかけて開催された。

 

 3日間の会期中は、開発方法に対するものや、技術にフォーカスをあてたものなど、さまざまなセッションが行なわれており、稲船敬二氏の基調講演のように、ゲームビジネスそのものや、海外とのビジネスを扱ったものも見受けられた。
 

 そこで多くの講演者が口にしていたのは、ただ作りたいゲームを作るのではなく、ビジネスや運営といった視点も含めてゲーム開発を行なうべきだということ。

 

 だが、あえて「作ってから売ればいいんですよ」と言った人がいる。最終日に講演を行なった『ゲットアンプド』、『コズミックブレイク』などを開発・運営するオンラインゲームメーカー、サイバーステップの佐藤類社長だ。

 

▲当初の予定を軽くオーバーするほど熱弁をふるっていた佐藤氏。

 

 たとえばコンシューマーゲーム業界などでは日米欧がおもな市場とされてきたが、サイバーステップの収益の大半、約7割は東アジアを中心にした国外からのライセンス収入が占める。同社が自社開発をしていて気がついたのは、「売れるために作るのではなくて、作ったものを売りに行く」ということ。「売れることを考えないで作っていたら、売れたんです」と佐藤氏は言う。

 

 ここで同社を支えてきたタイトル『ゲットアンプド』(現在国内でのサービス名は『ゲットアンプドR』)の例が示される。日本で開発し、定額3680円と月額380円のプレイ料金でサービス開始したが、広がっていたのは苦難の道。当初定額を選択するユーザーが大半だろうと踏んでいたが、9割が選んだのは月額課金で、しかも大幅な赤字。「経費2〜300万に対して売り上げ50000円」(佐藤氏)ということもあったという。
 

 そのとき、たまたま韓国のメーカーからサービス提供の話が飛び込んでくる。日本でのサービスを一時停止して、アイテム課金販売のオンラインアクションとして作り直し、2002年の12月に正式サービスを開始した。現在は中国、韓国、台湾をはじめ、インドネシア、フィリピン、ベトナムと、世界12ヵ国地域でサービスされて、登録ID数を合わせると2600万を超えるという、同社の看板タイトルのひとつとなっている。

 

 エンターテイメントを楽しみたい人の人口は、世界に目を向ければ日本の人口より多くいる、というのが佐藤氏の持論だ。くわえて「日本にいるとたぶんわからないと思うが」と前置きし、「日本のエンターテイメントのレベルは間違いなく高い」という。おもしろい物を作ったのなら、日本と欧米だけで消費するのではなくて、アジアにも目を向けてほしいと訴えかけた。講演では通常絶対に公開されないだろう、海外での運営に関する秘蔵データも公開してまで佐藤氏が伝えたかったのは、開発したゲームをひとりでも多くのところに届けようということ。
 

 開発してゲームを作ったときに、評価をしてくれる人は国内にいるかわからないが、出資者となる人は海外のほうがいるはず。まずはコンテンツを作らないと稼げないので、ゲームを開発して、市場にいろいろ出てきてほしい、と述べていた。

 

▲CEDEC最終日の最後のセッションのひとつだったが、会場内はほぼ埋まっていた。

▲聴講者からの質問に、白板を使って真摯に回答する佐藤氏。

▲クローズドβテスト中の『ゲットアンプド2』や、研究開発中のネットワークロボットに会場から接続し、自社コンテンツを説明していた。ロボットが特定の物体を認識すると、タイピングゲームがスタート。

 

※CEDEC 2008の公式サイトはこちら

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