物理エンジンPhysXでゲームはよりリアリスティックに
【CEDEC 2008】
●軟体から破壊まで自在に
2008年9月9日から11日まで、都内にある昭和女子大学で開催されたCESA
デベロッパーズ カンファレンス
2008(CEDEC 2008)。本イベントは、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する、国内最大級のゲーム開発者向けカンファレンスだ。このイベントの模様をリポートする。
3Dグラフィックスの進化が加速していくと、必然として進化したグラフィックスでなにを表現するかが次のポイントとなる。せっかく綺麗になっても、描かれる物体の動きにリアリティーがなければ意味がないからだ。PC用の3DグラフィックカードメーカーであるNVIDIAが物理演算エンジンを提供するメーカーPhysXを買収したのも、単なるグラフィックの先を見通してのことだと思われる。そのNVIDIAのKitty Vongsayが“CEDEC 2008”2日目に“新しいPhysX、見参!”と題する講演を行なった。
|
|
|
▲講演は同時通訳を介して行なわれた。 |
まず最初に示されたのは、現在のPhysXの普及具合。じつは買収当時、PhysXはまだまだPCの技術好きが興味を持っていたぐらいの新興技術のひとつで、しかもその機能をフルに利用するには専用の物理演算ボードが必要だった。NVIDIAは買収後この専用ボードの生産をやめて、グラフィックカードのGPUで計算を行なうように変更し、PhysXのエンジンそのものをゲームメーカーやゲームエンジンを作るメーカーに提供するようになる。
結果として現在では150以上のタイトルに採用され、『Gears
of War』のEpicが誇るUnreal Engine 3のほか、さまざまなゲームメーカーのエンジンに組み込れて物理演算部分を担っている。採用タイトルをプレイする際に、ゲームを起動した際に表示されるロゴを見たことがある人も多いのではないだろうか。
対応プラットフォームもXbox 360とWiiでも既にソースコードとバイナリーが公開中で、プレイステーション3では現在最適化が進められており、SPUでの並列処理によって最大60%のパフォーマンスアップを見込んでいるとか。今後も新機能が各機種へ対応されるとのことだ。
|
|
|
▲採用タイトルの例。アクションシューティングでは特にメジャーなタイトルで採用されているので、もはやおなじみ? |
|
|
|
|
|
▲流体のシミュレーションを行なうデモなども見られた。緑色の部分は粘性のある液体となっていて、ロゴをリアルタイムに回転させると、ズルズルと流れていく。 |
|
|
|
▲こちらはエビとタコを組み合わせたような軟体のクリーチャーが登場するFPS風のデモ。ぶよぶよした体で狭い所を強引に通り抜けたり、とにかく気持ち悪い。 |
そしてPhysXの上位で動作する新たな開発プラットフォーム“APEX”の紹介へ。モジュール形式で機能が提供され、バラバラに破壊可能なオブジェクトや、破いたりもできる布などをゲームデザイナーが簡単に作成できるというのがポイントだ。Unreal Engine 3にすでにβ版が提供されているというモジュールのひとつ“Destruction”のデモや、密度のスケールを変更した何パターンかの布を破っていくデモの映像などを見ることができた。これらの技術がどうゲームの世界を変えていくのか、未来に期待したい。
|
|
|
|
|
▲大きな破片はあらかじめ決められた設定に従って壊れるが、小さな破片はAPEXによって自動的に表現されている。 |
|
|
|
|
|
|
|
▲韓国でβテスト中の3Dアバターコミュニティ“Nurien”の、ひらひら動くスカートや髪の毛にもPhysXの技術が使われている。なお、NVIDIAのサイトからベンチマークがダウンロード可能なので、気になる人はチェックしてみてほしい。 |
※CEDEC 2008公式サイトはこちら
【CEDEC 2008】の関連記事
- “市場は日本と欧米だけじゃない”――サイバーステップが提案する世界進出 - 更新日時:2008年9月13日
- 開発者も“みっくみく”にされるVocaloidの魅力 - 更新日時:2008年9月12日
- 物理エンジンPhysXでゲームはよりリアリスティックに - 更新日時:2008年9月12日
- 『ルーセントハート』の運営面から考える、オンラインゲームの開発とは - 更新日時:2008年9月12日
- ルーカス・アーツも認めた――ダース・ベイダーとヨーダの『ソウルキャリバーIV』的モーション - 更新日時:2008年9月11日
- 女性向け恋愛ゲーム“ネオロマンス”シリーズから見る、メディアミックス展開の驚くべき効果 - 更新日時:2008年9月11日
- ”『龍が如く』から見るタイトルプロデュースの今後”を名越稔洋氏が語る - 更新日時:2008年9月11日
- 開発者視点から見たベストゲームは?――CEDEC AWARDS 2008が発表に - 更新日時:2008年9月11日
- 「超すごくないっすか?」と松山氏も自画自賛する『NARUTO: ULTIMATE NINJA STORM』のアートワーク - 更新日時:2008年9月10日
- 「ひとつの転換期を迎えないといけないのかな」(郷田)――Xbox 360『テイルズ オブ ヴェスペリア』の開発秘話 - 更新日時:2008年9月10日
特別企画・連載
2種類のPVを大公開!『アサシン クリードII』!
