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20年経っても色褪せぬスウィングアクションの魅力――『バイオニックコマンドー マスターD復活計画』を先行体験してきました!

2008/7/23

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●新規要素の追加で、シリーズ未経験者でも楽しめる

 

 皆さんは`88年にカプコンから発売されたファミコン用ソフト『ヒットラーの復活』(海外版タイトルは『バイオニックコマンドー』)という作品をご存じだろうか? 同作は当時アーケードで稼動中だった『トップシークレット』をコンシューマー向けに移植したもので、主人公はジャンプができない代わりに、さまざまな場所へ引っ掛けて移動できるワイヤーが使用可能という、独特のシステムが魅力のアクションゲームだ。


▲こちらがファミコンで発売された『ヒットラーの復活』。ジャンプができない代わりにワイヤーを使うという画期的なシステムが魅力の作品。とくに海外ではカルト的な人気を得ているんだとか。


 記者は小学生のころにリアルタイムでこの作品をプレイしたのだが、『スーパーマリオブラザーズ』や『悪魔城ドラキュラ』などに親しみ”アクションゲーム=ジャンプアクション”という図式が刷り込まれていたため、それが成立しない同作への第1印象は「こんなのアクションじゃない!」とコントローラーを放り投げるほど最悪だった。しかし、小学生にとってゲームソフトは年に1本か2本買ってもらえるかどうかという貴重品。小学生の記者は”もったいないから”の一心だけで、高難度の本作を身悶えしながらプレイし続けていたのだ。

 

 最初は「ジャンプができないなんてありえない!」と憤っていたわけだが、ワイヤーの操作に慣れてくると、じつは一般的なアクションゲーム以上に自由に上下左右移動が可能なゲームシステムだと気づかされた。たとえば、ワイヤーを斜め上方向に引っ掛けたあと、コントローラーの方向キーを左右どちらかに入力すると、プレイヤーキャラクターはぶらんぶらんと振り子の運動を開始し、その最中に任意のタイミングで方向キーを左右どちらかに押しっぱなしにすればワイヤーをリリースして大きな跳躍を決めることができる。跳躍の最中にもワイヤーを出すことは可能なので(『トップシークレット』では不可)、足場がまったくないような場所でも、画面上部にワイヤーが引っかかる場所さえあればどれだけ大きなブランクも渡ることができるというわけだ。

 

 このワイヤーを使った”スウィングアクション”といういままでにないジャンプシステムの本質に気づいた瞬間、記者の中で『ヒットラーの復活』は最悪のゲームから至高のアクションゲームへと一気に格上げされた。第1印象は最悪で、最終的には好きで好きでしかたない。そんな恋愛マンガの王道のような関係を築けただけに、記者の本作に対する思い入れは日本国内でもトップクラス(?)であろうと自負している。

 

 前置きが長くなったが、この『ヒットラーの復活』がプレイステーション3、Xbox 360という最新ハードでリメイクされ、2008年7月下旬(プレイステーション3版が2008年7月31日、Xbox 360版が2008年7月30日)より『バイオニックコマンドー マスターD復活計画』(以下、『マスターD』)というタイトルでPLAYSTATION StoreとXbox LIVE マーケットプレイスでダウンロード販売される。前述したように、本作をこよなく愛している記者。配信開始の日を指折り数えて待っていたところ、カプコンからメディア向け先行体験のお知らせが。「自分が行かなければ、誰が行くのだ!!」と意気込みながら記者は会場であるカプコン東京支社へ向かった。


▲もともとオリジナル版の大ファンだっというベン氏。より多くの人にスウィングアクションの魅力を知ってもらうべく、『マスターD』では初心者向けの要素を複数追加したと語った。

 今回の体験会には『マスターD』の開発プロデューサーを務めるベン・ジャット氏も訪れており、体験プレイに先立ってプレゼンテーションが行われた。
 

 オリジナル版をプレイしたことがある人ならわかると思うが、本作はスウィングアクションという独特のシステムに慣れるまでかなりの時間を要する。そのため「多くの人が、おもしろさに気づくまえにゲームを放り出してしまう恐れがある」とベン氏はリメイクに当たってはその点を重点に取り組んだという。『マスターD』では新規ユーザーでもすんなりとゲームを楽しめるように初心者向けの救済策を用意。ひとつは”チュートリアルモード”で、ここではスウィングアクションを一から学ぶことが可能となっている。もうひとつは、イージー、ノーマル、ハードという難易度設定の導入。「本作でいちばん難しいのは、スウィングアクションなのでその部分をサポートするようにしました」(ベン)ということで、イージーを選択した場合にはステージ内の穴(即死ポイント)に”アシストブロック”と呼ばれるものが登場して、転落によるゲームオーバーの可能性をほぼゼロにしてくれるのだ。ちなみにそのほかの難度については、ノーマルがほぼオリジナル版と同程度で、ハードはそれを上回るものに。さらに、一定の条件をクリアーすることで第4の難度が登場するとのことだが、残念ながら詳細については明かされなかった。
 

