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ローカライズ、ダウンロードコンテンツビジネスの極意が伝えられたパートナーセッション
【Gamefest Japan 2008】

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●ベセスダ・ソフトワークス、バンダイナムコゲームスがセッションを実施

 

  2008年9月4日、5日の2日間にわたって、東京お台場のホテル グランパシフィック LE DAIBAで、マイクロソフトが主催するゲーム開発者向けの技術説明会“Gamefest Japan 2008”が開催されている。この説明会では、パートナーメーカーによるセッションも複数実施された。開催初日にはベセスダ・ソフトワークスのゼネラルマネージャー高橋徹氏が海外タイトルのローカライズについて、バンダイナムコゲームスの田村純一郎氏が『アイドルマスター』のダウンロードコンテンツビジネスについて、それぞれ講演を行った。


▲ベセスダ・ソフトワークスの高橋氏(左)と、バンダイナムコゲームスの田村氏(右)。


●日本語化はするが“日本化”はしない

 

 高橋氏は過去に『グランド・セフト・オート III』、『ザ エルダースクロールズ IV: オブリビオン』といった良質な海外タイトルを数多く日本に輸入してきたことで知られる人物。講演では“海外タイトルを日本でメジャーに! 立役者・高橋徹氏が語るゲームビジネス”と題し、自身の体験をもとに海外タイトルのローカライズ手法などについて語った。

 

 高橋氏は講演の冒頭で、ローカライズをするうえで大事なのは「日本語化はするが“日本化”はしない」ことである、という持論を披露。過去にパッケージも含めてすべて日本テイストに変更したところ散々な結果に終わった、という苦い経験を明かし、その失敗から「そもそものテイストを残すのがいちばん成功する」(高橋)ということを学んだと説明した。

 

 ローカライズのコツに関しては、「まず日本語を入れること」だと語る高橋氏。「乱暴に言えば日本語を入れた時点で8割は作業が完了する」(同)。日本市場において、海外タイトルで10万〜20万本のセールスを目指すことは決して容易ではない。そのため、ひとつのタイトルをソースコードから解析しなおすような手法よりも、ひとまず日本のユーザーが遊べる形にしてしまうことが、もとのテイストも壊さず、かつ効率的というわけだ。加えて、ローカライズ権を獲得したにも関わらず諸事情で日本発売できないこともまれにあるそうで、その際のリスク少しでも減らす意味もあるという。ちなみに残りの2割には日本語化したことで発生するバグの駆除が含まれる。そういった意味でも、まずは日本語を入れるという手法の重要度が増してくるわけだ。

 

 ローカライズするうえで避けてとおれないのがCEROのレーティング。海外タイトルにはリアルな暴力表現が含まれるものも少なくない。なかには、あまりにも表現が過激すぎるため、日本での発売が見送られているタイトルも複数ある。さきに挙げた『グランド・セフト・オート III』も当初は“クルマを強奪できる”、“一般人を殺せてしまう”といった部分がネックとなり日本での発売は困難とされていた。しかし、高橋氏はカプコン在籍時に“Z指定(18歳以上対象)”タイトルとして同作の日本発売を実現。スマッシュヒットを記録し、海外ゲームの地位向上に大きく貢献した。

 

 レーティング審査はメーカー側が問題だと思う部分をピックアップしてCEROに提出するという手法だが、高橋氏はこれに関して「ダメなところだけを提出するべきではない」と語る。「ゲームの本質がわかる部分も合わせて、全体の流れがわかるものを提出するべきだと思います」(高橋)。クリエーターが何を訴えたいのか? それを一般の人にもわかるように伝えること、それがゲーム表現の意味を理解してもらううえで重要な要素であるとした。


▲Q&Aの中で「海外タイトルからヒット作を出すには?」と問われた際には、「それを目指すか目指さないかという問題もある。買いつけてきたタイトルにそこまで腹をくくることができるのか? ということです」と回答した。


 

●中途半端なものを出せばユーザーに見抜かれる

 

 バンダイナムコゲームスの『アイドルマスター』および『アイドルマスター ライブフォーユー!』。両タイトルはソフト発売後も定期的にダウンロードコンテンツ配信を行い、高い収益を上げている“ダウンロードコンテンツビジネス”の成功事例と言える存在だ。田村氏によれば、そもそもは「ひとつのタイトルで新しい喜びを感じ続けてもらう」という思いからこのダウンロードコンテンツ配信はスタートしたのだという。
 

 新たなコンテンツを配信する際はつねに「中途半端なものを出せばユーザーには見抜かれる」と言い聞かせ、ひとつのタイトルを作るくらいの意気込みで取り組むという田村氏。また、ユーザーから支持を得るためには、ユーザー側の視点に立つことも重要であると説明。その一例として“アイマスカタログ”を紹介した。これは配信中のアクセサリーや衣装などを通販カタログのように閲覧して、お気に入りの衣装があったら個別に購入するというもの。カタログ自体の価格は無料なため、とりあえず見てみるという利用も可能だが、その真価はほかのユーザーがXbox LIVE上にアップしたライブ映像を観る際に発揮される。映像内のキャラクターたちが追加衣装を着ていた場合、たとえその衣装を自分が購入していなくても、カタログさえあれば追加衣装を着た状態の映像を視聴することができるのだ。田村氏はこれが、ユーザーの“自分の好きなキャラをかわいくしたい”、“人に見せたい欲求”、“他人のアピールを見たい”などの“親心”とも言える部分を刺激すると説明。コンテンツの購入を動機づける大きな要因になっていると分析した。

 そのほかに、『アイドルマスター』、『アイドルマスター ライブフォーユー!』はともにカタログの第1号に無料衣装が用意されている。これは田代氏によれば「ユーザーに衣装を追加するという実体験をしてもらう」という狙いがあるのだという。

 

 ダウンロードコンテンツの存在をより広く知らせるための施策としては、Webサイトでのトレーラー配信などが行われている。ちなみに、トレーラーには最新のカタログに関する予告が含まれており、トレーラーとカタログのダウンロード数はほぼ同じとのこと。


▲カタログ形式がダウンロードコンテンツを成功させた要因のひとつであることは間違いなさそうだ。


 最後に田村氏は『アイドルマスター』シリーズのダウンロードコンテンツビジネスに関して総括。「ユーザーのダウンロードコンテンツ購入比率は非常に高い。これはハードルを高く設定してきたおかげで、ユーザーの支持を得られたのだと思います。カッコイイ系、ネタ系の衣装は話題になるがダウンロード数は少ないので(笑)、今後はカワイイ系をメインに進めていくかもしれません」(田村)。


▲そのほかに、田村氏はダウンロードコンテンツの価格について「強気な設定と思われることもあるが、我々はこの値段に自信を持っている」とも語った。

 

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