暗殺者となり、発見されないようにターゲットを始末していくアクションゲームの最新作。本作の見どころは、前作から大幅にパワーアップしたアクション性。そして、15世紀のイタリアを再現した箱庭の完成度の高さ。本記事では、その魅力の数々をお伝えしていこう。
チュンソフトが送る新作サスペンス!『極限脱出 9時間9人9の扉』!
『かまいたちの夜』、『428 〜封鎖された渋谷で〜』などのサウンドノベルを生み出したチュンソフト。そして、驚愕のラストで話題を呼んだADV『Ever17 -the out of infinity-』の打越鋼太郎氏。この両者がタッグを組んで送り出す、新作ADV『極限脱出 9時間9人9の扉』。ファン必見の本作に迫ります!
『ペルソナ3ポータブル』のバトルを楽しむコツがあります!
PSP用ソフト『ペルソナ3ポータブル』の魅力を、元気ハツラツ系の女性主人公“月光ルナ子”がガイドする特設ページ“ペルソナ通信”。本日の更新では、敵と戦う心の力“ペルソナ”を使いこなすコツを紹介します!
バスタイムイベントもあるんです!『ルミナスアーク3アイズ』!
“デイタイム”でメインシナリオと戦闘を進め、“アフタータイム”でイベントをこなす。本作は、そんな王道スタイルのシミュレーションRPGの最新作だ。そんな本作の最新情報をお届けしちゃうぞ!!
伝説の武器を巡る戦いがいま幕を開ける!『闘真伝』!第2回更新!
数十年に一度行われる"真武節〜シーズン〜"で最強の"闘真器"を決める闘いが始まる……。『闘真伝』は、こうした舞台設定のもとで闘う対戦アクションゲームだ。ファミ通ドットコムでは、そんな本作の内容を全3回に分けて詳しく解説していく。
最強のクラブを創り上げろ! 『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう! 6 Pride of J』!
『サカつく6』は、自分が創り上げたクラブで、Jリーグ制覇を目指す人気SLG『J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!』(以下、『サカつく』)シリーズ最新作。本作のゲームの流れを確認しながら、新要素の数々を紹介する。
古きよき時代のRPGを現在の最新技術で創り出す! 『光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-』!
王様や魔女、ドラゴンが登場する王道ファンタジーの世界観、オーソドックスなバトルシステムなど懐かしいプレイ感覚が満載の本作。『FF』シリーズのファンはもちろん、これまでにプレイしたことがないという人も楽しめる作品になっている。
この記事の個別URL
ソーシャルブックマーク
TVゲームニュース
- 更新日時:2009/09/18 01:30
私立ギャルゲー学園 第3回は『アイマスDS』を特集!!
【ファミ通DX出張版】
携帯サイト“ファミ通DX”のコーナー“私立ギャルゲー学園”では、発売したての『アイマスDS』を特集! アイドルたちが輝きを放つステージを見よ! - 更新日時:2009/09/18 00:00
週刊ファミ通企画:読者によるゲーム採点 USER'S EYE

- 更新日時:2009/09/18 00:00
立花宗茂が新規参戦! Wii版『戦国無双3』最新情報を公開
2009年11月19日に発売が予定されているWii用ソフト『戦国無双3』の最新情報を公開。新規参戦が決まった立花宗茂を始めとしたさまざまなキャラクターや、ステージ上のギミックなどを紹介。
- 更新日時:2009/09/17 23:48
プレイステーション3&Xbox 360で体験版配信スタート『FIFA10 ワールドクラスサッカー』
- 更新日時:2009/09/17 23:23
『ルーンファクトリー3』完成記念発表会に声優の福井裕佳梨が登場
- 更新日時:2009/09/17 21:00
アイドル視点で描かれるシリーズ最新作『アイドルマスター ディアリースターズ』
【プレイ・インプレッション】 - 更新日時:2009/09/17 19:41
『AngelLoveOnline』“きかいの王国”で天空ステージへ
- 更新日時:2009/09/17 18:03
PS3向けに発売! 『スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- INTERNATIONAL』