▲ワイヤーを使ったアクションは本作最大の魅力ではあると同時に、アクションゲームを得意としない人にとっては大きな障害にもなる。それを打開すべく、『マスターD』には難易度設定が導入された。


 初心者向のサポート以外にも、本作にはオンラインランキング、対戦モード、データベース、スウィングアクションを利用したパズル形式のチャレンジルームなど数多くの新モード追加が行われている。プレイ部分に関しても同様で、新武器、新ボスの登場、ワイヤーの性能強化、協力プレイなど、新要素が盛りだくさん。しかし、ゲームの根本となる部分には一切手が加えられておらず、ベン氏も「システム面は95パーセントがオリジナル版のままで、残り5パーセントが新規要素になっています」と説明。素材は同じだが、味つけだけはいま風に調整されているという、まさにリメイクのお手本とも言える仕上がりだ。


▲マップ画面や通信画面なども健在。グラフィックは格段にパワーアップしている。


▲協力プレイ時には赤色のプレイヤーキャラクターが登場する。

 

▲こちらが『マスターD』のネイサン・スペンサー。

 そのほかに、『マスターD』のデータがあれば、プレイステーション3、Xbox 360用ソフト『バイオニック コマンドー(BIONIC COMMANDO)』(発売日未定)をプレイするときにコスチューム変更が可能になるという連動要素も明らかにされた。『バイオニック コマンドー(BIONIC COMMANDO)』は『マスターD』の続編に当たる作品で、主人公はどちらも”ネイサン・スペンサー”なのだが、外見はほとんど別人のようなデザインになっている。ベン氏の話によると、オリジナル版のファンあいだではネイサン・スペンサーと言えば『マスターD』に登場する”赤い髪に緑色の衣装”というイメージが強いため、このデザイン変更は波紋を呼んだという。そんなファンの声に応える形で用意されたのが今回の連動要素で、変更後のコスチュームはもちろんオリジナル版と同じ”赤い髪に緑色の衣装”だ。
 

▲こちらがレイステーション3、Xbox 360用ソフト『バイオニック コマンドー(BIONIC COMMANDO)』。ネイサン・スペンサーの髪の毛はドレッドヘアーになっており、服装も色こそ緑だがタンクトップに変更されている。


 プレゼンテーションの最後にベン氏は「2Dアクションはゲームのルーツで、3Dのゲームにはない楽しさがあると思います。それを日本のユーザーにアピールするため、今回は`80年代風アニメとのタイアップを考えました」と語り、『マスターD』のテーマ曲を”アニソン界の帝王”こと水木一郎が手掛けることを発表。さらに、このテーマ曲とシンクロした`80年代のアニメ風スペシャル映像も公開した。なお、この映像は近日中に公式サイトおよびXbox LIVEマーケットプレイス、PLAYSTATION Storeで配信予定となっている。

▲水木一郎(右)がテーマソングを熱唱! さらに作曲はアニメ界の巨匠、田中公平氏が手掛けるという夢のコラボも実現。


 ベン氏のプレゼンテーション終了後、いよいよ体験会がスタート。すでに何度も述べたとおり、本作最大の魅力はスウィングアクションにある。ワイヤーが出るタイミングなどはオリジナル版の『ヒットラーの復活』そのままで、記者は初プレイからすいすいと連続跳躍を決めることができた。また、敵の配置、ステージの色合い、サウンドは若干のアレンジを加えつつも基本的にオリジナル版をきちんと踏襲。サウンドは最初聴いたとき「ずいぶんと豪華な感じになったな」という印象を受けたが、よーく耳をすますとビートの刻みがイイ意味でチープなファミコン風になっており、オリジナルのサウンドをこよなく愛す記者は気づいた瞬間鳥肌が立つほどの感動をおぼえた。


 ゲームプレイ部分で個人的にもっとも驚かされたのが、武器をリアルタイムで変更可能になった点。オリジナル版ではステージ開始まえに武器を選択し、ステージをクリアーするまでは同じ武器を使い続けなければいけなかったが、『マスターD』では所持している武器を好きなときにワンタッチでチェンジすることができるのだ。この変更に合わせて、各武器には属性というものが追加。今回確認できたのは弾丸系、ビーム系で、弾丸系は人間タイプの敵へ効果的、ビーム系はマシンタイプの敵に効果的といった具合になっている。オリジナル版では序盤で手に入る”ロケット砲”の性能が非常に高かったため、ほとんどのプレイヤーが同武器しか使わないという状況になっていたが、この属性要素の追加でそういったプレイはできなくなったと言ってもいいだろう。ちなみに、件のロケット砲は『マスターD』にも登場するが、以前ほど使い勝手のいい武器ではなくなっている、ということを付け加えておく。


