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ルーカス・アーツも認めた――ダース・ベイダーとヨーダの『ソウルキャリバーIV』的モーション
【CEDEC 2008】

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●映画重視から『ソウルキャリバー』らしさ重視の開発へ

 

 2008年9月9日から11日まで、都内にある昭和女子大学で開催されたCESA デベロッパーズ カンファレンス 2008(CEDEC 2008)。本イベントは、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する、国内最大級のゲーム開発者向けカンファレンスだ。

 

 最終日となった2008年9月11日、バンダイナムコゲームスから発売中のプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ソウルキャリバーIV』に関するセッション“ソウルキャリバーシリーズのキャラクターアニメーション”が行われた。


▲セッションの冒頭には、コンテンツ制作本部 第1制作ディビジョン 第1制作ユニット アニメーション課の矢口善久氏より、『ソウルキャリバーIV』で使用されたツールなどの紹介も行われた。

 

▲ルーカス・アーツとの交渉では「『ソウルキャリバー』シリーズへの信頼と期待を実感した」と語る柴田氏。

 コンテンツ制作本部 第1制作ディビジョン 第1制作ユニット アニメーション課 アシスタントマネージャーの柴田裕介氏から語られたのは、映画『スターウォーズ』シリーズからゲストキャラクターとして登場した“ダース・ベイダー”と“ヨーダ”の制作秘話について。

 同氏によれば、これらのキャラクターがゲームに登場することになったそもそものきっかけは、「ダース・ベイダーやヨーダが『ソウルキャリバー』のキャラクターたちと戦ったらワクワクしませんか?」と漠然とした希望を抱いたところからなのだという。思い立ったが吉日といった具合にさっそく、このアイデアを提案したところ社内からは、おおむね好意的な反応が。その後、柴田氏を含む『ソウルキャリバーIV』開発チームの主要メンバーが、2007年6月にルーカス・アーツを訪問。「非常に好意的で協力的」(柴田)にバンダイナムコゲームスからの提案は受け入れられ、晴れてダース・ベイダーとヨーダの制作がスタートしたのだ。
 

 ちなみに、柴田氏らは当初、ルーカス・アーツからのきびしいチェックを覚悟していたそうだが、交渉がスタートすると“特別な事例を作らず、『ソウルキャリバー』の世界観に合わせて作ってほしい”と、予想外の反応が返ってきたという。世界的に知られる『ソウルキャリバー』シリーズにおいて、ルーカス・アーツは“お客さん”扱いされることを望んでいなかったというわけだ。

 とは言え、世界中に熱狂的ファンを抱える『スター・ウォーズ』のキャラクターたち。柴田氏らはルーカス・アーツの気持ちを理解しつつも、当初は基本的には映画版の姿を踏襲する形でモーション作成を行ったという。しかし、このスタンスで作った場合、外見、動きの両方が特徴的なヨーダはあまり問題ないが、ダース・ベイダーに関しては「映画ではあまり動かないし、ましてや蹴りなどはしたことすらない」(柴田)といった理由から、ゲーム的にかなり問題のあるキャラクターになってしまうことが明らかになる。そこで柴田氏らはダース・ベイダーの制作方針を“映画重視”から“『ソウルキャリバー』の世界観重視”へ変更し、大改造を敢行。


 映画ではほぼ直立不動だった構えが、足を半歩踏み出す好戦的な構えとなり、ライトセイバーによる攻撃にも、映画ではまず見られない大きく振りかぶるようなモーションが加えられた。一方でダース・ベイダーらしさを完全には失わせないための工夫として、横切りのモーションに“止め”の動作を挿入。これにより、ひとつひとつの攻撃に“重さ”を持たせ、ダース・ベイダーらしい威圧感を表現したのだ。


 一方のヨーダは、映画重視でモーションを作成しても、もとが特徴的なのでとくに問題なかった。が、体型的にゲームを成立させるのが難しい、体が小さいため攻撃時に迫力がないという問題が発生する。前者の体型に関しては、立っている状態のときでも上段攻撃が当たらない、投げ技を受けつけないといったヨーダだけの特例を設けることですぐに解決したそうだ。もうひとつ、攻撃時の迫力の問題は一風変わった手法で改善が行われた。それは、標準的な体格をしたキャラクターのモデルでヨーダ用のモーション作成を行い、その後作成したモーションデータをヨーダ用のモデルにをコンバートするというものだ。利点は言うまでもなく、モーションを設定する対象が大きくなった点。これにより、細やかで行き届いたアニメーション設定が可能となり、小さな体で迫力のある攻撃をくりだすヨーダが完成したのだ。


 ちなみに、ルーカス・アーツからのチェックで、モーションに関する修正はほとんどなく、逆に“非常によくできている”というお墨つきをもらうことができたのだという。


 柴田氏は最後に「『ソウルキャリバー』を作ってきたものは、“なんでそこまでやるの?”と周囲から思われるほどのスタッフのこだわりだと思います」と語り、セッションは幕となった。
 

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