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【コミコンリポートその4】奇才ウィル・ライトが、デモプレイを交えながら熱く語る。話題の大作『SPORE』の全貌が明らかに
Comic-Con International 2008

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●壮大なスケールを持つ『SPORE』のベールがついに剥がれる

 

▲自身の会社マクシスにて『SPORE』の開発を手掛ける。アメリカを代表するゲームクリエーターのひとりで、『シム』シリーズの産みの親としてもおなじみ。

 ゲーム業界にその名を轟かす奇才、ウィル・ライトが“Comic-Con International 2008(愛称コミコン)”で講演を行なった。テーマはもちろん、自身が手掛けるPCゲーム『SPORE』。発売を間近に控えた同作は、宇宙を作り上げるという壮大なスケールのシミュレーションで、先行発売された生物を自由に作れる『SPORE クリーチャークリエイター』は、この世に莫大な数のエイリアンを輩出している話題の1作だ。講演は、そんな『SPORE』をウィル・ライト氏が心行くまで語るというもの。ウィル・ライト氏の講演は、モニターに映像をつぎつぎと写しながら、ウィル・ライトが立石に水の如くしゃべり続けるというスタイルで行なわれる。その語り口は軽快で、クリエーターというよりもいっそコメディアン(?)。翻訳者泣かせとも言われるほどの博覧強記ぶりを誇るライト氏の講演は、笑わせどころも多く人気が極めて高い。もちろん、東西きっての著名ゲームクリエーターということもあるが、ライト氏のコミコンでの講演は、ゆうに2000人は収容できる会場が満員になるほどの人気ぶり。

 さて、「コミコンではみんなが“独自性”ということをつねに大事にしてきたと思うが、自分も昔はスタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』(‘68年)の大ファンで、レアアイテムやポスターを集めるオタクだった」と切り出したライト氏は、この映画を通じてエイリアンやAIなどのコンピューターに興味を持つようになり、やがて『シムシティ』を作るまでになったと説明。その流れが『SPORE』にまで続くのだということを示唆した。

 一方で、アニメやコミック、ゲームなどはストーリーを語るもので、この“ストーリーを語る”という欲求が、人間の表現方法を発展させてきたのだという。たとえば、昔は修道士が聖書を書き写す作業をして、字を読めない人たちに普及させたように、電話やテレビ、インターネットなどもそれが発明された当初は考えられなかったような形で普及していった。

 そこでカギとなるのが“ストーリーの描かれかた”。ライト氏は、『スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』といった名作を引き合いに出しつつ、「さまざまなストーリーの描きかたがあるが、共通しているのは善悪両方のキャラクターの存在とそれを取り巻く環境。そしてクールな能力の3つ。これがいろいろに変化して生き生きと描かれることで、これによりストーリーは魅力的なものになる」のだという。そう考えると、『機動戦士ガンダム』や『ドラゴンボール』など絶大な支持を誇る作品もたしかにこの法則に則っており、このへんの分析はライト氏の持論とも言えるものだろう。宇宙を創生する『SPORE』と、“ストーリーの描きかた”は一見すると関係がないようにも見えるが、みずからが自由にストーリーを描き得るのが『SPORE』の魅力であり、魅力的なストーリーを描くためには、“善悪のキャラクターの存在”、“キャラを取り巻く環境”、“クールな能力”が不可欠。『SPORE』では、これらの3つの要素がカギとなっており、そういった意味では『SPORE』は宇宙の物語を描くゲームだと言えるのだ。

 そうすると、「そんなに簡単に物語が作れるのか?」という疑問が沸くかもしれないが、そのへんはライト氏がやさしく後押しをしてくれる。「人間は子どもから大人になるにつれ、自分はクリエイティブでないと思うようになるが、ツールがあれば本当は誰でもクリエイティブになれる。『SPORE クリーチャークリエイター』でクリーチャーを作ってくれた人はたくさんいるが、量だけはなく質もとてもすぐれており、見事なエンターテインメントの表現になっている」と語る。つまり、『SPORE』=物語を作るためのすぐれたツールというわけだ。

▲キャラクター+環境(状況設定)+特殊能力により魅力的な物語が生まれるとライト氏。

 

▲『SPORE クリーチャークリエイター』では、発売開始18日後で全世界で作られたクリーチャーの数が世界に実際に存在する種族の150万を突破。いまは200万を超える勢いだという。多くのユーザーのクリエイティビティーを刺激したようだ。


 と、『SPORE』のテーマを語ったあとで、ライト氏は実機でのデモプレイ(!)を交えながら『SPORE』のゲーム概要を紹介。それによると、ゲームはまずは“シビリゼーション・ステージ”からスタート。ここでは、クリーチャーがひとつの細胞から発達して、文化を持つ民族に成長していくさまが描かれる。もちろん、それらの住民に対してプレイヤーは介入が可能で、「たとえば、宗教心溢れる町に強力な広告展開を行なうことで、その町の住民を物質主義に変えることも可能」なのだという。

 ある程度町が発展すると、おつぎは“スペース・ステージ”へ。つまりいよいよ人類は、宇宙ステーションなどを作って宇宙で出て行くというわけだ。『SPORE クリーチャークリエイター』をプレイしたことのある方ならお分かりのことと思うが、カスタマイズの簡単さが『SPORE』の大きな魅力で、宇宙ステーションの制作は10項目くらいのエディターを駆使することで、簡単に作り上げられる。そして宇宙に出ることで、「ユーザーによっては壮大な未知の世界を冒険して星の美しさを楽しんだり、植民地を作ったり、エイリアンやスペースパイレーツと戦ったりできます。さらには、ほかの惑星と取引をしたり、戦争をしたり……」と、とにかくいろいろなことができるらしい。

「『SPORE』の銀河は巨大で、一生かかっても全部を見られません」とライト氏は言う。『SPORE』で銀河の構成要素や惑星の組成なども学んでほしいライト氏は続ける。「学校の勉強では退屈になってしまったが、『SPORE』なら科学や進化論、歴史などを楽しく学ぶことができる」と。しみじみウィル・ライト氏はとんでもない作品を作り上げてしまったものである。『SPORE』は2008年9月にエレクトロニック・アーツから発売予定だ。

▲『SPORE』の銀河。この1個1個の惑星に行ける。「『SPORE』の銀河は巨大で、一生かかっても全部を見られません」とライト氏は言うが……本当にとんでないスケールだ。

▲こちらは宇宙ステーションのカスタマイズ画面。クリーチャーと同じで簡単に作成できる。このへんのインターフェースはさすがのひと言。

▲惑星ではいろんなことができる。種族にちょっかいを出したり、進化を促したり……。SFを自分で作れそうな勢いなのです。

▲自分の作り上げてきた惑星の歴史を辿ることもできる。

 

※『SPORE』の公式サイトはこちら

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