▲画面左上にあるアイコンが現在選択中の武器。プレイステーション3版では、L1もしくはR1ボタンで変更することができた。なお、どの敵にどの属性の武器が効果的か? というのは、攻撃がヒットしたときの色で判断することができる。敵の体が赤く光ったときはそれが弱点属性であることを示しており、黄色に光った場合は逆となる。


▲マップ移動時に発生する遭遇戦中も武器はリアルタイムで変更可能。


 アレンジが加えられたのは武器だけではない。ワイヤーにもいくつかの新アクションが追加された。オリジナル版ではワイヤーを使って遠くにあるアイテムなどを引き寄せることができたが、『マスターD』ではドラム缶など一部の障害物も引き寄せることが可能となり、さらにそれを投擲して敵に攻撃することも可能になったのだ。この新アクションはボス戦でも使用する機会があるので、ゲームをスタートしたら真っ先に習得しておきたいテクニックのひとつ。また、ある程度ステージが進むと障害物だけでなく敵キャラもワイヤーで捕まえることができるようになる。このときには、敵キャラを盾のようにして使うことが可能だ。そのほかに、空中で真横にワイヤー射出が可能に、静止状態からショットガンを撃った反動で振り子運動を開始、といった追加アクションも確認することができた。

 

 ステージ構成でもっとも大きな変更は、”ちゃんとした”ボス戦の登場だろう。オリジナル版のボス戦は、いちばん奥にあるコアを破壊すればボスキャラを倒さなくてもクリアーできるというもので、正直歯応えが感じられない人も多かったはず。ベン氏もこのボス戦が『ヒットラーの復活』における数少ない問題点であると認識していたようで、『マスターD』ではボス戦に大幅な変更、というか作り直しが行われている。まずコアという存在が撤廃され(※今回、記者がプレイした範囲では)、ボスを倒さなければクリアーできないようになっていた。各ボスはただ単純に攻撃を加えるだけでは倒すことができずスウィングアクションを駆使して弱点部分を見つけ出す必要がある。各ボス戦ともかなり趣向を凝らした内容となっており、オリジナル版をプレイしたことがある人ならば、その”ちゃんと戦える具合”に驚くことだろう。


▲オリジナル版を遊んでいた人必見の”ちゃんとした”ボス戦! 倒すためにはただ攻撃するだけでなく、ワイヤーを駆使しなければいけない。


 最後に対戦プレイ部分に関して簡単に紹介する。なぜ”簡単に”なのかというと、記者は本気でゲームをクリアーする気でいたため、体験会終了間際までストーリーモードばかりプレイしてしまったのだ……。とは言え、ほんの10分ほどのプレイでも対戦プレイの楽しさは十分に感じられた。対戦プレイは最大4人までの同時プレイが可能で、オンライン対応はしておらずローカル対戦のみとなっている。操作キャラクターは主人公のネイサン・スペンサーを始め全部で4人登場。それぞれ能力は異なっているが、すべてのキャラクターが”スウィングアクション”を使用することが可能となっている。ルールは相手にダメージを与えて規定回数倒すだけ、という極めてシンプルなものだが、ここに”スウィングアクション”が加わることで、遠くからの奇襲や高低差を利用した脱出などのアツイ展開が生まれてくるのだ。また、画面上部からは武器や回復アイテムなどが定期的に降ってくる。これを誰よりも早く手に入れるためには、やはり”スウィングアクション”が必要不可欠。熟練者どうしの対戦になれば、華麗な空中戦をくり広げつつ、アイテムを回収し、そしてまた空中戦を再開するといった超人的な対戦風景が期待できそうだ。ちなみに記者の対戦相手はベン氏だったのが、4回やってすべて敗北という散々な結果に……。
 

▲プロデューサーが直々にお手合わせしてくれました。最大4人まで参加可能ですが、タイマン勝負も十分にアツイです!


 ゲーム画面はオリジナルと比べものにならないほど美麗になり、新システムの採用で戦略性も生まれるなど、『ヒットラーの復活』から大きな進化を遂げた『マスターD』。しかし、ワイヤーが射出するタイミングや、敵の配置などには手が加えられていない。オリジナル版を遊んだことがある人なら、コントローラーを握った瞬間から、当時とまったく同じ感覚でスウィングアクションを堪能することができるだろう。そして、オリジナル版を遊んだことがない人は、この機会にぜひ『マスターD』をプレイしてスウィングアクションに触れてみてほしい。挫けずに練習すればそのさきに、アクションゲーム史上屈指の爽快感が待っていることだろう。

 

 とりあえず記者は、対戦で歯が立たなかったベン氏にリベンジするべく購入したら真っ先に対戦プレイをやり込もうと思っています!


▲オリジナル版のファンはもちろん、アクションゲーム好きはぜひプレイしてみて!

 

※『バイオニックコマンドー』シリーズの公式サイトはこちら

 

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